パリへ加速、男子200で飯塚2位 静岡国際陸上 男子800の川元14位【動画あり】

男子200メートル決勝 鵜沢(左)に敗れて2位になった飯塚翔太(右)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
 陸上の日本グランプリシリーズ第5戦、第39回静岡国際陸上競技大会(静岡陸上競技協会、静岡新聞社など共催)は3日、エコパスタジアムで男女13種目を行い、男子200メートルの飯塚翔太(ミズノ、藤枝明誠高出)が20秒46で準優勝した。男子800メートルは前川優月(SMILEY)が1分48秒56で7位に入り、川元奨(スズキ)は1分49秒98の14位だった。
飯塚(藤枝明誠高出)20秒4台、V逸にも手応え
男子200メートル決勝 鵜沢(左)に敗れて2位になった飯塚翔太男子200メートル 予選レース前、声援に応える飯塚翔太男子200メートル決勝 レースを終えてタイムを確認する飯塚翔太(左)男子200メートル 予選レース前に集中する飯塚翔太男子200メートル決勝 鵜沢(左)に敗れて2位になった飯塚翔太
 地元タイトルの奪還こそ逃したが、男子200メートルの飯塚(ミズノ、藤枝明誠高出)が着実に4大会連続の五輪へ近づいている。決勝は「スタートから全く体が動かなかった」と言いながら、21歳の鵜沢(筑波大)を追って今季自己最高の20秒46で2位。五輪ランクポイントも上積みし、「あとは紙一重のすり合わせ。順調です」と自信をにじませた。
 予選の快走が今季の充実ぶりを物語った。力みなくスピードに乗ると、コーナーを抜けてからは「今までで一番かもしれない」と自身も驚くほどの急加速。残り30メートルで脚を緩めて20秒48だったが、「20秒1~2台が見えていた」という。
 1人で練習する時期が長かったが、東京五輪前から中大の後輩の竹田(スズキ)、染谷(大和ハウス)と一緒に活動。「勝ちたくて、日ごろから燃え続けている」と練習からスピードが上がった。昨年の世界選手権は自己3番目の20秒27で準決勝進出。今季もこれで20秒4台が3本と高いアベレージを保つ。
 あとは、前半100メートルのギアがもう1段上がれば、2016年にマークした自己記録20秒11の更新も見えてくる。「200メートルは毎年、静岡国際から(本格的に)始まる。ここからの仕上がりが楽しみ」。32歳のスプリンターが故郷でパリへ加速した。
(運動部・山本一真)

川元(スズキ)「力みすぎてしまった」
男子800メートルタイムレース 悔しそうな表情を見せて引き揚げる川元奨(右)男子800メートルタイムレース ゴールに向かう川元奨(右)
 男子800メートル日本記録保持者の川元(スズキ)は、1分49秒98で全体14位。「力みすぎてしまった」と、地元戦で2017年以来の優勝はならなかった。
 後半の追い込みを狙ったが、このレースで高校新記録を樹立した落合(滋賀学園高)らが500メートル過ぎで仕掛ける中で「体が思うように動かなかった」。組7位に終わり「調子は悪くないけれど、レースでかみ合わない」と苦悩の色が浮かぶ。
 2016年リオデジャネイロ五輪出場の実力者も31歳。パリ五輪の代表入りは「正直厳しい(状況)」とも。それでも「(6月の)日本選手権では最低でも優勝したい」とベテランの意地を見せる。
(伊藤龍太)

 ◇…主な県勢記録…◇
 ▽男子200メートル予選【1組】(7)高木恒(浜松委托運送)21秒13【2組】(1)飯塚翔太(ミズノ、藤枝明誠高出)20秒48(6)島田開伸(早大、浜松湖東高出)21秒03
 ▽同400メートル【1組】(5)植田壮太(法大、富士東高出)47秒94
 ▽同800メートル【2組】(6)早川龍斗(SMILEY)1分49秒29【3組】(7)川元奨(スズキ)1分49秒98【Bレース】(3)石沢空武(SMILEY)1分52秒69(4)山下永吉(静岡銀行)1分52秒95
 ▽同パラ400メートル【切断などT47】(1)鈴木雄大(JAL、伊豆総合高出)50秒45
 ▽女子200メートル予選【3組】渡辺輝(田子重)24秒54=オープン
 ▽同400メートル 【1組】(5)佐野こはな(駿河台大、富士東高出)57秒50

優勝の鵜沢 泰然  男子200メートルは鵜沢飛羽(筑波大)が完勝した。直線に入ると飯塚らをどんどん引き離し、自己記録まであと0秒03に迫る20秒26をマーク。パリ五輪の参加標準記録(20秒16)には届かず、「カーブを抜けてから足が乱れてしまった」と反省を忘れなかった。
 昨季はアジア選手権を制し、世界選手権にも初出場。今季も「去年と同じ」心境で迎えている。五輪参加標準記録については「準備が整えば、そのうち出る」。泰然と構え、自信を口にした。

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  • 「もうひと踏ん張りしないと」4大会連続五輪出場目指す飯塚翔太 “地元戦”2位に終わる

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