「分かりやすい説明を」「市民感覚あるリーダー期待」 静岡の未来へ大学生座談会【静岡県知事選】

 15年ぶりに静岡県政のリーダーが交代する今回の知事選(9日告示、26日投開票)は若者の目にどう映っているのか。静岡新聞社・静岡放送はこのほど、若者投票率向上キャンペーン「決める、未来」の一環として、県東・中・西部の大学生を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館に招き、座談会を開いた。オンラインも含めた参加者5人は「県の役目や政策が見えにくい」とし、もっと分かりやすい説明が必要と指摘。市民感覚を持ち、一般の声に耳を傾ける知事の就任を期待した。

静岡県に期待する施策などを語り合う(左から)小長谷笙さん、植田勝也さん、白土優羽さん、赤松優さん=4月下旬、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館
静岡県に期待する施策などを語り合う(左から)小長谷笙さん、植田勝也さん、白土優羽さん、赤松優さん=4月下旬、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

 参加したのは静岡文化芸術大4年の植田勝也さん(21)=牧之原市=、県立大4年の白土優羽さん(21)=静岡市清水区=、日本大3年の赤松優さん(20)=函南町=、静岡大2年の小長谷笙さん(19)=県中部=、オンラインで参加した常葉大4年の鈴木幸子さん(21)=磐田市=の5人。全員が県内出身者で、それぞれ地元地域への愛着をにじませながら語り合った。
 若い世代の知事選への関心を尋ねると、川勝平太知事が職業差別と受け取れる発言で辞職に追い込まれたこと自体は「SNSなどで若者の目に届いているし認知度も高い」といった反応が目立った。だが「次の知事に誰がなるかということへの関心はあまり高くない」といい、投票率低迷を予想する声が多かった。
 ゼミで政治学を学ぶ小長谷さんは、気になる知事選の争点に浜松の新野球場計画を挙げ、「屋外型や多目的ドーム型など、どれになるのか興味がある。多額の税金が投じられるので議論に注目したい」と語った。
 一方、立候補予定者が県中・西部出身で占められているため、赤松さんは「東部の政策が忘れられないか」と懸念。東部への大学新設や、韮山反射炉(伊豆の国市)などの観光資源を活用した振興策を求めた。
 20~30年後の本県はどんなイメージか。ゼミで防災を学ぶ鈴木さんは「南海トラフ地震で荒廃しているかも」と想像し、津波浸水想定区域など避難が必要な場所に新規で住まないようにする施策などを提案した。
 次の知事にどんな人物がふさわしいかとの質問に、中山間地域の支援を行う植田さんは「県民の声に耳を傾けてくれることが第一。他者の批判や対立ではなくポジティブに取り組んでくれる人がいい」と願った。
 若者の政治への関心をいかに高めるかも課題だ。白土さんは「どんな問題も結局は教育に結びつく。『自分たちが社会を担っていくんだ』という意識を子どもに育んでほしい」と要望した。

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