浜松まつりの記事一覧
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糸切り、見せ場少なく 浜松まつり期間の3日間 強風吹かず「来年に期待」
浜松まつり開催期間の3日間を通して凧揚げ会場に強い風が吹く機会が少なく、「糸切り合戦」が活発化することなく閉幕を迎えた。会場に熱気を生む見せ場の一つだけに、関係者からは「心残りだ」との声も聞かれた。 最終日の5日も凧場は晴天に恵まれた一方、例年は合戦が盛んに行われる午後2時を過ぎても空高く舞う凧は増えなかった。祭りの組織委員会企画統制監理部によると、初日に数件あったが、その後はほとんど見られなかったという。 初日の合戦に参加した船越町の組長久島一行さん(44)は「糸を引かないと凧が落ちてしまい、合戦どころではなかった」と振り返る。それでも3日間の凧揚げには満足しているといい「難しい環境で
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「完全復活」浜松まつり、盛況の3日間閉幕 人出245万3000人 子ども凧揚げも熱気
凧(たこ)揚げ合戦や御殿屋台引き回しを繰り広げた浜松まつりは「こどもの日」の5日、子ども凧揚げなど小中学生らが主役になる多彩な催しを行った。新型コロナ禍に伴う飲酒禁止制限などが撤廃され、5年ぶりの「完全開催」となった祭りは、浜松を高揚感で包み込んで閉幕した。 「浜松まつりの完全復活を感じる3日間だった」。中央区馬込町の青山良和組長(56)は興奮した様子で振り返った。同町は今年、御殿屋台を新調して臨んでいて、「活気を取り戻した祭りの歴史を、新しい屋台とともにつないでいきたい」と意気込んだ。 子ども凧揚げに参加した半田山の加藤天誠君(11)=積志小6年=は凧揚会に所属する祖父母と父を目標に挙
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4町合同おはやし 御殿屋台並べラッパ隊練り【浜松まつり3日目】
浜松市中心部の市ギャラリーモール・ソラモでは向宿町、中島町本町、領家町、野口町の4町が合同で、子どもたちによるおはやしの演奏とラッパ隊による練りを披露した。 4町の御殿屋台が会場に並んだ。屋台に乗ったり、周囲に並んだりした子どもは、横笛や太鼓などで落ち着いた音色を奏でた。向宿町の河合唯華さん(11)=佐藤小6年=は「3月から練習してきた。音を合わせた丁寧な演奏を聴いてもらえたら」と話した。 おはやし演奏の前後には、ラッパ隊が屋台の周囲などを練り歩き、勇壮な音を響かせた。詰めかけた観客は子どもたちの元気な振る舞いを眺め、にぎやかな祭りのムードを楽しんだ。
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子ども凧揚げ 元気いっぱい「将来は祭りの主役に」【浜松まつり3日目】
浜松まつり最終日の5日、各町の少年少女が凧揚げを体験する「子ども凧揚げ」では、次代の担い手となる子どもたちが元気いっぱいに凧を引っ張った。 凧揚げの楽しさを体験してもらおうと、「こどもの日」の恒例行事になっている。普段は大人の雄姿を見守る子どもたちが主役となり、法被姿で元気よく凧場を駆け回った。 微風の中、大人たちが糸を手に走り回ったり、たぐりよせたりして懸命に上空に舞い上がらせ、子どもに引き継いだ。園児や小学生らは遠くに浮かぶ凧を見つめながら、威勢の良いかけ声で懸命に糸を引いた。 黒須彩亜さん(13)=蜆塚中2年=は「コロナ前と同じくらいの人数に戻って盛り上がった。やっぱり皆で凧を揚
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亡き父思い ラッパ隊けん引 和合町西和・初代凧揚会組長の娘、子ども会盛り上げ【浜松まつり3日目】
浜松まつり最終日の5日、浜松市中央区の凧(たこ)揚げ会場や市中心部では「こどもの日」にちなんだ子ども凧揚げや、子どもラッパ隊による演奏会などのイベントを展開した。大人たちは子どもの健やかな成長を喜ぶとともに、祭りの伝統の継承を願った。 「オイショ、オイショ」。凧揚げ会場で行われた子ども凧揚げ。糸をたぐる町衆をもり立てる子どもラッパ隊の先頭に立ち、和合町西和子ども会会長の佐藤順子さん(41)はひときわ大きな声を上げた。佐藤さんの父小野隆司さんは、同町が祭りに初参加した36年前に初代凧揚会組長を務めた。11年前、64歳で世を去った父の思いを受け継ぎ、佐藤さんは子どもたちと町の凧を見上げた。
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青空の、特等席のあの人へ 大凧へ託した亡き妻、夫の思い 海老塚町・市川さん/飯田町・戸塚さん【浜松まつり】
若くして亡くなった母親や父親の思いを乗せた凧(たこ)が、青く澄んだ空に勢いよく舞い上がった。浜松まつり2日目の4日、初日に続き晴天に恵まれた浜松市中央区の凧揚げ会場。特別の思いを持って空を見上げた家族は「これからも遠い場所から子の成長を見届けて」と願った。 同区海老塚町の市川秀人さん(38)は、力を込めて長男縁実(よりみつ)ちゃん(4)の初凧の糸を引っ張った。左手小指には、4年前に36歳の若さで亡くなった妻友恵さんの結婚指輪をはめていた。 秀人さんと友恵さんは2018年夏、知人の紹介で知り合った。爪を美しく整えるネイリストだった友恵さんは当時、米国で活動していた。「芯の通った、かっこいい
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浜松まつり「合同練り」熱気最高潮 行進にぎやか、通り埋め尽くす
浜松まつりは2日目の4日夕、参加各町が結束して浜松市中心街を巡る「合同練り」を行った。通りを埋め尽くした老若男女が威勢良く練り歩き、盛り上がりは最高潮に達した。 午後5時ごろから同市中央区の繁華街に各町の町衆が集った。にぎやかなラッパや太鼓の音を鳴り響かせ、旗やちょうちんを手に小気味よく行進した。沿道に詰めかけた観光客は高まる熱気を肌で感じた。 凧(たこ)揚げ会場は初日に続いて晴天が広がり、色とりどりの大凧が舞った。穏やかな風が吹く中、巧みに糸をたぐって天高く揚げる様子が見られた。 主催者の組織委員会によると、2日目の凧揚げ会場には39万人が来場した。
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浜松まつり、希望家族で「合同参加」 初子祝い、時流と折り合い
浜松まつり2日目の4日、飯田町の一員として凧揚げに臨んだ自営業戸塚佳代さん(43)=東京都青梅市=は、同町がコロナ禍明けから導入した「合同参加方式」を利用して初子祝いに臨んだ。戸塚さんを含む3家族が子ども計6人の連名の凧を揚げたほか、夜のお祝いも町が主体となり、地域の体育館駐車場を拠点に一括で実施した。初子家庭の費用や手間を軽減し、参加のハードルを下げる狙いがある。 同町では近年、初子凧を揚げる人が少ないことが課題になっている。新興住宅地や集合住宅に移住してくる核家族が多い地域の特徴も踏まえ、祭りになじみのない人でも参加しやすいように2023年から同方式を取り入れた。 凧1枚の制作費と、
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オークラアクト浜松 展望回廊再開後 入場3万人 三井さんら家族に記念品
オークラアクトシティホテル浜松(浜松市中央区)の45階展望回廊は4日、2022年12月20日の営業再開からの有料入場者数3万人を突破した。節目の来場者となった浜名区の三井琉翔さん(麁玉中2年)、開翔君(麁玉小6年)ら家族に、同ホテルスイートルーム宿泊券(2名1泊10万2600円相当)と花束を贈った。 「高いところで景色を見たい」と望んでやってきた開翔君は、3万人目となったことに「突然でびっくりした」と感想を述べた。この日は浜松まつりの凧(たこ)が揚がる光景も見られ、家族は「祭り気分を満喫できた」と声をそろえた。 地上185メートルの展望回廊は1994年10月にオープン。20年2月から2年10
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「町の垣根」越え 子どもが交流 長上地区7町【浜松まつり’24】
浜松市中央区の長上地区7町は凧揚げ会場近くの砂浜で、5年ぶりに子どもたちの合同交流イベントを開催した。 小池、市野、中田、下石田、上石田、天王、原島の各町の子ども約110人と大人たちが参加した。7町の凧印を描いたオリジナル連合凧を当番町の下石田町の凧揚会らが中心となって空に揚げ、盛り上げた。 子どもたちは大人のラッパ隊の演奏とともに、じゃんけんをして負けた人が勝った人の後ろに付く「じゃんけん列車」で遊んだ。ラッパの音に合わせて体を揺らし、勝敗に一喜一憂しながら楽しんでいた。 下石田町凧揚会の斎藤哲也組長(52)は「子どもたちがたくさん集まってくれて非常にうれしい。来年以降も、町を越えた
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町内会40年で10帖凧空へ堂々 芳川町、倉松町【浜松まつり’24】
浜松まつり2日目の4日は、前日に続いて晴天に恵まれ、郷土への市民の思いが詰まった大凧(だこ)が青空に舞った。町の垣根を越えて子どもたちが交流するイベントもあった。 凧揚げ会場では、複数の町内会が結成40周年を記念した10帖凧を揚げた。「50年、100年と続いてほしい」。地域と祭りへの特別な思いを乗せたひときわ大きな一枚が空を駆けた。 芳川町大橋は、頭文字の「芳」が太字で描かれた10帖凧を揚げた。組長の鈴木将義さん(49)は「最高。凧を若い衆につなぎ、地域を元気にしたい」と充実の表情を浮かべた。 同町は後進の育成に力を入れている。鈴木さんの息子ら若い世代が同級生に呼びかけ、祭り離れが課題
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鍵盤ハーモニカでラッパ曲を演奏 中央区【浜松まつり’24】
浜松市中央区の鈴木楽器販売は3日、鈴木楽器製作所(同区)の鍵盤ハーモニカ(鍵ハモ)「メロディオン」による演奏会を同区の市ギャラリーモール・ソラモで開いた。 鍵ハモ愛好家が集う「ケンハモサン」のメンバー10人が、当日集まった参加者を指導した。浜松まつりで定着している「ラッパ曲」のメロディーを鍵ハモで演奏した。 ラッパ曲で使うのは4音だけとシンプルで、児童や久しぶりに鍵ハモを手にした大人が、なめらかな音色を奏でた。 愛好家で同区のピアノ講師田嶋史江さん(51)は「ラッパより鍵ハモはなじみがあって簡単。浜松まつりに参加するきっかけになってくれれば」と話した。
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やらまいか大使、ERIKOさんと鬼頭さん 中央区でまつりの魅力語る【浜松まつり’24】
「浜松市やらまいか大使まつり・歌と音楽のつどい」(静岡新聞社・静岡放送主催、浜松まつり組織委員会共催)が4日、浜松市中央区のプレスタワーで開かれた。市のPRに協力するポップスシンガーERIKO(エリコ)さんと、フリーアナウンサー鬼頭里枝さんが、浜松まつりの魅力について対談した。 無料アプリ「@S+(アットエスプラス)」の特設ページを使い、浜松まつりの歴史を振り返った。ERIKOさんは同区雄踏町出身で、浜松まつりに縁がなかったが、「海も山もある浜松市民がつながれば、もっと楽しい祭りになっていく」と語った。同区富塚町出身の鬼頭さんは、自前のラッパを吹くなどして盛り上げた。
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能登復興願い凧高く 避難の家族「気持ち熱く」 石川出身者ら拳上げ決意【浜松まつり’24】
3日開幕した「浜松まつり」の凧(たこ)揚げ会場で、能登半島地震の被災地を応援する浜松市の凧が揚げられた。石川県輪島市から浜松市に避難してきた4人家族が参加し、ふるさとへの思いを胸に、凧糸を力いっぱい引っ張った。 松尾和広さん(50)と妻朋子さん(43)、長男暢大さん(12)、次男瑠大君(7)一家。和広さんは愛知県出身で、18年前に脱サラして単身能登へ移住。栗の生産と加工に従事してきたが、地震で住宅が半壊、加工などを行う作業場は全壊した。農園は無事だったが、和広さんは当時の心境を「終わったと思った」と振り返る。 浜松市への移住は仕事を通じて知り合った菓子メーカー春華堂(中央区)の社員の勧め
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浜松まつりが帰ってきた コロナ禍明け5年ぶり「完全開催」 にぎわう会場、笑顔あふれる
コロナ禍前の祭りが帰ってきた。浜松市で3日開幕した浜松まつりは、新型コロナに伴う会場での飲酒禁止制限が撤廃され、5年ぶりの「完全開催」。凧(たこ)揚げ合戦や御殿屋台引き回しが行われた浜松市中央区の凧場や市中心部には関係者や観光客らの笑顔がはじけた。 「活気がすごい。驚いた」。湖西市出身の会社員杉本智花さん(26)=愛知県岡崎市=は、遠州灘の堤防の上から初めての凧揚げ合戦を眺めた。法被姿の町衆が声を張り上げ、色とりどりの凧が青空を舞う様子を「陸も空もにぎやか」と表現した。杉本さんの友人で浜松市出身の会社員山本紗央さん(26)=東京都葛飾区=は「毎年祭り期間に帰省するが、ここ数年、地元はあまり
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浜松まつり開幕 大凧、空高く 5年ぶりの「完全開催」 会場にぎわう【動画あり】
浜松まつりが3日、浜松市中央区の凧(たこ)揚げ会場で開幕し、子どもの成長を願う多数の大凧が澄んだ青空に舞い上がった。新型コロナに伴う飲酒禁止などの制限が撤廃され、5年ぶりの「完全開催」となった今年は172町が参加。夜は華やかな御殿屋台の引き回しが市中心部で行われた。祭りは5日まで。 3日午前10時、開会とともに、各町の凧印が描かれた凧が一斉に揚がり、威勢のよいラッパや太鼓の音が響き渡った。法被姿の町衆やカメラを手にした見物客が詰めかけ、会場は熱気に包まれた。 主催する組織委員会によると、初日の人出は昨年を3万4千人上回る79万1千人。凧揚げ会場に36万人、屋台引き回しにに22万人、関連
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【写真特集】浜松まつり’24 祝い凧にあふれる笑顔
浜松っ子が血をたぎらせる「浜松まつり」が3日、開幕した。青空の下、浜松市中央区の凧(たこ)揚げ会場では開幕の合図とともに、参加各町の大凧が一斉に舞い上がった。子どもの誕生を町内で祝う「万歳」のかけ声やラッパの音が響き渡り、凧場に笑顔があふれた。 (浜松総局・山川侑哉、写真部・二神亨、久保田竜平)
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やらまいかブランド ソラモで5日までマーケット 浜松市中央区
浜松商工会議所が認定した地元事業者の特産品「やらまいかブランド」を販売する「はままちフレッシュマーケット」が3日、浜松市中央区の市ギャラリーモール・ソラモで始まった。5日まで。 出店したのは洋菓子店Mokara(モカラ)の「カヌレ」、和Olive(オリーブ)園の「オリーブオイル」など4品。期間中は浜松まつりの御殿屋台や凧(たこ)を展示する。マーケットは午前11時~午後6時。
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吹奏楽 まつりに花添える 14団体830人がパレード【浜松まつり’24】
市中心街では御殿屋台の引き回しに先立ち、市内中学や高校、楽団による「吹奏楽パレード」が繰り広げられ、洗練された演奏でまつりに花を添えた。 三方原中や浜北西高の吹奏楽部、浜松商高OBOG吹奏楽団、ヤマハ吹奏楽団など14団体、約830人が出演した。 昨年の全日本マーチングコンテスト中学校の部で金賞に輝いた三方原中吹奏楽部は「76本のトロンボーン」など2曲を披露した。マーチングの指揮者を務めた吉田凜さん(14)は「人が多くて緊張したけど、笑顔で演奏できた」と充実感をにじませた。 夕方の中心街は大勢の聴衆や観光客でにぎわい、出演者の華やかな行進で活気づいた。
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森田町・鈴木さん家族 生後10カ月の凪瑠ちゃん 4世代で初子祝う【浜松まつり’24
森田町は、鈴木海斗さん(22)、里衣さん(23)夫妻の長女でこの日に生後10カ月を迎えた凪瑠[なる]ちゃんの初凧を揚げた。祖父の秀樹さん(50)、曽祖父で前自治会長の静夫さん(75)ら親族が集結し、4世代で健やかな成長を願った。 次男として生まれた海斗さんにとって、初凧への思いは人一倍強い。「元々長男だけの風習だったので、自分の初子は高く掲げたかった」。海斗さんはラッパ隊の応援を背に糸を懸命に引っ張った。里衣さんは「大きく育ってほしい」と空を駆ける凧を目に焼き付けた。 静夫さんは「人手が少ない中、みんながよく頑張ってくれた。感無量です」と感慨深げに話した。
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寮生、蜆塚町の一員 初子凧を大空へ「町の大きな力」 静大浜松「あかつき寮」【浜松まつり’24】
浜松まつりが開幕した3日、浜松市中央区の凧(たこ)揚げ会場では、子どもの成長や長寿を願う大凧が次々と舞い上がった。各町の関係者は力を合わせて糸をたぐり、それぞれの思いを込めて空を見上げた。 「行けー、しっかり引けー」。凧揚げ会メンバーが大学生に指示する声が飛んだ。静岡大浜松キャンパスの学生自治寮「あかつき寮」の寮生が蜆塚町の一員として祭りに参加し、大空に初子の凧を揚げた。 円を描くように走り、糸を引く作業に汗を流す。祭り未経験の1年生の参加が多く、当初は苦戦した。凧揚げ会の「片手を曲げ、固めて引く感じ」の助言を意識し、挑戦し続けること1時間以上。凧は勢いよく舞い上がった。昨年に続く参加の
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ごみ拾い呼びかけ 会場でJT静岡支社【浜松まつり’24】
日本たばこ産業(JT)静岡支社は5日まで、凧揚げ会場の中田島砂丘付近で、浜松まつりの来場者にごみ拾いを呼びかける「ひろえば街が好きになる運動」を行っている。 初日は社員ら約40人が参加し、ごみ袋とトングを見物客らに手渡し、「ごみ拾いしましょう」と呼びかけた。 浜松まつりに合わせた活動で15回目。担当者は「ごみを捨てない気持ちを持ってもらいたい」と話した。
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元自治会長 三島町支えるレジェンド 河村初友さん 白寿記念 「一番高く揚がった」【浜松まつり’24】
三島町は、元自治会長の河村初友さん(99)の白寿を祝う記念凧を揚げた。車椅子に座り、糸をたぐった河村さんは「三島の凧が一番高く揚がった。自分の存在を忘れずにいてくれたことがうれしい」と周囲に感謝の思いを伝えた。 河村さんは、自治会の顧問として凧揚会を長らく支えてきた。小学校の教員を定年退職後に自治会長を6年務めた。 凧好きな父の長寿を祝い長女の絢子さん(75)らが企画した。絢子さんは「年明けから楽しみにしていたので、きれいに舞ってよかった」とほほえんだ。 能勢潤二組長は「僕らの知らない時代から町を支えてきたレジェンド的存在。100歳の節目でも凧を揚げたい」と力を込めた。
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浜松まつりで交通規制 3~5日、浜松駅北口や凧揚げ会場付近
浜松まつり組織委員会などは祭り期間中の3~5日、市中心部と凧(たこ)揚げ会場で交通規制を実施する。 御殿屋台の引き回しや練りが繰り広げられるJR浜松駅北口の繁華街周辺では、午後5~9時に車両の進入を規制する。 凧揚げ会場に近い国道1号の南側は、午前9時~午後4時に規制をかける。同会場付近にマイカー駐車場は設置しない。同駅と、飯田公園の臨時駐車場を発着点とする有料シャトルバスを運行する。 交通規制に関する問い合わせはコールセンター〈電053(456)3871〉へ。
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浜松まつり開幕前に 中野市長、統監部員らを激励
浜松市で開かれる浜松まつり(3~5日)の開幕を前に、中野祐介市長が2日夜、参加町の凧(たこ)揚げ会幹部経験者らで構成するまつり組織委員会企画統制監理部の事務所を訪ね、部員たちを激励した。 期間中、灰色の制服姿で、会場の警戒などに当たる。中野市長は「(飲酒など新型コロナに伴う規制が解除されて)5年ぶりのフル開催。例年以上に最高の祭りになるようご尽力を」と要請した。
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一足先に「オイショ!」 園児ら法被姿で練り 浜松市中央区【浜松まつり’24】
浜松まつり開幕前日の2日、浜松市中央区の飯田幼稚園は「お練りの会」を園庭で開いた。周辺4町の凧(たこ)揚げ会のメンバーらが集まって練りやラッパ演奏を繰り広げ、園児11人と保護者らが一足先に祭りムードを堪能した。 来園したのは下飯田町、渡瀬町、三和町、飯田町の町衆。法被を着用した園児たちは、ラッパや太鼓の音色が鳴り響く中、園庭を練り歩いた。「オイショ、オイショ」のかけ声を受けて旗の周りを走ったり、肩車されて笑顔を見せたりと、はしゃいで楽しんだ。凧印の由来に関する説明も受けたほか、園からのお礼としてかしわ餅を配り、全員で味わった。 地域の伝統を肌で感じてもらおうと長年続く行事。コロナ禍を経て
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社説(5月2日)あす浜松まつり 監視強めて反社排除を
新型コロナに伴う規制が撤廃され、5年ぶりに「完全開催」となる浜松まつりが3~5日に浜松市内で開かれる。昨年のまつり会場では暴力団関係者が露店を不正出店していたことが明るみに出た。伝統ある市民のまつりを守るため、地域の監視の目を強め、反社会的勢力を徹底排除しなければならない。 ことし1月、露店の出店権を暴力団員らが不正に取得していたとして暴力団関係者や静岡県西部の露天商の組合幹部らが摘発された。露店の取りまとめなどを請け負い、許可申請書類を提出する組合トップが不正を手助けしていた実態が明らかになり、長年にわたり売上金の一部が反社会的勢力に流れていた可能性がある。 浜松まつりには、暴力団やそ
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浜松まつり3日開幕 解体迫る高林町公民館で最終準備「思い出次世代に」
浜松市で3日開幕する浜松まつりに向け、同市中央区の高林町は1日、地元住民が年末で解体される予定の公民館に集まって凧(たこ)糸の調整など最終準備を進めた。高林自治会の飯尾忠弘会長(76)は「65年の記憶が詰まった建物。最後の祭りを全力で楽しみたい」と言葉に力を込めた。 高林町公民館は1960年ごろ、積志小の建て替えに伴い、木造校舎の一部を移築する形で設けられた。耐震性への不安などから年内での解体が決まっている。新公民館は町内の別の場所に建て直す予定だ。 祭り準備の集会やラッパ練習の会場のほか、隣接する広場は子どもの遊び場にもなり、世代を超えた地域交流を支えてきた。飯尾会長は「子どもの頃、祭
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紫式部と干支テーマ 書ずらり 雲龍書院門下生らが作品展 浜松市中央区
浜松市の書道教室「雲龍書院」の門下生と、「はままつ友愛のさと」の書道講座の生徒らの作品展(静岡新聞社・静岡放送後援)が1日、中央区の遠鉄百貨店ギャラリー・ロゼで始まった。6日まで。 書家村越雲龍さん(81)が主宰する書道教室と、週1回の講座で村越さんから指導を受ける幼稚園児~80代約70人が出展。紫式部と干支(えと)をテーマに、源氏物語の一文や百人一首の句をつづったタペストリー、額装作品、辰(たつ)が描かれた色紙絵などの自信作が並ぶ。 3日に開幕する「浜松まつり」にちなみ、凧(たこ)に文字を記した作品も展示。来店客が興味深そうに見入っている。 開催は午前10時~午後7時。最終日は午後5
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子どもラッパ隊継承 町一丸「元気に響け」【浜松まつり’24 にぎわい復活へ㊦】
勇ましい音色が浜松市内各所で響き渡る。近づく本番に向け、小学生らが連日の練習に励む。本番で勇壮な凧(たこ)揚げ合戦や、練りを盛り上げる子どもラッパ隊。コロナ禍を経て、各町関係者は演奏技術の伝承へ指導の熱がこもる。 「やっと納得できる音を出せるようになった」。中央区安松町のラッパ隊の浮気奨人君(10)=芳川小5年=は、練習を終えて声を弾ませた。初めて参加した昨年は「みんなの足を引っ張ったらどうしよう」と不安な気持ちを拭えなかった。「今年は元気よく吹きたい」とやる気を燃やす。 ラッパ隊の活動を再開した昨年。同町では当初、子どもが1人しかいない事態に直面した。ピーク時は約80人が活動したが、祭
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中野浜松市長 就任1年 インタビュー詳報 市民、企業と一体的に
16年ぶりに浜松市の新たなかじ取り役を担った中野祐介市長(54)が1日で就任1年を迎えた。中野市長は静岡新聞社のインタビューで、2年目の市政運営について「市民や企業の声を聞き、巻き込み、『オール浜松』で地方創生に取り組む」と強調した。 ―1年間を振り返って。 「初めての経験ばかりで濃密で、あっという間に過ぎた。最も印象に残るのは、実質初の公務となった浜松まつり。3日とも晴天だった上、(俳優の松本潤さんらを招いた)家康公騎馬武者行列があり、来場者は過去最多の255万人を記録した。新型コロナ禍が明け、再び浜松が元気になっていくことを象徴した、いいスタートだった。少子化対策に臨む中、子どもの誕
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浜松まつり目前! 5年ぶりのたる酒出荷がピーク 花の舞酒造「初子のお祝いに」
浜松市浜名区の花の舞酒造で、浜松まつり(5月3~5日)で振る舞うたる酒の出荷がピークを迎えている。まつり用のたる酒の本格出荷は新型コロナウイルス禍前から5年ぶり。同社の出荷場には日本酒の爽やかな香りがただよい、この時期では久々の活気ある光景が広がっている。 たる酒は、1斗(18リットル)、2斗、4斗の大きさを用意。29日時点で3種計約350個の注文を受けた。まつり本番前日の2日までに家庭や企業などに届けるという。たるには花と天竜川を題材にした絵と力強いロゴを描き、浜松まつりの開催を祝福するような華やかな外装に仕上げた。 出荷場では29日も午前8時から10人前後の社員が出荷作業に対応した。
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祭り離れ 対応急ぐ 実動世代に「新潮流」【浜松まつり’24 にぎわい復活へ㊥】
若い世代を中心に祭りへの関心が薄れ、各町は実動部隊となる青年世代の人集めに苦慮する。長年続いた慣習の変更や、交流サイト(SNS)の積極活用など時代に即した取り組みを取り入れ、「遠州の風物詩」の継承に向け試行錯誤を続ける。 「もっとリズムよく」「強弱を大事に!」 泉町(浜松市中央区)の公民館に力強い女性の声が響き渡った。小学生の子どもラッパ隊を率いる川本千尋さん(45)のかけ声を合図に、テンポの良い音が高らかに鳴った。 練習は川本さんら女性6人が仕切る。女性が指揮を執るのは同町にとって初めて。「子どもたちの成長に元気をもらっている。泉町のかっこいい音色を響かせて、祭りを盛り上げていけたら
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浜松まつり 盛り上げの華 鳴り物熱く 音域自在に作曲も 「ラッパの神様」本間さん
浜松市で5月3~5日に開催される浜松まつりで、「ラッパの神様」と呼ばれる名人がいる。中央区十軒町の会社員本間寛人さん(43)。同町に生まれ、まつり歴約35年の本間さんは、凧(たこ)揚げを盛り上げようと練習を怠らず、本番への準備は万全だ。 祭りを一段と盛り上げるのが信号ラッパ。使う音は4音で、指でなく息で音を変化させるため、吹き分けが難しい。本間さんは息のスピードで音の高さを変え、1オクターブ半ほどの上の音域まで自由に出すことができる。長年、祭りのラッパを研究し、早出町でまつりに参加する静岡文化芸術大の奥中康人教授(55)は、夜の練習時に隣町の十軒町の音が聞こえ、感化されているといい、「普通
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一点もの守る手仕事 祭り衣装職人、彩り演出【浜松まつり’24 にぎわい復活へ㊤】
自宅の一室に構えた工房で、ミシンを使って黙々と縫い上げを進めていく。浜松市中央区向宿の黒田智香子さん(72)は、浜松まつりなどの祭り衣装をオーダーメードで仕上げるこの道35年のベテラン職人だ。 注文が多いのは各町内会で配られる手ぬぐいを素材にしたハットやサンバイザーなどの帽子づくり。各町の「凧(たこ)印」を目立つ位置に据えるなど、多様な要望を取り入れながら仕上げる技術の高さが人気を呼んでいる。 長年の使用で傷んだ法被や鯉口シャツの補修、親から子に譲る際のサイズ直しも少なくない。自身や親族が過去に着た浴衣や着物を持ち込み、祭り衣装への仕立て直しを希望する人も。どれも顧客の思いが詰まっ
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浜松まつり準備着々 2種の市凧を糸目付け 花博盛り上げ/能登復興願い込め
浜松市は27日、浜松まつり(5月3~5日)で揚げる市凧(しだこ)の糸目付けを同市中央区の浜松まつり会館で行った。開催中の「浜名湖花博2024」のPRと、能登半島地震の被災地復興を祈願する2種類を制作した。初日に揚げ、県内最大級の祭典を盛り上げる。 花博をPRする凧はロゴマークをあしらった。6帖(2・9メートル四方)と4帖(2・4メートル四方)を用意し、どちらを揚げるかは当日の風の状況で判断する。被災地復興を願う凧(4帖)は対口支援を行っている石川県珠洲市などに向けて「がんばろう能登・珠洲」のメッセージを添えた。中野祐介浜松市長や各部の部長らが揚げる。 市職員と浜松まつり組織委員会企画統
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熱き凧揚げ、浜松まつりでぜひ体験を 観光客向けに「紫式部凧」 大河ちなみ地元大工ら製作
浜松まつり(5月3~5日)の観光に訪れた親子連れらにも凧(たこ)揚げを体験してもらおうと、浜松市中央区西町の大工砂子秀志さん(67)と、同区芳川町大橋の電気工事業松嶋孝志さん(69)の2人が協力し、体験会用の3帖凧1枚と1・5帖凧2枚の計3枚を製作した。 凧の題材には、大河ドラマ「光る君へ」にちなんで紫式部と、「望月」の和歌を詠んだ藤原道長を選んだ。砂子さんの工房で2カ月ほどかけ、竹の骨組みづくりや日本画の顔料を用いた着色などを進めた。 ともに手先が器用で、ものづくりが好きな砂子さんと松嶋さんは、長年にわたって凧の自作や凧揚げを続けてきた。7年ほど前にその趣味を通じて知り合い、意気投合。
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【浜松まつり’24】ガイド本5万部を無料配布 組織委
浜松市内で5月3~5日に開催される浜松まつりの組織委員会は、まつりの公式ガイドブックを作製した。市内各所で希望者に無料配布している。 A4判28ページで5万部を用意。凧(たこ)揚げ合戦や御殿屋台引き回しの様子を紹介するほか、今年参加する172町の法被や凧の絵柄「凧印」を解説。市中心部や凧場周辺で実施する各種イベントの情報や交通案内なども盛り込んだ。 主な配布場所はJR浜松駅構内の市観光インフォメーションセンター、組織委事務局の浜松・浜名湖ツーリズムビューロー(中央区板屋町)、浜松まつり会館(同区中田島町)の3カ所。まつり期間中は同駅北口の「キタラ」、浜松まつり会館前の風紋広場、凧揚げ会場
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スポーツ、観光にも便利 竜洋海洋公園(磐田市)【キャンプ場めぐり】
磐田市の遠州灘沿いにある竜洋海洋公園オートキャンプ場。フリーサイトは全面芝生で広々としている。生け垣で囲ったAC電源付きの区画サイトは全てに流し台が設置され、快適に過ごせる。隣接するレストハウス「しおさい竜洋」は、入浴や食事、地場産品の直売が楽しめる施設として人気だ。 キャンプ場のある同公園は、テニスコートや野球場、体育館が設置されスポーツの拠点としても親しまれている。スタッフの木田真由美さんは「園内の『竜洋富士』は小高い丘のような展望スポット。海まで見渡せてきれいです」と話す。夏場はプールが営業するため、家族連れでにぎわうという。 週末を中心に県外からもキャンパーが来場するという。車で
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日本酒に酔って、まつりに酔って ダニー&ダラー、花の舞酒造とコラボ【浜松まつり】
地元の浜松市に根ざしたアパレル製品や食料品を手がける「ダニー&ダラー」(中央区)はこのほど、花の舞酒造(浜名区)とコラボした日本酒「本醸造ダニー&ダラー浜松まつり」を発売した。5月3日開幕の浜松まつりに向け、商品のPRを強化する。 ラベルは同市出身画家フルパチーノさんがデザインした。まつりの「初子のお祝い」と「エネルギッシュな凧(たこ)揚げ」を、クロヒョウとタコで表現するなど独創的な絵柄とした。 遠州弁を社名に生かしたダニー&ダラーの戸田大亮代表(40)は「若い人や海外の人に向け、浜松まつりのアピールにつながれば」と話す。1.8リットル税込み2100円。リカーパーク高木酒店(中央区)など
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暴力団排除へ結束 自治会役員ら集い総会【’24浜松まつり】
5月3~5日に浜松市で開催される浜松まつりの組織委員会(広野篤男代表委員長)は12日、総会を同市中央区で開き、昨年のまつりで暴力団関係者による露店の不正出店事件が起きたことを受け、暴力追放宣言を行うなど安全な開催へ運営態勢を確認した。 自治会役員ら約450人が出席した。露天商でつくる県西部街商協同組合の関係者が、組織内に暴力団排除を推進する啓発部門を設置すると説明。まつり期間中も組合役員が露店を見回るなどの対策をとる。増田太郎代表理事代行は、事件で組合幹部に逮捕者が出たことを受けて「反社会勢力とのつながりを徹底的に調査し、判明した場合は即座に除名する」と語った。 広野委員長は、会場での飲
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暴排へ対策方針確認 組織委 役員会【’24浜松まつり】
5月3日に開幕する浜松まつりの組織委員会は9日、役員会を浜松市役所で開いた。関係者が一堂に集う12日の総会に向けて事業計画などの議事を承認し、暴力団排除に向けた対策方針を確認した。 昨年、まつり会場で暴力団関係者による露店の不正出店事件があり、露天商でつくる県西部街商協同組合の幹部らが逮捕された。役員会では、総会に同組合の担当者が出席し、暴力団関係者と関係を持たない組織づくりに向けて説明を行うことなどが報告された。 まつりの予算案などについても了承した。凧(たこ)が会場近くの松林に落下した際の対処に関する報告もあった。
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浜松まつり 市のたこ、ことしは2種類 花博PRと能登復興祈願
浜松市は8日、5月3日の浜松まつり初日で揚げる市のたこのデザインを発表した。市内で開催中の「浜名湖花博2024」のPRと、能登半島地震で市が対口支援を行っている石川県珠洲市など被災地の復興を願うメッセージ入りのたこを中野祐介市長と各部の部長らが揚げる。 花博PRのたこは6帖(2・9メートル四方)と4帖を用意する。どちらを揚げるかは当日の風の吹き具合によって判断する。デザインは花博のロゴマークをあしらった。被災地復興を願うたこは「がんばろう能登・珠洲」の文字を入れた4帖。 中野市長は8日の定例記者会見で「多くの人に見てもらい、花博のPRを積極的に行い、厳しい状況が続く被災地に応援のメッセー
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【浜松まつり】法被や凧を飾り付け 浜松いわた信金上新屋支店
浜松市中央区茄子町と上新屋町の凧(たこ)揚げ会は4日、浜松まつり(5月3~5日)の機運盛り上げへ、自町の法被などを地元の浜松いわた信用金庫上新屋支店に展示した。 支店には両町関係者が訪れ、支店内のSDGs(持続可能な開発目標)に関連した展示スペースに、「茄」「上」の文字の半帖凧や手ぬぐい、ちょうちん、法被を飾り付けた。 茄子町「茄組」の笠原宗弘組長は「組の40周年の年。子どもたちの思い出に残る凧揚げにしたい」と抱負を述べた。上新屋町「上組」の袴田和洋組長は「5年ぶりのフル開催。伝統継承も含めてまつりを盛り上げたい」と意気込んだ。 展示は5月上旬まで。
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【浜松まつり】馬込町屋台75年ぶり新調 住民ら完成祝う
浜松市中央区の馬込町自治会(細田国男会長)の屋台が75年ぶりに新調され、町公会堂で31日、お披露目会が開かれた。法被姿の住民らが新たな地域のシンボルとなる豪華な屋台の完成を喜んだ。 1949年に作られた先代の屋台を新調し、サイズを大きくしたいという要望が10年以上前からあった。3年ほど前に建設委員会を設置し、今年3月に新たな屋台が完成。先代の屋台は同区の名塚町に譲った。 新屋台は幅約3・2メートル、高さ約5・2メートル、奥行き約4・7メートル。寺社建設を手がける天峰建設(袋井市)が森町の天宮神社に生えていた樹齢約450年のヒノキなどを用い、2年がかりで製作した。神社仏閣に用いる建築様式を
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【浜松まつり】統監部事務所開設 運営準備、本格的に
5月3~5日に浜松市内で開かれる浜松まつりの運営を担う「浜松まつり組織委員会企画統制監理部(統監部)」の事務所開きが31日、中央区北寺島町で行われた。まつりの成功に向け、部員62人が運営準備を本格的に開始した。 裏方としてまつりを支える統監部は、各自治会からの推薦を受けた凧(たこ)揚げ会の組長、副組長経験者で構成し、凧揚げ合戦や屋台引き回しの企画運営などを担当する。当日はグレーの制服姿で会場を巡回し、参加者にルール順守の徹底を指導する。部長を務める伊藤安男さん(71)は部員らを前に「事故やけががなく、歴史に残るまつりになるように協力をお願いしたい」と呼びかけた。 今年は新型コロナウイルス
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浜松まつり「完全開催」まで1カ月 焦がれて5年 祭りだ準備だ 衣装、たる酒…売り場に人戻る 暴力団排除も
会場での飲酒禁止制限が撤廃され、5年ぶりの「完全開催」となる浜松まつり(5月3~5日)の開幕が約1カ月後に迫った。新型コロナウイルス感染拡大前のにぎわい復活へ、市民は衣装の新調やたる酒の用意など着々と準備を進める。一方、2023年のまつりでは暴力団関係者の露店の不正出店事件が起きた。市民のまつりが安全かつ円滑に行われるように関係者は警戒を強めている。 「これで準備は万全」。3月下旬、浜松市中央区の祭り用品専門店「祭すみたや」に来店した同区の河合笑さん(22)は、まつり衣装を試着しながら声を弾ませた。友人に初子が誕生したため、新品を身に付けて参加したいとの思いから腹かけやもも引きを購入した。
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ソーラン節や書道披露 浜松市立看護専門学校 米姉妹提携校と交流
浜松市中央区の市立看護専門学校はこのほど、姉妹提携校の米国ウェストバージニア大の教員と学生の4人を招いた交流会を同校で開催した。歓迎会やキャンパスツアーなどで日本文化を紹介した。 1~3年生の約200人が4人を出迎え、有志の生徒がソーラン節や書道パフォーマンスを披露した。浜松まつりの法被を身にまとい、元気いっぱいに「どっこいしょー」と体を動かしたり、ナイチンゲールの言葉をダイナミックに筆を走らせたりした。 バージニア大のデイナ先生と4年のシドニーさんは学校での食事や救急ケアや集中看護を学ぶ4年間のカリキュラムについて英語で紹介し、相互に理解を深めた。 2019年11月に姉妹校提携を締結
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浜松市長 施政方針要旨
中野祐介浜松市長が27日に行った施政方針演説の要旨は次の通り。 【就任10カ月】 就任直後の昨年5月には浜松まつりが開催され、3日間で過去最多255万人の人出となった。特に大河ドラマ出演者による騎馬武者行列は大盛況となった。大型連休明けに新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行し、かつての日常が戻ってきた。浜松が大いに盛り上がり、全国や世界に浜松の魅力を発信できた。夏にはスポーツの話題も多くあり、活躍する選手たちの姿は市民に大きな勇気を与え、スポーツが持つ「まちを元気にする力」をあらためて認識した。 一方、昨年6月には台風2号に伴う豪雨で土砂崩れや家屋の浸水など各地で甚大な被害が発生し
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国内外のラッパ展示 歴史紹介も 浜松市楽器博物館企画展
浜松市中央区の市楽器博物館で5月7日まで、ラッパの歴史を紹介する企画展「響き渡る 日本にやってきたラッパ」(静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。国内外で製造されたラッパやトランペットなど44点が並ぶ。 浜松まつりで市民になじみの深いラッパの歴史を学び、興味を持ってもらおうと企画した。ペリー来航時に米軍楽隊が吹いていたとみられる楽器や現在の日本の祭りで使われている道具などが来場者を楽しませている。 歴史をたどると、ラッパは軍事的な連絡手段として戦争とともにあったという。同館の担当者は「平和な時代になるにつれ、役割が変わるラッパの歴史に興味を持ってもらえれば」と話した。
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サックス奏者・須川展也 デビュー40周年 故郷浜松に音で恩返し
浜松市出身のサックス奏者須川展也がことし、デビュー40周年を迎える。演奏技術への評価はもちろん、名だたる作曲家による委嘱作品は世界中に広がり、サックス界をリードしている。「浜松の充実した音楽的環境によって今の自分がある。音で恩返ししたい」。3月にアクトシティ浜松(同市中央区)で記念コンサートを開くのを前に、故郷への思いを語った。 サックスとの出合いは中学校の音楽の授業。ビゼーの「アルルの女」を鑑賞した時、「天から降ってくるような美しく透明な音色」に心を奪われた。浜松北高への進学を条件に父親にサックスを買ってもらい、学業の傍ら、東京へレッスンに通って専門性を高めた。 東京芸術大に進むと、
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【2023年 十大ニュース 静岡県内】袴田さんの再審始まる/清水立体工事現場で橋桁落下
静岡新聞社は県内の今年の十大ニュースを選んだ。1位は袴田巌さん(87)の再審開始。2位は静岡市清水区で発生した国道1号静清バイパスの立体化工事現場での橋桁落下事故。3位に静岡、浜松両政令市長選で新市長誕生、が入った。 ①袴田巌さんの再審始まる 再審開始の決定を受けて笑顔を見せる袴田ひで子さん(右手前)=3月13日、東京・霞が関 ドライブを終え帰宅する袴田巌さん。散歩中に再審開始が認められたが、拘禁症状がある袴田さんの体調に配慮し、決定内容は伝えられなかった=3月13日、浜松市中区 現在の静岡市清水区で1966年、一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さ
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社説(12月27日)東アジア文化都市 日程の再検討が必要だ
静岡県が韓国の全州市、中国の梅州、成都の両市と文化・芸術活動を通じて相互理解を深める1年間の国際交流事業「東アジア文化都市」が、12月末で終了する。県は、18日までに本県で行われた認証事業を966件、来場者数を896万人、経済効果は速報値で232億円とする。 だが、事業の意義や価値が県民に広く浸透していたとは言いがたい。事業数や来場者数には、中韓3都市との国際交流事業、「静岡国際オペラコンクール」「ふじのくに⇆せかい演劇祭」といった文化・芸術分野の催しのほかに、「浜松まつり」「大道芸ワールドカップ」に代表される観光色が強い既存のイベント、スポーツのイベントも含めている。こうした点が実体の見
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24年浜松まつり、5年ぶり制限なし 172町参加 組織委会合
浜松まつり組織委員会は19日、浜松市役所で役員会を開き、2024年5月のまつりの日程を例年通り3~5日の3日間、参加町を23年と同じ172町と決めた。市中心部で行う御殿屋台引き回しは85町が参加する見通し。新型コロナウイルス感染防止のため23年のまつりで禁止された会場での飲酒については、今後、国がイベント開催に新たな制限をかけない限り解除する方針を確認した。 凧(たこ)揚げ合戦は各日午前10時~午後3時。御殿屋台引き回しは各日午後6時半~午後9時。練りは4、5の両日午後5時10分~午後6時半。3日午後5時10分から吹奏楽パレードを行う。 組織委の広野篤男代表委員長は「5年ぶりに制限のない
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浜松市長 23年主な出来事発表 豪雨災害、スポーツ快挙… 今年の漢字は「初」
浜松市の中野祐介市長は13日の定例記者会見で、2023年の主な出来事を発表した。大河ドラマ「どうする家康」の放送に伴い市が注目を浴びたことや災害の発生、スポーツ関連団体の活躍など24件を挙げた。 大河ドラマの世界観を体験できる「どうする家康 浜松 大河ドラマ館」は1月にプレオープン、3月にグランドオープンした。5月の浜松まつり最終日は俳優の松本潤さんら大河ドラマ出演者が市を訪れて家康公騎馬武者行列が行われ、全国的な注目を集めた。中野市長は同館の来館者が11月に目標の50万人を達成したことにも触れ「徳川家康公ゆかりの地としての浜松をあらためて官民でアピールした1年だった」と振り返った。 6月に
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市民の声 施策に生かす 中野浜松市長 就任半年インタビュー
16年ぶりに浜松市の新たなかじ取り役を担った中野祐介市長(53)が1日で就任から半年を迎えた。人口減など社会課題が山積し、来年1月に行政区再編に伴う3区移行を控える浜松市。中野市長は「今まで以上に市民の声を聞き、市民が行政との距離を感じないように注力する」とあらためて決意を語った。 =関連記事4面へ ―半年間を振り返って。 「総務省時代に地方自治体で5回勤務し、地方行政の現場は分かっているつもりだったが、市長の仕事はこんなにも大変なのか、と。市民の期待と批判がダイレクトに来るので、あらためて重責を感じている。いろいろな現場に行き、多くの人から話を聞きたい。25日からは住民と対話し、市政報告を
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御殿屋台お披露目 浜松市中区・名塚町奈組凧揚会
浜松市中区の名塚町奈組凧揚会はこのほど、御殿屋台のお披露目会を奈津賀神社(同区)で開いた。同神社の秋の祭典で展示し、町民が特別な思いで見守った。 同町はこれまで御殿屋台を所有していなかったが、馬込町(同区)がこのほど新調。屋台を製作したのが名塚町の宮大工だった縁もあって旧屋台を譲り受けた。 1949年につくられたが、状態は良好。「名塚町」のちょうちんをつるすなどして装いを新たにした。県自治会連合会長で同町の広野篤男自治会長は「実績をつくり、機運が高まったら、浜松まつりに出したい」と話した。
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俳優甲本さん 大河ドラマで家康家臣役 一日浜松城主に 中区で就任式 撮影の裏話披露
大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康の家臣夏目広次を演じた俳優の甲本雅裕さんが14日、浜松市中区の浜松城の一日城主に就任した。浜松出世パーク葵広場で開かれた就任式と「第7回出世の街浜松家康公祭り」のトークショーに登場し、役への思いやドラマの裏話を語った。 甲本さんは浜松城の天守閣を訪れ、「初めてなのに懐かしく、武田軍が見えたような気がした」と笑いを誘った。5月の浜松まつり最終日に松本潤さんらと出演した騎馬武者行列を振り返り「観客の笑顔が印象に残っている」と語った。プライベートで犀ケ崖(さいががけ)古戦場に行ったことなどを明かし、「天下までの過程を大切に、それぞれの天下を取って。みなさんは
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記者コラム「清流」 新たな気付きを
夏休みに市内の小学生に記者の仕事や新聞の読み方を伝える講座の講師を務めた。図書館に集まった約30人の親子に見出しのつけ方や取材の仕方を解説した。 記者になってまだ半年。講師なんて偉そうかなと思いつつ、「質問があれば」と聞くと男の子が勢いよく手を上げ、こう言った。「どんな気持ちで記事を書いているの」。記者になってたったの半年だが、いろんな場面が頭の中を駆け巡った。熱気の浜松まつり、台風2号の災害現場、必死の高校球児―。取材で喜怒哀楽さまざまな感情をもらっていたんだ、とハッとした。 子どもたちからは「記者に憧れた」とも言われ、頑張らなくちゃと思った。かけられた言葉で何かに気付く。自分も質問一
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浜松まつり 5年ぶり「完全開催」へ 飲酒の制限撤廃の方針
浜松まつりの組織委員会は28日、役員会を浜松市役所で開き、2024年5月のまつりについて、新型コロナウイルスの感染症法上の5類移行などを受けて飲酒禁止などの従来の制限を撤廃する方針を示した。制限が全くない状態での「完全開催」は5年ぶりになる。 感染症の流行状況に応じて中止や無観客、入場制限といった対応をとってきた。23年は会場での飲酒の禁止と、関連行事を午後9時で終了する制限を残した。同年は3日間で、現在の集計方法で過去最多の約255万人が来場した。 飲酒禁止について関係者からは「消費が落ち込んだ」「盛り上がりに欠ける」といった不満の声が漏れた一方で、「小さい子どもが参加しやすくなった」
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西部中小DI 4~6月期改善 製造業回復、“松潤”効果も
しんきん経済研究所がこのほど発表した県西部地域の中小企業景気動向調査によると、4~6月期の全産業ベースの業況判断指数(DI)はマイナス10・1で3月の前回調査から8・0ポイント改善した。大手取引先の生産回復に伴う製造業の改善、浜松まつり開催など5月の新型コロナの5類移行に伴う経済活動の活発化などを背景に、2四半期ぶりに改善した。 製造業全般が13・8ポイント上昇のマイナス9・8。全ての業種で改善し、「密」を避ける移動ニーズを維持する二輪や、富裕層向けの上位モデル販売が好調な楽器などはマイナス水準が解消した。半導体など部品供給不足の緩和に伴う取引先からの受注安定で、自動車はマイナス15・6と
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「新聞記者をやってみた」 浜松の静岡文化芸術大学生が成果報告
静岡文化芸術大と静岡新聞社、中日新聞東海本社が共同で取り組む「新聞記者をやってみたプロジェクト」の成果報告会が18日、浜松市中区の同大で開かれた。記事の取材、執筆に取り組んだ学生11人の活動内容を発表した。 学生は昨秋から、取材と執筆を担当する班と、その様子を記録する班に分かれて活動。「浜松まつり」や「スーパー銭湯」などさまざまなテーマを取り上げた。両社の記者が指導にあたり、学生の記事を4月から両紙面に随時掲載した。 報告会には約30人の学生が集まった。JR浜松駅前で若者100人に浜松まつりの好感度を調査した平松千佳さん(文化政策学科3年)は、テーマの選定過程や調査手法を説明。「浜松まつ
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「スピード感」「成果出す」 中野浜松市長、初の定例会見
浜松市の中野祐介市長は29日、初の定例記者会見に臨み、就任1カ月の所感として「改めて大変な仕事だと実感している。子供・子育て支援などすぐに取りかからないといけないことにはスピード感を持って取り組みたい」と述べた。 市政運営の独自色について聞かれると、パフォーマンスや見栄えなどではなく、「市民や市にとって必要なことをどんどんやっていくことで、じわじわと“中野カラー”が出てくると思っている」と強調。人口減少社会からの脱却・転換を市の最大の課題に挙げ、「浜松は子供を産み、育てるための良い環境はそろっている。少し時間はかかるかもしれないが、この課題に早急に取りかかり、しっか
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静岡県内のGW人出伸び悩む 19年比28%減、コロナ前遠く
静岡経済研究所がまとめたゴールデンウイーク(4月29日~5月7日)集客動向調査によると、静岡県内観光施設や主要イベント(計247カ所)の人出は延べ661万9千人で、前年比37・9%増加した。新型コロナウイルス感染症の5類移行を目前に控え、社会経済活動の正常化が進む中での連休だったが、コロナ前の2019年比では28・7%減にとどまった。 俳優の松本潤さんらによる騎馬武者行列が好評だった浜松まつり(255万5千人)が最多で全体を押し上げたが、同まつりを除くと、期間中の人出は22年比13・1%減と振るわず。半数以上の施設やイベントで、前年実績を下回った。物価高による消費意欲の減退や期間中の雨天が
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静岡人インタビュー「この人」 第70回姫様道中で姫様を務めた 森田心海(もりたここみ)さん(浜松市北区)
浜松市北区細江町で3月に開かれた道中行列で主役を担い、華やかな衣装で都田川沿いの桜並木を堂々と歩いた。2024年3月まで、細江署防犯広報大使も務める。同町出身。浜松市立高(同市中区)2年。16歳。 -「姫様」について抱いていた印象は。 「小さい頃に毎年行列を見に行ったことを思い出す。笑顔を振りまきながら歩く姫様に元気をもらい、自然と憧れの存在になっていた。中学生時代に友達と行列に参加するチャンスがあったが、コロナ禍で中止になり、いつかは自分も出たいという気持ちはずっと持っていた」 ―大役を果たした感想は。 「沿道に集まった多くの人に笑顔を与えることを心がけた。子どもの頃にチアリーディ
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展望再開後 入場1万人 オークラアクト浜松 磐田・中村さんに宿泊券
オークラアクトシティホテル浜松(浜松市中区)の45階展望回廊は、2022年12月20日の営業再開から5カ月となった20日、有料入場者数1万人を突破した。同ホテルは1万人目となった磐田市の会社員中村剛さん(54)にスイートルーム2人分の宿泊券(約10万円相当)を贈呈した。 19日までに9997人が訪れていた。午前11時の開店前に家族4人で並んだ中村さんは「子どもが新幹線を見たいと言ったので初めて来た。1万人目は驚いた」と話した。 展望回廊は新型コロナの影響で20年2月から2年10カ月間休業した。再開後は7月頃に1万人到達を見込んでいたが、浜松まつりや大河ドラマの効果で大型連休中の1日平均来場者
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記者コラム「清流」 7年ぶりのまつり取材
7年ぶりに浜松まつりの取材に本格的に携わった。この数年、新型コロナの影響で十分な形式でまつりが行えず、準備期間には参加各町で「伝統が途切れてしまう」との懸念を聞いた。 本番は会場での禁酒など一部の制限が残るも、糸切り合戦や激練りといった活気ある場面に立ち会えた。コロナ禍を経て生活は変わった。それでもまつりを通じて住民の絆を強め、地域を良くしていこうとの思いは変わらないと感じた。 記者の自分にも変化があった。この7年の間に子が生まれ、初凧(だこ)を揚げる親の気持ちに理解が深まった。40歳を前に10歳以上も年下の後輩に指示を出しつつ取材をしたため、若手らを指導する同世代の町衆に親近感を覚えた
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記者コラム「清流」 騎馬武者行列 熱狂の渦
俳優の松本潤さんが浜松市に登場した。浜松まつり最終日の5月5日に行われた「家康公騎馬武者行列」で約800メートルを練り歩き、市中心街には熱狂の渦が巻き起こった。 松本さんは午前中に大河ドラマ館前にもサプライズで姿を見せ、監修した差し入れ弁当をパレードに参加する高校生らに手渡した。受け取った生徒の中には感激して思わず涙を見せる姿も。パレードの観覧には幅広い世代の人がいて、地元市民らから「さすが松潤。これほどの人を集めるとはありがたい」と感謝の言葉が聞かれた。 当日の午後11時ごろ、昼間の熱狂の余韻に誘われ、パレードが行われた通りを再び歩いた。昼間の熱狂と、普段と変わらない様子との対比が鮮明
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再生紙の凧商品化 浜松白洋舍 繊維の廃棄物を活用
静岡県西部でクリーニング店を展開する浜松白洋舍(浜松市東区)は、繊維の廃棄物から紙を再生する「サーキュラーコットンペーパー」で凧(たこ)を作り、商品化に乗り出す。同社など全国の異業種約100社が加盟し、繊維の循環システムを生み出す「サーキュラーコットンファクトリー」(東京)が和紙の素材に近いサーキュラーコットンペーパーを提供した。 凧に使う和紙の職人の人手不足を解消するため、再生紙で代替した。凧は浜松市中区蜆塚町の子ども会の児童も製作に携わり、浜松まつり初日の3日に同市南区の中田島砂丘で凧揚げを試した。杉原徳彦社長(51)は「和紙に比べて少し重いなど課題はあるが、しっかり凧を揚げることがで
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人口減対策など浜松市長に要望 浜松商議所
浜松商工会議所の斉藤薫会頭は16日の定例記者会見で、今月就任した中野祐介浜松市長に求める重点施策として人口減への対策を挙げ、「人口が増えなければ経済が縮小する。都市間競争の中で魅力を打ち出し、UIターンや移住者を増やすことが必要」と述べた。 望月英二副会頭はデジタル人材の確保を重要視し、「次世代自動車に関わる業界にとって不可欠。行政と産業界で連携して取り組みたい」と期待感を込めた。他の副会頭は子育てしやすいまちづくりや農業支援などを挙げた。 一方、斉藤会頭は浜松まつりに関して、大河ドラマで徳川家康を演じている松本潤さんが登場した5日の騎馬武者行列を含め、「人の動きがあって良かった。知恵と
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浜松まつり 人出は最多255万人に 大凧糸切りや松潤家康、活気戻り経済に潤い
浜松市で5月3~5日に開かれた浜松まつりは大凧揚げの糸切り合戦や激練りが復活するなどコロナ禍前の状況に一歩近づいた。市によると、現在の集計方法で過去最多の延べ約255万人が繰り出し、一定の経済効果をもたらした。 飲食、小売り 売り上げ増/酒類禁止 提供店は伸びず 間渕商店(同市中区)が中心街で営業する「食堂まぶち」は観光客からギョーザの注文が相次ぎ、3~5日の売り上げは平日に比べて約4倍に増加。近くで営業するイタリア料理店も連日、ほぼ満席が続いた。 遠州鉄道が運行した凧揚げ会場とJR浜松駅を結ぶシャトルバスの輸送人員は前年の約2・4倍で、コロナ禍前の水準に戻った。 東海キヨスク(名古
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町内の人と絆大切 日本人とブラジル人の架け橋 増子さんに哀悼、感謝 日系3世中島さん 浜松まつり
「天国から浜松まつりを見ていると思う。人が集まるのが好きだったからね」。浜松市中区の広沢町で長年まつりに参加してきた日系ブラジル人3世の中島イルマ雅恵さん(52)は5日、家族と同市南区の凧(たこ)揚げ会場を訪れた。市内で日本人とブラジル人の架け橋として尽力し、2月に病気で他界した2世の増子利栄[ますことしえい]さん=享年(72)=を思い起こし、「たくさんの人のために時間を費やした人。ひと休みできてるかな」と感謝の気持ちを口にした。 中島さんはサンパウロ出身で、1991年に来日した。増子さんが中区砂山町で営んでいたブラジル食料品店「セルヴィツー」に通うなど20年以上の交流があった。リーマン・
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「子ども凧揚げ」、地元キャラクター凧お披露目も 浜松まつり最終日 健やかな成長願う
浜松まつり最終日の5日、浜松市南区の凧(たこ)揚げ会場では「こどもの日」にちなんで「子ども凧揚げ」が行われた。地元のマスコットキャラクター凧をお披露目した町や、最終日にようやく初凧揚げを成し遂げた町も見られた。大人たちは子どもの笑顔と歓声に目を細め、健やかな成長を強く願った。(浜松総局・松浦直希、小林千菜美) 大人顔負け、夢中で「オイショ」 「子ども凧揚げ」醍醐味体験 凧糸を引く子どもたち=浜松市南区の凧揚げ会場 各町の少年少女が凧揚げを体験する「子ども凧揚げ」。大凧を揚げる醍醐味(だいごみ)を味わってもらおうと、「こどもの日」の恒例行事になっている。会場の各所で子どもたちが町内の
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浜松まつりちなみ凧に書 市発達医療総合福祉センターの利用者ら
浜松市浜北区の市発達医療総合福祉センター「はままつ友愛のさと」の利用者らの書道展(静岡新聞社・静岡放送後援)が8日まで、中区の遠鉄百貨店ギャラリー・ロゼで開かれている。 東区豊西町の書道教室「雲龍書院」の門下生や同センター出張授業の受講生計約30人が約100点を出展。徳川家康が残したとされる言葉を木の板にレーザーで焼き記した作品や、浜松まつりにちなんで「天下統一」「鷹」などとしたためた縦50センチ、横40センチの凧(たこ)などが並ぶ。 同教室を主宰する村越雲龍さん(80)は「自分なりの表現で個性を出してまとめあげた作品がそろう。ぜひ足を運んでほしい」と来場を呼びかけた。
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マツジュン行列に68万人 浜松市発表
大河ドラマ「どうする家康」で主人公の徳川家康を演じている松本潤さん、井伊直政役の板垣李光人さん、平岩親吉役の岡部大さん、夏目広次役の甲本雅裕さんが登場し、浜松市の中心街で5日に初開催した「家康公騎馬武者行列」の人出について、市は68万人と発表した。
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町の意地 糸切り熱気 20本超絡まり大混戦 浜松まつり2日目【動画あり】
浜松まつり2日目の4日、初日に続いて晴天に恵まれた浜松市南区の凧(たこ)揚げ会場では、参加各町が自慢の大凧を空に放った。新型コロナ禍で開催が中止された時期に生まれた子どもたちを祝福したり、地域の発展に貢献した故人を悼んだりする凧を揚げた町も見られた。糸切り合戦が本格化し、会場の熱気は最高潮に達した。(浜松総局・岩下勝哉、松浦直希、北井寛人、日比野都麦、山川侑哉、写真部・二神亨) 絡み合った凧糸を激しく引き合う各町男衆=浜松市南区の凧揚げ会場 何本もの凧糸が「ギチギチ」と音を立ててきつく絡み合い、体をぶつけ合う男衆の足元からは砂ぼこりが舞う。ラッパの甲高い音色に合わせて、「オイショ、オ
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成長願うお囃子の音、未来へ響け 静岡新聞記者、御殿屋台を体験 浜松まつり
浜松まつり初日の3日、浜松市中区海老塚町の御殿屋台の町内引き回しと子どもの初練りに、記者が同行した。屋台の上で小学生と共に、お囃子(はやし)の横笛を体験。子どもが誕生した4軒を祝うため、約3キロを3時間かけて練り歩いた。町内を挙げて子どもたちの健やかな成長を願う。まつりの原点を実感した。 演奏に苦心 笑顔に感動 練りに鳥肌 午後6時、大きな海老が背に描かれた青い法被に袖を通し、木製の屋台に乗り込んだ。明かりをともした屋台が鹿島神社からゆっくりと動き始めた。「ガチャマン景気」と呼ばれ、地場産業の織物が好況に沸いた頃の1957年製。高さ5メートル、重さ6トン。海老塚だけに、「鯛で海老を釣る」と
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“合同練り”待望の熱狂 4年ぶり「オイショ」盛大 屋台輝き増す 浜松まつり2日目
浜松まつりは2日目の4日夕、参加各町が浜松市中区の中心街を練り歩く“合同練り”を4年ぶりに行った。御殿屋台は前日を上回る約60台が集結した。お囃子(はやし)の優美な調べが広がり、街中はまつり一色に染まった。 参加町ごとの多彩な法被姿の町衆がメインストリートの鍛冶町通りを埋め、和太鼓が地を鳴らし、ラッパの高音が空気を裂いた。勇ましい男衆をはじめ、まつり用の化粧を決めた女性、腕を組み笑顔の男女、両親に手をつながれ、興奮気味の子どもたち。練りの大集団は「オイショ、オイショ」のかけ声とともに大通りをゆっくりと進んだ。 日が沈むと、屋台の輝きが増した。お囃子の音は夜風に乗り
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熱気ぐんぐん空高く 浜松まつり開幕【写真特集】
子どもたちの健やかな成長を願い、多くの大凧(たこ)が青空に舞い上がる。初夏の到来を告げる浜松まつりが3日、開幕した。5日まで、浜松市内は熱気の渦に包まれる。 同市南区の凧揚げ会場では開始の合図とともに、参加各町の凧が一斉に揚げられた。絡めた凧糸を男衆が勢いよく引き合う「糸切り合戦」が4年ぶりに復活。子どもの誕生を家族や町内で祝うラッパの音、激練りの威勢のよいかけ声が響き渡り、凧場に喜びと笑顔があふれた。 (浜松総局・山川侑哉、写真部・二神亨、久保田竜平) はじける笑顔 舞い上がる凧に笑顔の子ども=浜松市南区の凧揚げ会場 ラッパで鼓舞 力強い音を響かせるラッパ隊=浜松市南区
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華やぐ街、夜「ようやく」 御殿屋台集結 人、笑顔あふれ 浜松まつり開幕
浜松まつりが開幕した3日、夕暮れの浜松市中心街に各町自慢の御殿屋台が集結し、4年ぶりの引き回しが行われた。豪勢な装飾を施し、明かりをともした屋台が沿道の大勢の見物客の前で、華やかさを競った。「感無量」「ようやく戻った」。この3年間、新型コロナの影響で意気消沈していた中心街は活気に満ち、参加者の笑顔があふれた。 感染対策のため、前年の引き回しは各町内に限られた。今年はコロナ禍前の姿にほぼ戻り、計82町が中心街に繰り出す見通し。初日は30町以上の屋台が笛や太鼓、三味線のお囃子(はやし)とともに、ゆっくりと運行した。泉町(中区)は初心者ばかりの小中学生16人が練習を重ね、晴れの舞台に臨んだ。小
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舞い上がれ 171町の大凧青空へ 浜松まつりが開幕
浜松まつりが3日、浜松市南区の凧(たこ)揚げ会場で開幕し、子どもの成長を願う多数の大凧が5月の青空に舞い上がった。夜は絢爛(けんらん)豪華な御殿屋台が4年ぶりに中区の中心街に集結し、引き回しが行われた。主催者のまつり組織委員会は初日の人出について、新型コロナウイルス禍前の2019年を3万人余り上回る延べ75万7千人と発表した。まつりは5日まで。 組織委によると、初日は参加者を含めて凧揚げ会場に32万人、中心街での屋台引き回しに26万人、関連のにぎわいイベントに17万7千人が詰めかけた。 今年のまつりには前年より3町多い171町が参加している。新型コロナの行動制限緩和に伴い、大凧揚げの見せ
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あなたを思い 凧舞い上がる 初子の成長願い空へ 浜松まつり
浜松まつりが開幕した3日、浜松市南区の凧(たこ)揚げ会場では、子どもの成長を願う初凧や町内凧が晴れ渡った空に次々と上がった。自慢の凧をさらに高く揚げようと糸をたぐる町衆の威勢のよいかけ声や、参加者を鼓舞するまつりラッパの音が鳴り響き、一帯は熱気に包まれた。 早逝の姉の分も 初子の成長願う 妹・小林さん 八木貴絵さんの遺影とともに凧糸に手をそえる小林飛貴ちゃん=浜松市南区の凧揚げ会場(写真部・二神亨) 中区八幡町の小林飛貴[とき]ちゃん(2)の名が入った10帖(3・6メートル四方)の初凧が、空に吸い込まれるようにどこまでも高く揚がった。白い鳩(はと)が描かれた凧には飛貴ちゃんの成長
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浜松まつり 女性初の名波会長「無事完遂目指す」 丸塚町凧揚げ会
東区丸塚町の凧(たこ)揚げ会で初の女性会長、名波久子さん(73)が6帖凧を頼もしげに見守った。 小学生のころ、凧揚げ会場だった和地山公園まで自転車で行き、露店を巡るのが楽しみだったと振り返る名波さん。浜松まつりが大好きで、これまでは凧場の陣屋で町民に手料理を振る舞うなどして支えてきた。 町の副自治会長や子ども会会長を歴任し、「地域の活動などで力を発揮してきたことが、会長に推された理由では」と藤城藤夫自治会長(69)は話す。 女性会長は珍しく、「市内で初めてかもしれない」と名波さん。「みんなの気持ちをまとめて、無事に完遂したい」と意気込んだ。
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浜松まつりの会場きれいに 恒例のごみ拾い JT静岡支社
日本たばこ産業(JT)静岡支社は5日までの浜松まつり期間中、凧(たこ)揚げ会場のある南区の中田島砂丘付近で、ごみ拾い活動「ひろえば街が好きになる運動」を行っている。 初日は社員ら約20人がごみ袋とトングをまつり参加者や見物客に配ったほか、ペットボトルや割り箸などのごみを拾い集め、分別した。まつりに合わせた清掃は14回目。担当者は「まつりを楽しむついでにごみ拾いをして、会場をきれいにしてほしい」と協力を呼びかけた。
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外から見る浜松の魅力 浜松まつり開幕合わせ やらまいか大使対談
「浜松市やらまいか大使まつり・歴史講談トークショー」(静岡新聞社・静岡放送主催、浜松まつり組織委員会共催)が3日、同市中区のプレスタワーで開かれた。いずれも市内出身で市のPRに協力する講談師田辺一邑さんと“世界の絶景プロデューサー”詩歩さんが、浜松の魅力について対談した。 浜松まつりの開幕に合わせて、街なかのにぎわい創出を目的に企画した。歴史を題材に講談を創作する田辺さんは「三方ケ原の戦い」で一席を披露。世界の絶景探しに取り組む詩歩さんは、天竜区の秋葉山鳥居や花桃の里で撮影した美しい写真を紹介した。 日頃から仕事で全国を巡る2人は、浜松の豊かな歴史や農産物の品質な
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浜松まつり開幕 交通規制5日まで実施 最終日は松本潤さん参加
浜松まつりが3日、浜松市南区の凧(たこ)揚げ会場などで開幕する。同会場周辺と、屋台の引き回しなどを行う中区の中心街は3日間とも、車両通行規制を実施する。最終日の5日は大河ドラマ出演者が登場する「家康公騎馬武者行列」の開催に伴い、アクトシティ浜松の「屋上公園」が立ち入り禁止となる。 アクトシティの指定管理者の市文化振興財団によると、5日は終日、「ショパンの丘」「音楽広場」「いこいの広場」を閉鎖する。高い場所から行列を眺めようとの見物客が殺到すると危険なために、立ち入り禁止を決めたという。 一方、交通規制は3、4の両日午後5~9時と5日午後1~5時がJR浜松駅北側の繁華街周辺。5日は午前11
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うぞうむぞう【有象無象】 浜松まつりとの共通点 石井萠水【SPAC俳優 言葉ひらいて③】
今年のゴールデンウイークがやってきました! 浜松市では待ちに待った浜松まつりが始まりますね! 浜松で生まれ育った私も、この時期は血が騒ぎます。しかしSPACは毎年この時期に「ふじのくに→←せかい演劇祭」を開催しており、私も出演していますので、浜松まつりへの熱は静岡で演劇に注ぐようになりました。 さて、そんな私が心血を注いでいる演劇について、よく「どんな役を演じているの?」と聞かれることがあります。その返答こそ、今回のタイトルである「有象無象」です! この言葉の意味は「数は多いが大したことのない、つまらない人々」、つまりその他大勢、専門用語でコロス(コーラスの語源)とも
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「お練りの会」4年ぶり 園児が祭り気分楽しむ 浜松まつり控え
浜松まつり開幕を翌日に控えた2日、浜松市南区の飯田幼稚園は園内で「お練りの会」を開いた。園児11人が飯田地区周辺3町の凧(たこ)揚げ会メンバーと祭りムードを楽しんだ。 地域の伝統を肌で感じてもらう行事で、新型コロナ禍を経て4年ぶりの開催となった。飯田町、三和町、渡瀬町の凧揚げ会約30人が各町の旗を先頭にラッパの演奏をしながら来園した。園児は凧印の由来の説明を受けたり、こどもの日に向けてかしわ餅を食べたりした。 勇壮なラッパと太鼓が鳴り響く中、法被姿の園児が肩車され、「オイショ、オイショ」と園庭を練り歩いた。一足早く祭り気分を味わった小川瑞稀くん(5)は「初めてラッパ隊の演奏を聞いた。めっ
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中野浜松市長 統監部員らを激励 浜松まつり
中野祐介市長は浜松まつり開幕を翌日に控えた2日、中区のまつり組織委員会企画統制監理部(統監部)事務所を訪ね、部員を激励した。市長による開幕前日の統監部訪問は恒例だが、新型コロナの影響で近年は実施していなかった。 組織委の委員長を兼ねる中野市長は1日に市長に就任したばかり。部員を前に「安心安全で規律あるまつりの運営に向けて、さらなる力添えをお願いしたい」と要請した。同行した組織委の広野篤男代表委員長も「事故のない浜松まつりを全国から訪れる大勢の人たちに見せたい。力を貸してほしい」と呼びかけた。 伊藤安男統監部長は「背負ってきた伝統を絶やさず、一丸となって成功させる」と意気込みを語った。
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継承 10キロ先へ移送準備入念 郷土の歴史 発信の好機【街に戻る御殿屋台 浜松まつり’23㊦】
戦国時代に徳川軍と武田軍が激突した「三方ケ原の戦い」の舞台、三方原地区(浜松市北区)。三方原南自治会の屋台の“売り”は甲冑(かっちゅう)姿の徳川家康と武田信玄の彫り物だ。屋台正面に家康と信玄の像がやや向かい合うように配置され、合戦の緊張感を今に伝える。 家康を主人公にした大河ドラマの放送が進む中、約10キロ離れた中区の中心街で屋台を引き回すのは、地元の歴史を発信する好機。町民の多くが一段と張り切っている。その上、まつり最終日の5日はドラマで主役を演じる松本潤さんらが浜松入りする。全国から大勢のファンが集まりそうだ。 屋台部会事務局長で、主演俳優と同じ「マツジュン」
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絆 4町で連結引き回し 少子化負けず絢爛演出【街に戻る御殿屋台 浜松まつり’23㊥】
浜松市中区寺島町の旧高砂小体育館に勇壮なラッパの音が響く。砂山、寺島、竜禅寺、北寺島の「駅南地区4町」の子ども約70人が4月下旬、輪になって練習に励んでいた。御殿屋台の引き回しの際に行う「4町子ども合同練り」が4年ぶりに復活する。今年は屋台も4町で連結し、ひときわ輝きを増した豪華絢爛(けんらん)を演出する。 4町子ども会当番長、仲山順一朗さん(44)=竜禅寺=は「まつりがようやく戻ってきた」と頼もしそうに練習を眺める。子ども合同練りは約30年前に生まれた4町の“絆の象徴”だ。 引き回しの途中で北寺島が子どもだけの練りを始めると、寺島の子たちが交ざり、翌年は砂山、数
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伝統 詰まった思い脈々と 愛着と誇り晴れ舞台に【街に戻る御殿屋台 浜松まつり’23㊤】
4月中旬の夜、浜松市中区の助信町公民館。まつりを控え、試験的に御殿屋台の電飾がともされた。鈴木芳次さん(75)は懐かしそうに屋台を見上げ、「昔はね、電線の引き込み線が低い所にあったんで、大変だったよ」と目を細めた。 30年ほど前、町民が引き回す際に、屋台の屋根に乗る役を任された。運行に欠かせない重要な役目。高さ約5メートル。建築業に携わっていた経験を生かし、勇んで乗った。住宅への電気の引き込み線を、先端にV字状の枝を取り付けた棒で持ち上げて屋台をくぐらせた。 屋台は町民の誇り。「万一電線に引っかかったら屋台が壊れちゃう」と慎重に徹した任務を振り返った。 助信の屋台は1951年製で、市内
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飯尾氏の追善とまつり安全祈願 浜松・東漸寺で法要
戦国期に引間城を本拠とした飯尾豊前守の追善と浜松まつり(5月3~5日)の成功を祈る法要が29日、飯尾家の菩提(ぼだい)寺である浜松市中区成子町の東漸寺で営まれた。 まつりに参加する住民や顕彰団体の役員ら約100人が参列した。飯尾氏の墓の前で竹内正祥住職(47)が読経し、参列者が焼香した。 同寺などによると、飯尾氏の長男誕生を祝って大だこが揚げられたのが浜松まつりの起源とする説がある。引間城跡の一画には現在、元城町東照宮が位置する。飯尾氏は放送中の大河ドラマにも登場したことから、最近は同寺を参拝する人が増えているという。 法要は2020~22年、新型コロナの影響で規模を縮小していた。竹内
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佐久間竜神の舞 過疎化、担い手不足深刻 静岡新聞×静岡文化芸術大×中日新聞「新聞記者をやってみた」プロジェクト
静岡文化芸術大(浜松市中区)と静岡新聞社、中日新聞東海本社は昨年秋から、同大の学生の皆さんが新聞記事の取材や原稿作成に挑戦する連携プロジェクト「新聞記者をやってみた」に取り組んでいます。新聞離れが進む中、若い世代は地域のどんな課題に注目し、どういう思いで記事を書いたのでしょうか-。半年に及ぶ試みを随時掲載していきます。 ダムの歴史伝える「地域遺産」 日本の戦後復興を電力という側面から支えた佐久間ダム(浜松市天竜区佐久間町)。難工事で犠牲になった人たちを慰霊するため、66年前から同町で奉納されている「佐久間竜神の舞」(浜松市認定文化財)が少子高齢化などを理由に担い手不足に陥っている。 同
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浜松まつり武者行列 中心街厳戒 群衆雪崩やテロ対策 松本潤さん来浜
浜松まつり最終日の5月5日に浜松市中区の中心街で初開催される「家康公騎馬武者行列」。大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康を演じる俳優松本潤さんらが出演することから、観覧当選者(2万2千人)だけでなく、落選者も含めて大勢の来場が予想されている。市や県警は群衆雪崩や不特定多数を狙ったテロ行為などの発生を懸念し、交通規制や警備体制を強化するなど厳戒態勢を敷く。 騎馬武者行列はザザシティ浜松前から鍛冶町通りを東に進み、JR浜松駅前を左折した板屋町交差点までの約800メートル区間で行う。松本さんをはじめ、井伊直政役の板垣李光人さん、平岩親吉役の岡部大さん、夏目広次役の甲本雅裕さんらがパレードする。
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浜松まつりガイドブック無料配布 組織委作成
浜松まつり組織委員会は27日、今年のまつり(3~5日)の公式ガイドブックの無料配布を浜松市内各所で始めた。新型コロナの影響でガイドブックの作成は4年ぶり。 A4判、32ページ。今年参加する171町の法被や凧(たこ)の絵柄である「凧印」などを解説。南区の凧揚げ会場での糸切り合戦や、中区の中心街に集まった御殿屋台の様子も写真付きで紹介している。関連の催しについてもスケジュール表を掲載した。 5万部を用意した。JR浜松駅構内の市観光インフォメーションセンターと組織委事務局の浜松・浜名湖ツーリズムビューロー(中区鍛冶町)で配っている。まつり期間中は同駅北口、南区の浜松まつり会館前の風紋広場、凧揚げ会
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浜松まつり参加40周年、10帖の記念凧 中区曳馬町本郷凧揚会
浜松まつり参加40周年を記念し、浜松市中区の曳馬町本郷凧(たこ)揚会に23日、歴代組長から10帖の記念凧が贈られた。19代目の現組長中村哲史さん(52)は「大切な節目。記念に残るように、立派に揚げたい」と意気込んだ。 凧は紺地に白抜きで「曳」、赤色で「本」と描かれているほか、「祝40周年」と記されている。この日は歴代組長や凧揚会のメンバー約25人が曳馬本郷公会堂に集まり、糸目付けを行って団結を強めた。 1984年、町内の運動会の廃止をきっかけに、まつりに初参加した。2代目組長を務めた原田昌彦さん(86)は「他の町へ凧の張り方や糸の付け方などを習いに行った」と当時を振り返る。 まつり2
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浜松まつり 市の凧、糸目付け 家康公ゆかりの地PR
浜松まつり(5月3~5日)の初日に揚げる浜松市の凧(たこ)の「糸目付け」が22日、南区の浜松まつり会館で行われた。新型コロナの影響で市の凧を揚げるのは4年ぶり。市職員らが凧揚げに必要な糸を、まつり組織委員会企画統制監理部やたこ揚げ経験のあるベテラン職員らの指導を受けながら取り付けた。 今年は大河ドラマの放送を機に「徳川家康公ゆかりの地 浜松」をPRしようと22年に公募で決めたロゴマークを絵柄の「凧印」としてあしらった。糸目付けは開会宣言に合わせて凧揚げ会場で揚げる6帖(2・9メートル四方)と、予備の4帖(2・4メートル四方)の計2枚で行った。6帖凧では、太い親糸3本と細い小糸26本を、バラ
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浜松まつり 交通規制区間発表 5月3~5日
浜松市などは21日、浜松まつり期間中(5月3~5日)の中区中心部の交通規制について発表した。今年は従来の規制に加え、5日に予定する「家康公騎馬武者行列」に対応した規制も一部道路で実施する。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 御殿屋台の引き回しや練りなどを行う3、4の両日は午後5時から9時まで、JR浜松駅北側の繁華街周辺で車両の進入を規制する。 5日については、午後1時から5時までは3、4日とほぼ同じ区域で規制を実施する。ほかに、騎馬武者行列のコースエリア内は午前11時から午後7時まで、車両の通行を制限する。国道257号伝馬町交差点から連尺交差点
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松本潤さんの家康公行列 観覧2千人増、受付24日まで延長 浜松市中心街で5月5日
浜松市は20日、5月5日に中区の中心街で俳優松本潤さんらが出演する「家康公騎馬武者行列」について観覧者の定員を2千人増やして2万2千人にし、観覧の申込受付期間も21日までだったのを24日まで延長すると発表した。 観光・シティプロモーション課によると、全国から定員を上回る応募があり、出演者からも「より多くの人に見てもらいたい」との声が上がった。観覧スペースを精査し直し、安全確保ができると判断して観覧者数の増加を決めたという。
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「G7」見据えて官民連携を確認 中区で総会 テロ対策ネットワーク浜松
官公庁の関係機関や民間組織でつくる「テロ対策ネットワーク浜松」は20日、総会を浜松市中区の県浜松総合庁舎で開いた。5月に市内で開催される浜松まつりや、広島市が会場の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を見据え、官民の連携などを確認した。 浜松市警察部の久田英之部長や市内6警察署の担当者のほか、大勢の人が集まりやすい市内の観光施設や交通機関などの関係者らが出席。国内外のテロの情勢や、未然防止に向けた対応策を話し合った。 久田部長は「緊密な連携が極めて重要。テロに強い社会を目指す」と述べた。
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還暦祝う凧披露 浜松市南区本郷町
5月3~5日に浜松市内で開かれる浜松まつりに参加する南区本郷町のたこ揚げ会が16日、同区の本郷町公会堂で会所開きを行い、まつり当日に還暦を祝って揚げる凧(たこ)をお披露目した。 凧の大きさは5帖(じょう)で、「本」の凧印を書き添えた。還暦とその前後の町民12人が、今年は本郷町で「初凧」が揚がらないと知り、まつり当日を盛り上げるために企画して製作費用を寄せ合った。 会所開きでは、町民ら約70人に凧を披露し、企画した町民が自身で末広に名前を揮毫(きごう)した。太田剛組長(54)は「今年はほぼ本格開催。還暦の皆さんを祝うとともに、本組一堂でまつりを盛り上げましょう」とあいさつした。
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大規模改修の屋台お披露目 子どもたちの思い乗せ「次世代へ」 浜松・中沢町
浜松市中区の中沢町自治会は16日夜、浜松まつりに向けて大規模改修した御殿屋台のお披露目式を同町の公民館で行った。建造から64年がたち、老朽化が進んでいた。関係住民は「屋台に乗る子どもたちの安全を守り、次世代に引き継ぐ」との思いを新たにした。 屋台は1959年に造られ、屋根に2体の竜の彫刻があしらわれている。同町には勾配が急な坂道があり、激しい揺れで傷みが目立つようになったという。 改修は文化財の修復を得意とする静岡市の「祥雲」(山梨由博社長)に依頼した。屋台の土台部分となる「台輪」を厚い木材で新たに造り直し、屋台内部には板を打ち込んでバランスが崩れないように強化した。彫刻を洗浄し、外側の
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大凧171町、御殿屋台82町参加 浜松まつり総会 飲酒禁止に不満も
2023年度の浜松まつり総会が13日、浜松市中区で開かれ、事業計画を承認した。今年は大凧(だこ)揚げなどに171町が参加し、82町が夜の中心街で御殿屋台を引き回す。屋台が中心街に集結するのは4年ぶり。新型コロナの感染拡大防止のために飲酒を禁止した規則については、一部の町の代表者から疑問や批判の声が上がった。 まつりは5月3~5日の午前10時から午後9時までの間に実施する。最終日は大河ドラマに出演中の俳優松本潤さんらが登場する「騎馬武者行列」を行う。事前の各町内での準備段階をはじめ、凧揚げ、御殿屋台の引き回し、激練りなど、すべての行事で飲酒を禁止とした。 事業計画への意見や質問として、「花
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浜松まつり 凧印切手発売 日本郵便東海支社
浜松まつり(5月3~5日)の開幕を控え、日本郵便東海支社はこのほど、各町の凧(たこ)印がデザインされたフレーム切手の販売を始めた。浜松、湖西両市の郵便局全113局で計500部を取り扱う。 84円切手10枚入りで税込み1330円。過去に切手に採用されていない町などを取り入れた。初めてデザインを担当した天竜山東郵便局(浜松市天竜区)の梅林茂雄局長(59)は「伝統の浜松まつりがこれからも長く続くように願いを込めた」と話した。
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浜松まつり 30周年記念凧に糸目付け 北区の三南組
浜松市北区三方原町三方原南の「三南組」は9日、5月の浜松まつりに向けて、まつり参加30周年を記念した8帖凧(たこ)の糸目付けを同組の屋台蔵前で行った。本来の節目は2021年だが、コロナ禍で見送ったため2年後ろ倒しした。5月4日に揚げる。 記念凧は三方原南を表す「ミ」の字二つを紅白色で描き、背景は晴天に凧が舞う様子をイメージして青色で彩った。右下に30周年と記した。この日は16人が集まり、作業に励んだ。 記念凧は、20周年(11年)は東日本大震災発生で中止し、10周年(01年)以来という。記念誌も作る。西村吉弘組長は「凧揚げは地域の住民を結びつける行事。にぎやかに盛り上げたい」と意気込んだ
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浜松まつりPRポスター 4000枚販売開始 市内3カ所
浜松まつり組織委員会は6日、浜松まつり(5月3~5日)のPRポスターの販売を浜松市内3カ所で始めた。A1判で1枚500円、約4千枚を用意した。 ポスターは、勇壮な大凧(だこ)揚げと、豪華絢爛(けんらん)な御殿屋台をあしらい、昼と夜の魅力を伝えている。力強い筆文字で、市民の情熱や熱気を表現したという。 JR浜松駅の観光インフォメーションセンターと浜松まつり会館(南区)、浜松・浜名湖ツーリズムビューロー(ザザシティ浜松中央館)で取り扱っている。 ポスターと同じデザインの表紙のリーフレットも作製した。まつりの特徴や歴史を紹介する内容で、浜松商工会議所や市内の公共施設で無料配布する。 組織委
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浜松まつり 凧や法被展示し盛り上げ 浜松いわた信金上新屋支店
浜松市中区茄子町と東区上新屋町の凧(たこ)揚げ会が4日夜、浜松まつりの凧や法被を浜松市東区の浜松いわた信用金庫上新屋支店に展示した。来店客に祭りの雰囲気を感じてもらおうとの趣旨の恒例企画で、5月上旬まで飾る予定。 窓口付近の展示スペースに、「茄」「上」と書かれた半帖(80センチ×80センチ)の大きさの飾り凧や手ぬぐい、ちょうちんが並ぶ。以前は茄子町の「茄組」が旧磐田信金浜松北支店で凧を展示していたが、信金の合併などを経て昨年から、上新屋町「上組」とともに上新屋支店で実施している。
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“松潤家康公”に3家臣お供 板垣李光人さん、岡部大さん、甲本雅裕さん 浜松まつり・騎馬武者行列
浜松市は2日、浜松まつり最終日の5月5日に俳優松本潤さんを招いて中区の中心街で開催するイベント「家康公騎馬武者行列」の出演者を追加発表した。 松本さんのほかに出演するのは、徳川家康役で松本さんが主演する大河ドラマ「どうする家康」で、井伊直政を演じる板垣李光人さん、平岩親吉役の岡部大さん、夏目広次役の甲本雅裕さんの3人。それぞれの役に扮(ふん)し、中心街の約800メートル区間で行われるパレードに参加する。 パレードは午後2~4時に開催する。観覧スペースはコースの道路両側に2万人分設ける。市の特設ホームページ「出世の街浜松」で3~21日に申し込みを受け付け、27日に抽選結果を通知する予定。
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笑顔集う地下道に 壁面にイラスト 大石さん、浜松市長訪問
浜松市役所前の地下道を明るいイメージにしようと、同地下道の壁面にイラストを描いた同市出身のイラストレーター「いきものだもの」=本名・大石晃裕=さん(39)が3月30日、市役所に鈴木康友市長を表敬訪問した。 大石さんは3月上旬から中旬にかけ、ミカン、ギョーザ、浜松まつりなど市ゆかりの物事12点をイラストにした。食べ物などは擬人化し、笑みを浮かべている。市役所では鈴木市長に「地下道に来た人が笑顔になってくれるように描いた」と説明。鈴木市長は「暗いイメージの地下道は以前から対応したかったのでありがたい」と謝意を述べた。
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松本潤さん武者行列 観覧者2万人募集 4月3日から申し込み 浜松まつり
浜松市は24日、浜松まつり最終日の5月5日に俳優松本潤さんを招いて中区の中心街で開催するイベント「家康公騎馬武者行列」の概要を発表した。観覧者2万人と、行列の参加者は今後募集する。 騎馬武者行列はザザシティ浜松前を出発して鍛冶町通りを東へ進み、JR浜松駅前の旭町交差点を左折して板屋町交差点に至る約800メートルの区間で、午後2~4時に行う。松本さんは徳川家康公にふんして登場する。他の出演者については調整中という。 同時に、市内の小学生親子50組による子ども段ボール甲冑(かっちゅう)武者行列、市内中高生50人による浴衣行列、伝統行事の信康行列(天竜区)と姫様道中(北区)、高校生吹奏楽パレー
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浜松まつり「コロナ前の95%復活」 禁酒は維持 激練り、糸切り解禁
浜松まつり組織委員会は24日、5月3~5日に行う祭りの開催方針を最終決定した。新型コロナ感染防止のために前年まで禁止していた激練り、大凧(だこ)の糸切り合戦を解禁する。マスク着用は各自の判断とし、観客の上限数を撤廃する。一方、会場などでの飲酒禁止や、関連行事の午後9時終了などの制限は残す。市役所での会合後、広野篤男代表委員長は「コロナ前の規模の95%は復活できると思う」と述べた。 今年は前年より3町多い171町が参加意向を示している。祭りの醍醐味(だいごみ)といえる激練りは3日間とも凧揚げ会場をはじめ、各町内や中心街で御殿屋台を引き回す際も認める。2日目の屋台出発前の「合同練り」は屋台のな
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記者コラム「清流」 地下道が楽しくなる絵
浜松市役所前の地下道にかわいらしいイラストが描かれているのをご存じだろうか。市出身のイラストレーター「いきものだもの」さん=本名・大石晃裕=が最近、天竜川や浜松まつりなど市ゆかりの物事を擬人化したアートペイント12点を施した。 「どうする家康 浜松 大河ドラマ館」のオープンに伴い同館付近の国道152号交差点で予想される混雑の緩和を狙い、官民組織の市創造都市推進会議が同交差点下を通る地下道へ誘導するために企画。大石さんは制作者として協力した。 地下道と聞くと暗いイメージがあるが、かわいらしい絵を見て歩き、市の特産品や行事にあらためて気付けるという試みは、このところ運動不足気味の住民の1人と
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浜松舞台「大河」商機に 21世紀倶楽部例会セミナー 市の北嶋課長が講演
静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部の3月例会セミナーが23日、浜松市中区のプレスタワーで開かれ、市観光・シティプロモーション課の北嶋秀明課長(52)が「大河ドラマ『どうする家康』の放送を活用した地域振興」をテーマに講演した。 北嶋課長は徳川家康ゆかりの地として、市のマスコットキャラクターに「出世大名家康くん」を採用するなどしたこれまでの取り組みを紹介。昨年はドラマ放送に向けて交流サイト(SNS)などで機運を高める活動を積極的に行ったことなどを説明した。ドラマの舞台が同市など県西部に移ってきたことにも触れ、「ドラマを盛り上げるのではなく、ドラマを活用してビジネスチャンスにつなげてほしい」と訴
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いざ 浜松まつりへ 新屋台 住民にお披露目 山手町、飯田町 気運高まる
浜松まつり(5月3~5日)まで1カ月半となった19日、浜松市内のまつり参加各町では新築、新調した御殿屋台を住民らに披露する催しが行われた。 中区山手町では、町の誕生50周年を記念して新築した御殿屋台のお披露目会が行われた。高さ4・6メートル、幅2・8メートル、奥行き4・4メートルで細かな彫金、鳳凰(ほうおう)や七福神などの彫刻を施し、欄干には黒檀(こくたん)を用いた。約3年かけ、寄付を募るなどして完成させた。田代浩史建設委員長(50)は「世代を超え多くの人が屋台に集まってほしい」とあいさつ。阿形隼組長(40)も「屋台ができたのを機にみんながコミュニケーションを取れるようにしたい」と話した。
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「松本潤さん静岡にも」 静岡市が訪問要請 「どうする家康」通じ誘客へ
静岡市は9日に開かれた市議会観光文化経済委員会で、大河ドラマ「どうする家康」を通じた観光誘客、地域振興を一層盛り上げようと主演俳優の松本潤さんに同市来訪を要請していると明らかにした。 松本さんは主人公の徳川家康を演じていて、5月5日の浜松まつり(浜松市)最終日では家康に扮(ふん)して騎馬武者行列に参加する予定。静岡市観光・MICE推進課によると、日本放送協会を通じて同市への来訪を希望する意向を伝えているという。同課の担当者は合わせて「昨年の鎌倉殿の13人もそうだったが、大河の盛り上がりはドラマ後半にある」と説明し、同市に関わりのある他の登場人物の演者や制作スタッフなどを招くことも検討してい
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松本潤さん、浜松まつりに参加 家康公に扮し「騎馬武者行列」
浜松市は2日、5月5日の浜松まつり最終日に、同市が舞台の大河ドラマ「どうする家康」で主人公徳川家康を演じている俳優の松本潤さんが参加すると発表した。松本さんが家康公に扮(ふん)して中心街をパレードする「騎馬武者行列」を初開催する。 パレードは午後2~4時で、松本さん以外のドラマ出演者も参加予定。観覧は抽選制とし、応募方法などを含めて詳細は後日発表する。市は、観覧者枠は2万人程度を想定している。パレードへの市民参加も計画するという。 昨年11月には、俳優の木村拓哉さんが織田信長に扮した「信長公騎馬武者行列」が岐阜市で行われ、観覧の抽選に外れた人も含めて約46万人が来場した。経済効果が約15
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6年生万感、クラス凧空へ 浜松・相生小 文字や絵柄にも思い
浜松市中区の相生小6年生約100人が26日、南区の浜松まつり凧(たこ)揚げ会場で卒業記念の凧揚げに挑戦した。 児童は「水平線」「夢」「流星群」といったクラスごとの目標の文字が入ったオリジナル凧を地元凧揚げ会のメンバーらの手ほどきを受けながら、協力して大空に揚げた。 「流星群」と書かれた凧に色の濃淡を丁寧に使った絵柄を描き、多様性を表現したという川上結衣さん(12)は「思ったよりも空高く上がった。クラスみんなの思いが凧に伝わったと思う」と声を弾ませた。
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凧づくりに挑戦 浜松市天竜区で親子教室
浜松市天竜区水窪町の水窪文化会館で23日、凧(たこ)揚げ教室が開かれた。同町の親子8人が参加し、異なる地域の伝統文化を体験した。 教室は、水窪協働センターと同市西区の入野協働センターが協力して開催した。両センターは一昨年から地域を越えた交流事業に力を入れている。水窪町と入野地区の地元団体を互いの主催イベントに招き、積極的に連携している。 講師は、西区の入野地区凧揚会が務めた。同会は浜松まつりの凧揚げで使用する凧を製作している。 参加者は凧づくりと凧揚げに挑戦した。凧揚会の会員から助言をもらいながら、ゆっくりと台紙に竹ひごを貼り付け、凧の形に仕上げていた。完成後はグラウンドで凧を揚げ、勢
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浜松まつり 祝いの飲食需要、行方は...気をもむ酒、仕出し業者
コロナ禍4年目の浜松まつりの開催方針が24日、決まった。主催者のまつり組織委員会は浜松市中心街での御殿屋台の引き回しなど“コロナ前”の形に近づける一方、飲食を伴う初子祝いの振る舞いの再開には慎重姿勢を崩さない。苦境が続く酒類や仕出し料理の取扱店は事態の好転を願って組織委の今後の協議に注目しつつ、「以前のような初子祝いはもう無理なのかもしれない」と不安交じりのため息が漏れる。 子どもの誕生を祝い、健やかな成長を願う浜松まつり。初子の家族が祝いの初凧(だこ)揚げなどのお礼として、町内の参加者に酒や料理を提供するのが慣習になっている。 初子祝いで人気の樽(たる)酒などを
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浜松まつり 中心街「屋台集結」決定 激練り、糸切りは3月に結論
浜松市や浜松商工会議所でつくる浜松まつり組織委員会は24日、市役所で会合を開き、今年の開催方針を決めた。新型コロナ対策を講じた上で5月3~5日、前年に続き有観客で大凧(だこ)揚げを中田島海岸の凧場(南区)で行うほか、夜の中心街に御殿屋台が集結する形での引き回しを4年ぶりに再開する。激練りや凧の糸切り合戦、各参加町の初子祝いの振る舞いなど感染リスクの高い行動については協議を継続し、感染動向などを考慮して3月中に結論を出す。 会合は冒頭だけが公開され、終了後に組織委の広野篤男代表委員長と、委員長を務める鈴木康友市長が記者会見した。コロナ禍前の浜松まつりの姿に近づける方向性となった開催方針につい
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中心街での御殿屋台引き回し、実施へ 4年ぶり集結 浜松まつり
浜松市で5月に開かれる静岡県内最大級の集客行事「浜松まつり」を主催する浜松まつり組織委員会が今年の開催案について、コロナ禍で実施を見合わせていた中心街での御殿屋台の引き回しを行う方向で調整していることが23日、関係者への取材で分かった。中心街に屋台が集結するのは2019年以来、4年ぶりとなる。鈴木康友市長ら組織委の役員が24日に会合を開き、開催方法を正式に決める。 中心街の同市中区鍛冶町通り周辺で夜間に繰り広げる御殿屋台の引き回しは、昼の凧(たこ)揚げと並ぶ祭りの見せ場とされる。一般車両の通行を規制した道路に数十町の屋台が集結し、沿道は大勢の見物客で埋まる。 新型コロナ感染防止のため、祭
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記者コラム「清流」 「うさぎ山」を思う
小さなてんぐがちょこんとウサギにまたがる姿に、ほっこり。浜松市中区の鴨江アートセンターで、張り子作家坂田吉章さんの個展が開かれた。てんぐの子どものキャラクターと干支(えと)の動物をモチーフに毎年、作品を紹介している。今年は、昔会場近くの中山町にあった「うさぎ山」を題材に選んだという。 地名の由来には「山頂の小さな丘が雪ウサギのように見えた」との説と、「山でぴょんぴょんと遊ぶ子どもたちをウサギに見立てた」説があるそうだ。現在は崩されて住宅街になっている。中山町の浜松まつり凧(たこ)印に、ウサギの絵柄が描かれていた時期があったとも聞いた。 地域のシンボルとして愛されていた山なのだろう。張り子
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手作り大凧、空を舞う 浜松・西部中 クラスで息合わせ
浜松市中区の西部中は11日、全校生徒による恒例の凧(たこ)揚げ大会を南区の遠州灘海浜公園凧揚げ会場で開いた。地元の凧揚げ会の協力を受けて学級ごとに手作りした3帖の大凧が空を舞った。 生徒は凧糸を手に取ると勢いよく走り、「嵐」「蕾」などクラスごとにデザインを考えた大凧12枚を次々と空に放った。保護者も「親」と書き記した特製凧で参加した。ラッパや太鼓の音に合わせて「おいしょ、おいしょ」と声を掛け合った。 今年が25年目の恒例行事。浜松まつりの参加団体になぞらえて、生徒のリーダーでつくる「勢組(せいぐみ)」が中心になって凧作りを進めた。副組長の名倉うららさん(3年)は「最初はやる気に温度差があ
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凧揚げ会など訪問 地区の魅力探る 浜松・曳馬小児童
浜松市中区の曳馬小と曳馬協働センターはこのほど、曳馬地区の歴史や魅力を児童が探る企画「曳馬の自慢を見つけよう、曳馬のことを知ろう」を行った。3年生約100人が3班に分かれ、地元の神社や企業、浜松まつりの凧(たこ)揚げ会などを訪問し、担当者の話に耳を傾けた。 高林町公民館を訪ねた班は、凧揚げ会の長谷川智章副会長(48)らから町の屋台などについて説明を受けた。1986年に完成した屋台を見学し、くぎやねじを使用しない構造や、当時約4千万円かかったとされる製造費、「雷様」が掘られた装飾などについて理解を深めた。
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自転車型も ユニークな凧舞い上がれ 浜松市南区で愛好者ら交流
全国凧(たこ)揚げ浜松大会(浜松凧の会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が19日、浜松市南区の凧揚げ会場で始まった。全国の愛好者が凧揚げを通じて交流を深める。初日は自由凧揚げを行った。20日まで。 鳥やトンボの形、60メートルの長いしっぽがついたデザインなどユニークな凧が集まった。参加者は、遠州の青空に次々と凧を舞い上げ、仕上がり具合を最終確認した。 さいたま市から参加した井上義男さん(81)は“空中散歩”を楽しむ自転車凧を製作。「実際に風で車輪が回り、ペダルをこいでいる様子を表現することにこだわった」と話した。同会の内山富司会長(79)は「伝統文化の伝承や浜松まつ
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浜松まつりの歴史 浜松・入野小が勉強会 凧揚げ会、講師に招く
浜松市西区の入野小はこのほど、地元の凧(たこ)揚げ会関係者を同校に迎え、特別授業を開いた。3年生約75人が講話を通じ浜松まつりの歴史を学んだ。 飯尾哲示会長(72)ら6人が児童の疑問に答え、浜松まつりに参加する町の数や練りの文化、凧の作り方などを説明した。凧揚げの際に吹くラッパの音色も披露した。 青木瑠維君(9)は「知らないことばかりだった。いろいろな歴史があると勉強になった」と話した。 「入野町の自慢を伊豆下田まで発信しよう」をテーマにした総合学習の一環。同校は地域の神社や古墳、佐鳴湖のウナギについても調べ学習を進めている。学んだ成果は12月に、下田市の大賀茂小と浜崎小の児童にオンラ
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浜松の飯田町6自治会 30年使用屋台と“お別れ” 新調に伴い
浜松市南区飯田町の6自治会が15日夜、地域で30年以上親しまれてきた屋台の「お別れセレモニー」を同区のJAとぴあ浜松飯田支店駐車場で開いた。来年3月に新屋台が完成することに伴い、同日行われた稲荷神社の「秋の大祭」での引き回しで役目を終えた。 屋台は1990年に旧竜洋町(現磐田市)から購入した高さ3・3メートル、幅2・2メートル、奥行き3・9メートルの木造物。5月の浜松まつりと10月の秋の大祭の毎年2回、装飾を変えて引き回しを行い、地域のイベントには欠かせない存在となっていた。当時旧竜洋町から1時間かけて屋台を運んできた宮原正春さん(81)は「30年間ずっと見てきた。引退で寂しい気持ちだ」と
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浜松での3カ月 コラージュ作品に 中区で小林さん個展
埼玉県川口市の画家小林明日香さん(28)の作品展が28日まで、浜松市中区の鴨江アートセンターで開かれている。創作のために浜松で過ごした約3カ月間の生活や出会いを題材に、絵と写真のコラージュ作品など約30点を仕上げた。 芸術作家に制作場所を無償提供する同センターの事業「アーティスト・イン・レジデンス」の一環。布地に描いた絵に写真と木片を組み合わせて表した同市の名木「根上がり松」や、長さ約3メートルのデニム地に紙の切れ端を貼り付けた作品など、ユニークな手法が目を引く。浜松まつりの凧(たこ)印のマグネットや、同市のハザードマップを活用した芸術作品も見られる。 入場無料。開場は午前10時~午後9
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記者コラム「清流」 伝統のぶか凧
6月上旬、浜松市天竜区龍山町瀬尻地区のたこ揚げの風習「ぶか凧(たこ)」を取材した。コロナ禍がやや落ち着いた中で、ついに目にする機会に恵まれた。 会場は標高約450メートルの地点にある寺尾という集落。ぶか凧の大きな特徴は、山の斜面を吹き上げる風を使う点。住民は眼下を流れる天竜川の川面に立つ波や木々の揺れを見て、たこを揚げるタイミングを見極める。 一度空に舞ったたこが間近に落下した時は、3年前に浜松まつりのたこ場で目にした光景や熱気を思い出し、ふと懐かしさを覚えた。 たこが無事に風の軌道に乗り、「ぶーん」とうなりを響かせながら大空を悠々と舞う様は、伝統の再開を天に告げているようでもあった。
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音楽表現学会 浜松で全国大会 研究者ら150人集う
音楽表現を研究する団体「日本音楽表現学会」(京都市)は18日、第20回大会を浜松市中区の浜松学院大布橋キャンパスで開いた。全国の音楽研究者ら会員約150人が出席した。19日まで。 浜松まつり金折町(南区)ラッパ隊の磯部謙作さんの演奏で開会し、市楽器博物館(中区)前館長の嶋和彦さんが「楽器から考える音楽表現の持続可能性」をテーマに基調講演した。環境問題から伝統的な楽器の原料が激減していることに触れ、「文化にも生態系があるという認識を持ってほしい。便利さや効率と引き換えに失ったものは多い」などと訴えた。 県内での開催は2度目。大会は人間が追い求めてきた響き、工夫、理念と具体の未来を考える。
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GW人出483万人 静岡県内、本格回復ほど遠く
静岡経済研究所がまとめたゴールデンウイーク(4月29日~5月8日)の集客動向調査によると、県内観光レジャー施設や主要イベント(計254カ所)の人出は延べ483万人で、前年より22・5%増加した。新型コロナウイルス感染拡大後、3年ぶりに移動制限のない大型連休だったが、コロナ前の2019年と比べると人出は半数程度に落ち込んだままで、観光・レジャーの本格回復にほど遠い結果となった。 地域別では、首都圏からの観光客増加で東部が19年比24・6%減だったのに対し、西部は浜松まつり(浜松市)が12万3千人と大きく落ち込んだ影響で同70・3%減となり、明暗が分かれた。 期間中のイベントやレジャー施設で