断水と停電、キャンプで体験 富士宮・大岩3区 災害時の避難生活想定

 富士宮市の大岩3区は4、5の両日、避難生活を模した防災キャンプを同区区民館で実施した。能登半島地震では断水と停電による不便な避難生活が長期化したことを踏まえ、区民やその親戚ら8グループ17人が電気と水道を使わずに過ごした。

停電と断水を想定してキャンプする参加者=富士宮市の大岩3区区民館
停電と断水を想定してキャンプする参加者=富士宮市の大岩3区区民館


 それぞれ区民館広場にテントを広げて防災備蓄食を食べたほか、近くの井戸水を煮沸消毒して料理に使う体験も実施した。各自が持ち込んだ防災グッズを見せ合い、使い勝手など情報交換する姿があった。
 参加者には市販の携帯トイレのほか、ポリ袋とペットシート、凝固剤をまとめた代替セットが配られた。深夜帯は寝起きのぼんやりとした状態で、道具の使い方が分からず苦戦した。一方、「凝固剤を入れてからは容器を振らずに放置した方が固まりやすい」と、利用時の注意点を見つけた参加者もいた。
 キャンプでの学びは同区が報告書にまとめ、公開する予定。夏と冬にも行って暑さと寒さを体験する。松田壽久区長(70)は「被災した時は初めてのことばかりでうまくいかないだろう。慌てないように備える」と、取り組みの意図を話した。
 (富士宮支局・国本啓志郎)

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