ローランドDG、TOB買い付け価格引き上げ MBOに向け、期限5月15日に再延長

 ローランドDGは26日、MBO(経営陣による自社買収)に向けて、米国の投資会社タイヨウ・パシフィック・パートナーズと組む公開買付(TOB)について、買い付け価格を1株当たり5035円から5370円に引き上げると発表した。「対抗TOB」でブラザー工業が予告していた1株当たり5200円を上回る。買い付け期限は26日から5月15日に再延長した。

ローランドDG本社=浜松市浜名区新都田
ローランドDG本社=浜松市浜名区新都田

 タイヨウ側の提案に対する賛同意見を維持した。ブラザー工業の提案を受けて、撤回していた株主に対する応募推奨は、今回のTOB価格の引き上げを受けて再び「推奨する」に戻した。
 同日、小川和宏常務執行役員コーポレート本部長らが都内で会見し、タイヨウ側の提案に賛同する理由としていた「ブラザー工業と組む上でのディスシナジー(マイナスの相乗効果)」について説明。ブラザー工業の傘下に入った場合、主力サプライヤーと競合関係となり、供給を受けているプリンターヘッドの取引条件の悪化などが想定され、「タイヨウが当社の中長期的な企業価値向上に資するパートナーとして最適であると判断した」と述べた。
 26日のローランドDG株価の市場価格は、両社のTOB価格を上回る終値5490円だった。

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