【静岡県知事選】新人三つどもえ 共産・森氏出馬で構図固まる 投開票まで1カ月

 知事選(5月9日告示、26日投開票)は投開票まで1カ月となり、新人による三つどもえの構図となることがほぼ固まった。既に立候補を表明している元副知事の大村慎一氏(60)=無所属=と前浜松市長の鈴木康友氏(66)=同=に加え、共産党県委員長の森大介氏(55)が25日、共産公認で出馬すると正式に表明した。与野党対決との見方もあり、解散総選挙を見据える中央政界からも注目される超短期決戦は、実質的な選挙戦に突入した。

 大村、鈴木両氏はリニア中央新幹線整備事業と、浜松市の新野球場建設について推進の姿勢を示すが、森氏は反対を主張。大村、鈴木両氏が是非を明言していない中部電力浜岡原発の再稼働も森氏は反対した。3事業で大村、鈴木両氏との対立軸を明示し、受け皿になることを目指す。
 大村、鈴木両氏は川勝平太知事の県政継承を否定している。森氏は25日に県庁で開いた記者会見で、リニア静岡工区の着工や原発再稼働を認めなかった川勝県政を評価した一方、医療政策などは「容認できず反対してきた」と述べた。
 大村氏と鈴木氏はともに地域や党派を超えた勢力を結集する「オール静岡」を目指しているが、両陣営の陣容が固まるに連れ、与野党対決の色合いが濃くなっている。
 自民党県連は大村氏推薦を決めて党本部に上申した。立憲民主と国民民主の両党と、連合静岡、県議会会派ふじのくに県民クラブなど旧民主党系勢力は鈴木氏の推薦・支援を決めた。公明党は現時点で態度を明らかにしていない。日本維新の会は独自候補の擁立を検討せず、立候補予定者の支援方針も示していない。
 派閥パーティーを巡る裏金問題や女性問題など県内国会議員の相次ぐ不祥事で逆風を免れない自民。一方の野党も、共産が独自候補を擁立し、旧民主系4者の内部もまとまりを欠く。党派を超えた「オール静岡」の実現は困難な状況になっているのが実情だ。各立候補予定者の主張や実績、支援組織が有権者の投票行動にどのように影響を与えるか注目される。

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