おかえりなさい 熱海・伊豆山小再開 土石流発生から4カ月ぶり
熱海市伊豆山の大規模土石流の被災地を校区に含む伊豆山小(児童53人)は1日、約4カ月ぶりに同校での教育活動を再開した。児童は慣れ親しんだ学びやで授業を受けられる喜びをかみしめながら、学校生活の新たなスタートを切った。
「おかえりなさい」。玄関前で地域住民が温かく出迎える中、元気なあいさつの声が響いた。「学校再開の会」と題した全校集会で、国原尋美校長は「皆さんは地域の宝物であり、伊豆山の希望。これから復興に向かう地域に元気を与える存在になってほしい」と語り掛けた。全員で校歌を斉唱し、「チーム伊豆山」として力強く前進する決意を新たにした。
伊豆山小は7月3日の土石流の影響で通学路が寸断され、夏休み前は市内2カ所に分散して授業を実施した。2学期からは約7キロ離れた隣の泉小に通い、2学年で一つの空き教室を使うなど窮屈な学校生活を送ってきた。
4、5日に修学旅行を控えている6年生の女子児童(11)は「伊豆山小で卒業式などいろいろな行事ができるので楽しみ。教室に入って、とても懐かしい感じがした」と語った。2年生の男子児童(8)も「伊豆山小に戻ってこられてうれしい。学校でみんなといっぱい遊びたい」と笑顔を見せた。
同校では自宅が被災したため校区外から通う児童もいる。市教委はスクールカウンセラーを配置するなどして心のケアを続ける。