熱海・伊豆山小にエールの花 長野、山梨の生産者がビオラ届ける

 大規模土石流の被災地が校区に含まれる熱海市の伊豆山小に9日、長野、山梨の両県の花生産者でつくる「八ケ岳グリーンネットワーク」から大量のビオラの花が届いた。同校での教育活動は約4カ月ぶりに再開されたばかり。これまで彩りを失っていた花壇がみるみるよみがえっていく様子に、児童や教職員たちは復興への活力をもらった。

児童に花の紹介をする八ケ岳グリーンネットワークの南條登代表(右)=9日午前、熱海市の伊豆山小
児童に花の紹介をする八ケ岳グリーンネットワークの南條登代表(右)=9日午前、熱海市の伊豆山小

 同ネットワークは東日本大震災の被災地などに毎年1万鉢の花を贈っている。「土石流で傷ついた伊豆山の力になりたい」との申し出に、地元のボランティア団体「テンカラセン」が伊豆山小への植栽を提案した。
 ビオラがずらりと植えられたプランター30個と苗200鉢がトラックから降ろされると、児童は「きれい」「いいにおい」と歓声を上げた。両団体のメンバーは早速、花壇に苗を植え、児童たちにもプレゼントした。1年生の中田路之介君は「大事に育てます」と目を輝かせた。
 7月の土石流の発災前まで、同校の校庭の花壇には児童らが育てた草花や野菜が数多く植えられていたが、多くは休校中に枯れ果てていた。国原尋美校長は「さみしかった学校に“生気”が戻った」と感慨深げに語った。
 同ネットワークは来年6月にも再度、同校に花を届ける予定。南條登代表(62)は「発災直後の被災地は多くのボランティアなどが入るが、いったん落ち着くと一気にさびしくなる。だからこそ、花の力で長く現地を応援したい」と言葉に力を込めた。自身も被災しながら住民支援を続けているテンカラセンの高橋一美代表(45)は「子どもたちの喜ぶ姿にパワーをもらった」と話し、復旧復興への思いを新たにした。

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