静岡空襲 日米犠牲者悼む 静岡・賤機山で合同慰霊祭

 太平洋戦争末期の1945年6月、静岡空襲で犠牲になった市民約2千人と、墜落死した米軍B29爆撃機の搭乗員23人を追悼する日米合同慰霊祭が19日、静岡市葵区の賤機山山頂で営まれた。遺族や自衛隊、在日米軍関係者ら約50人が参列し、平和への思いを確かめ合った。

慰霊碑に献酒するアンドリュー・J・キャンベル大佐(左)と菅野さん(右)=静岡市葵区の賤機山
慰霊碑に献酒するアンドリュー・J・キャンベル大佐(左)と菅野さん(右)=静岡市葵区の賤機山

 参列者は慰霊碑の前で手を合わせたり、米政府から贈られたハナミズキに献水したりして冥福を祈った。米兵の遺品である「黒焦げの水筒」を使って慰霊碑にバーボンウイスキーを注ぐ献酒も行った。
 昨年は新型コロナウイルスの影響で中止され、米軍を含めた合同開催は2年ぶり。主催者の同区の医師菅野寛也さん(88)は「多くの人から静岡の慰霊祭はコロナに負けないでと激励された。慰霊鎮魂の行事を行わずして平和はあり得ない」と語った。
 在日米軍横田基地の司令官アンドリュー・J・キャンベル大佐は、米兵の遺体を埋葬するなど敵味方の分け隔てなく弔った僧侶伊藤福松さん(故人)に感謝を述べ、「現在の日米関係は同志、友人として誇らしく感じる」と話した。
 (社会部・崎山美穂)

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