⚽日本、パリ切符あと1勝 カタール下し準決勝へ サッカー五輪アジア最終予選

 サッカー男子のパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23(23歳以下)アジア・カップ第10日は25日、ドーハで準々決勝2試合が行われ、日本はカタールを延長の末に4-2で下し、8大会連続の五輪出場にあと1勝と迫った。29日午後8時半(日本時間30日午前2時半)からの準決勝でイラク-ベトナムの勝者と対戦する。

日本―カタール 延長前半、チーム3点目のゴールを決める細谷(中央)=ドーハ(共同)
日本―カタール 延長前半、チーム3点目のゴールを決める細谷(中央)=ドーハ(共同)
日本―カタール 後半、ヘディングで競り合う関根(左)=ドーハ(共同)
日本―カタール 後半、ヘディングで競り合う関根(左)=ドーハ(共同)
日本―カタール 延長前半、チーム3点目のゴールを決める細谷(中央)=ドーハ(共同)
日本―カタール 後半、ヘディングで競り合う関根(左)=ドーハ(共同)

 日本は前半早々に山田楓(東京V)が先制。その後に追い付かれ、退場者を出したカタールに一時逆転されたが、後半22分に木村(鳥栖)の得点で2-2とした。延長で細谷(柏)が勝ち越し点を決め、内野航(筑波大)が突き放した。
 インドネシアは韓国と2-2で延長を終え、PK戦を11-10で制した。韓国の五輪出場は9大会連続で途切れた。
 大会3位までが五輪に出場し、4位はギニアとのプレーオフに回る。

▽準々決勝
日本 4(1―1 1―1 延長 1―0 1―0)2 カタール
▽得点者【日】山田楓(前2分)木村(後22分)細谷(延長前10分)内野航(延長後7分)【カ】ラウィ(前24分)アブドルサラム(後3分)

 【評】日本が延長の2ゴールで競り勝った。前半2分に山田楓のミドルシュートで先制後、同24分にクロスから失点。同42分にはカタールのGKが退場となって数的優位に立ったが、後半3分にFKから2失点目。同22分に右CKを木村が頭で合わせて同点とし、延長前半10分、荒木のパスを受けた細谷が勝ち越しゴール。同後半に内野航がダメを押した。


細谷 お目覚めの一撃 チーム一丸 開催国撃破  これぞアジアの戦いという一戦を制した。日本は10人になったカタールに後半早々、警戒していたはずのセットプレーで勝ち越しを許す。地元サポーターが沸き立った。
 相手は何でもないプレーでいちいち痛がり、ピッチに倒れて時計の針を進めた。「焦りはなかった」と右サイドバックの関根(静岡学園高出)。重心を下げる相手にサイド攻撃を繰り返し、疲れさせた。CKで振り出しに戻し、迎えた延長前半。藤田から縦パスを受けた荒木が、ゴール前へ絶妙のパスを送った。
 決めたのは悩めるエース、細谷。1次リーグで再三の好機を逃していた男がシュートでGKの股を抜いた。内野航が交代の準備をしているのを見て、「ここで終わったらサッカー人生が終わる」。それほどまでに追い込まれていたストライカーのゴールは、チームの一体感を高めた。
 1次リーグ最終戦で韓国に敗れた後、選手たちだけでミーティングを行った。「国の代表だから悪いことも言われる。だけど、ファミリーだぞ」。そういった声が上がり、団結を再確認した。
 パリまであと1勝。「もう切り替えよう。次勝たないと何も残らないと、みんなで話した」と関根。全員で切符をつかむ。

試合を難しくした  大岩剛・U-23日本代表監督(清水商高出)の話 われわれが試合を難しくしてしまった面が少なからずある。4ゴールを評価するとともに、2失点をしっかりと反省しないといけない。

誰よりも走ろうと  関根(静岡学園高出)の話 (クロスをクリアできずに失点して)責任を感じた。得点やアシストで貢献したいという思いが強かった。誰よりも走ろうと思った。

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