記者コラム「清流」 地域の水族館の快挙

 「深海魚の聖地」とも呼ばれる沼津市にある伊豆・三津シーパラダイスで、深海にすむメンダコがふ化した。全長約1センチながら、成体と同じように平べったい形の赤ちゃんに思わず頰が緩んだ。
 国内3例目の快挙の裏には、飼育員の努力に加え立役者が“もう一人”。食堂を改装して7月にオープンした「みとしーラボ」の冷凍庫だ。かつて食材を保存していた冷凍庫を再活用し、水温の安定に役立てた。
 沼津に来たら真っ先に訪れたかった水族館。1977年に開館し、ロゴマークもレトロな雰囲気が漂う。長く子どもたちに親しまれている歴史を感じた。担当者の「目の前の駿河湾は宝の山」という言葉が頼もしい。これからも地域の水族館として活躍に期待したい。
 

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