熱海復興「消費」で応援! 静岡県立大生、お土産セット企画販売

 大規模土石流災害とコロナ禍の影響で疲弊する熱海市の土産物業者を支援しようと、静岡県立大生有志で結成した「あたみやげ おつかいし隊」が奮闘している。学生の視点で選んだ熱海土産の詰め合わせを用意し、第1弾として100セット以上を販売した。「募金」ではなく「消費」で熱海を元気づけようと取り組む。

お土産セットを注文者に手渡す「あたみやげ おつかいし隊」のメンバー(右の2人)=9月29日、静岡市駿河区の県立大草薙キャンパス
お土産セットを注文者に手渡す「あたみやげ おつかいし隊」のメンバー(右の2人)=9月29日、静岡市駿河区の県立大草薙キャンパス
4種類の銘菓をそろえた「ファミリープラン」
4種類の銘菓をそろえた「ファミリープラン」
お土産セットを注文者に手渡す「あたみやげ おつかいし隊」のメンバー(右の2人)=9月29日、静岡市駿河区の県立大草薙キャンパス
4種類の銘菓をそろえた「ファミリープラン」

 学生有志が取り組んだのは、県内の企業や個人から注文を取った上で商品購入を代行する“お使い”。お土産セットには、熱海の様子を伝える学生手づくりの新聞「月刊あたみやげ便り」を同封した。
 注文は同隊の専用サイトを使ったり、知人から紹介を受けた企業に営業したりして受け付けた。土産物業者の協力で、商品は通常の小売価格より安く仕入れて配送費などの必要経費を捻出。9月下旬に同大構内で梱包(こんぽう)作業を行い、115セットを発送した。
 活動のきっかけは、学生らが7月、災害義援金を手渡しに同市を訪れ、市職員から地元土産物業者の苦境を聞いたこと。市観光協会や商工会議所、土産物店などの協力で、経営情報学部3年の大石麟太郎代表(23)=浜松市=を中心に学生15人が同隊を結成した。
 新型コロナウイルス禍のため、メンバーはオンラインで19品目の試食を重ね、6パターンのお土産セットを考案した。「贅沢(ぜいたく)朝食セット」は熱海名物の干物が中心。4種類の銘菓をそろえた家族向けの「ファミリープラン」、大人気の温泉まんじゅうを集めた「饅頭(まんじゅう)食べ比べセット」なども用意し、学内では県大限定プランを販売した。
 同封した新聞は同隊の女子メンバー4人が制作した。A4判の両面印刷で、同隊の取り組みや活動を紹介。県大カラーのオレンジと緑色を基調に柔らかいフォントや顔文字を用いて学生らしさを表現した。
 販売価格は1セット2112~4628円。大石代表は「少しでも困っている人の役に立てたらうれしい。活動を通じて熱海市に興味を持ってもらえれば」と力を込めた。

 ■第2弾も調整中
 「あたみやげ おつかいし隊」への注文は現在、受け付けていないが、商品プランや販売方法を変更するなどして第2弾を調整中。活動の様子は公式ツイッター、インスタグラム、フェイスブックで確認できる。問い合わせは同隊<メールatamiyage@gmail.com><ツイッター@atamiyage>へ。

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