寮生、蜆塚町の一員 初子凧を大空へ「町の大きな力」 静大浜松「あかつき寮」【浜松まつり’24】

 浜松まつりが開幕した3日、浜松市中央区の凧(たこ)揚げ会場では、子どもの成長や長寿を願う大凧が次々と舞い上がった。各町の関係者は力を合わせて糸をたぐり、それぞれの思いを込めて空を見上げた。

糸を引く作業に汗を流す学生ら=浜松市中央区の凧揚げ会場
糸を引く作業に汗を流す学生ら=浜松市中央区の凧揚げ会場
凧が揚がり初子を祝う寮生ら(左奥)=浜松市中央区の凧揚げ会場
凧が揚がり初子を祝う寮生ら(左奥)=浜松市中央区の凧揚げ会場
糸を引く作業に汗を流す学生ら=浜松市中央区の凧揚げ会場
凧が揚がり初子を祝う寮生ら(左奥)=浜松市中央区の凧揚げ会場

 「行けー、しっかり引けー」。凧揚げ会メンバーが大学生に指示する声が飛んだ。静岡大浜松キャンパスの学生自治寮「あかつき寮」の寮生が蜆塚町の一員として祭りに参加し、大空に初子の凧を揚げた。
 円を描くように走り、糸を引く作業に汗を流す。祭り未経験の1年生の参加が多く、当初は苦戦した。凧揚げ会の「片手を曲げ、固めて引く感じ」の助言を意識し、挑戦し続けること1時間以上。凧は勢いよく舞い上がった。昨年に続く参加の前寮長の4年前川朋輝さん(22)は「この感動を仲間と共有できてうれしい」と顔をほころばせた。
 コロナ禍で寮の行事が激減し、活気を戻したいと考えていた2023年3月、過去に寮生が祭りに参加していたことを記す資料を見つけ、同町に連絡した。連絡を受けた泰沢友和副組長(48)は「コロナ前は学生とのつながりが深かった。連絡が来てうれしかった」と振り返る。
 若手が不足する中、寮生の参加は町にとってもありがたい。今年も練習を重ねる中で、住民と親睦をすっかり深めた様子だ。泰沢副組長は「学生たちは町の大きな力になっている」と懸命に糸を引く寮生を見守った。
 3日間で昨年の倍以上の延べ27人の寮生が参加する。初参加の1年橋田昌汰さん(18)は「知識がない僕たちに町の皆さんは丁寧に教えてくれた。最高に盛り上がれた」と話す。前川さんは「祭りに出ることで寮としての一体感も増した。この楽しさが後輩たちに広がっていけばいい」と笑顔を見せた。
 (浜松総局・小林千菜美)

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