記者コラム「清流」 地域の歴史 地元の手で

 沼津市は歌舞伎「伊賀越道中双六」の舞台の一つ。同市平町にある「平作地蔵」は登場人物の雲助平作にちなむとされる。このほど、その平作地蔵の紹介看板が新しくなった。設置した同市の世古真一さんは「地域の歴史をもっと地元の人に知ってほしい」と看板の製作に奔走したという。
 同市大岡のフランス料理店「ヌーヴォサンス」のロゴマークには「Heisaku」の文字がある。かつて「平作」の名を借りて営んだ料亭「平作茶屋」の名残とされる。
 地蔵やロゴマークに残る地域にとって大切な歴史。地方の人口流出が叫ばれる中、地域を知ることは地元愛の醸成につながるだろう。地元民の手で良さを掘り出し、PRすることは解決のヒントになるかもしれない。
 (東部総局・山本萌絵佳)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞