川根本町の茶農家訪問25年 東京・筑波大付属中が最後の修学旅行 教諭の“飛び込み”きっかけ

 筑波大付属中(東京都)の3年生が9日、「大井川流域の自然と産業」をテーマにした修学旅行の一環で川根本町内の茶農家を訪問し、製茶の工程やお茶の魅力を学んだ。同校は2000年から修学旅行で同町を訪れているが、今回の訪問が最後となる予定。

製茶の工程について学ぶ筑波大付属中の生徒=川根本町元藤川のこやぶ園
製茶の工程について学ぶ筑波大付属中の生徒=川根本町元藤川のこやぶ園

 事前学習で茶産業について学んだ約40人が、6人ずつの班に分かれて7農家を訪れた。茶製造直販の「こやぶ園」(同町元藤川)では荒茶を仕上げる作業を見学したほか、同園の小藪侃一郎さん(79)から同町の茶産業の歴史や文化について話を聞いた。
 小藪さんは「お茶は縁をつくる。一緒に飲むことで心のゆとりができ、良い関係性を築ける」と魅力を伝えた。同校の西垣輝さん(14)は「お茶づくりの苦労が分かった。家に帰ったらお茶の入れ方にこだわってみたい」と話した。
 茶産業について学ぶ機会をつくろうと考えていた同校の山口泰宏教諭(55)が同町に魅力を感じ、飛び込みでこやぶ園を訪れ依頼したことがきっかけだった。山口教諭は「地域の温かさを感じた25年間だった」と振り返った。
 (島田支局・白鳥壱暉)

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