レール上に土砂、倒木… 台風被害歩いて知る 大井川鉄道がツアー【動画あり】

 大井川鉄道(本社・島田市)は11日、不通区間の現状や全線再開の課題を知ってもらおうと、2022年9月の台風15号で被災した大井川本線の運休区間を歩いて見学する日帰りツアーを開いた。

土砂流入など台風15号で被災した区間を見学する参加者=大井川鉄道下泉-田野口間
土砂流入など台風15号で被災した区間を見学する参加者=大井川鉄道下泉-田野口間

 37人が参加し、土砂流入など被害が大きかった下泉ー田野口間3・6キロの線路上を歩いた。参加者はツアー名入りの特注ヘルメットをかぶり、レールや枕木が土砂で埋まったり、倒木が発生したりした箇所を見学しながら歩いた。案内した鉄道部計画課の竹上禄宏課長は「鉄道敷地外にある土砂発生場所の工事など根本的な対策をしなければ再び同様の被害が起きてしまう」と指摘した。
 さいたま市から参加した会社員原鉄夫さん(62)は「現地を見ることで広範囲に及ぶ被災状況を実感できた。多くの人に現状を知ってもらうことが大事で、運行している区間に乗って応援したい」と話した。
 大鉄は台風により全線で土砂流入などの被害を受け、現在も川根温泉笹間渡ー千頭間(19・5キロ)が運休している。運行再開に必要な費用約22億円のうち、大鉄が負担する8・4億円以上の財源をどう確保するかが課題になっている。
 (島田支局・寺田将人)

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