記者コラム「清流」 旧態依然の選挙方法

 4月下旬に投開票が行われた伊豆市長選は同市誕生以来最低の投票率(42.63%)を記録した。これは市民の市政への関心の低下だけが理由ではないはずだ。
 投票所まで出向くのが原則とされているが、ネット投票の普及が進めば誰でも参加しやすくなる。「投票所に行きたくても行けない」という切実な声はもちろん、「行かなければと思うけど、ちょっと面倒」という隠れた声にも応えることができるだろう。
 無効票がなくなるメリットもある。人海戦術に支えられている自治体の選挙業務は、投票所や開票所の運営コストや、職員の負担の削減にもつながる。
 旧態依然の選挙方法を続ける国。休日や仕事の貴重な「時間」に選挙を組み込ませたいなら、優先すべきことがあるはずだ。
(大仁支局・小西龍也)

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