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人と人がつながる場所をつくり出す 草薙マルシェと、草薙川で発見された ナウマンゾウの切歯を取材した。

草薙マルシェ

写真上:実行委員のメンバー

毎月最終日曜日に、草薙茄兵衛の駐車場で開催されている『草薙マルシェ』。2013年にスタートし、去年10周年を迎えた。人が集まる場所をつくり、そこで交流が生まれることが地域の活性化につながるという思いからこのマルシェは始まったという。

「『人と人がつながるコミュニティースペース』というコンセプトを大切にしながら今までやってきて、これからもそこは変わらず大切にしていきたい」と実行委員の大畑さんは話す。始めは大畑さん一人だった実行委員も、その思いを大事にしながら行ってきたことで自然と仲間が集まってきたそうだ。

出店している店は、飲食から草薙で野菜を作っている人など様々で、10~15店ほどが立ち並ぶ。どの人も草薙マルシェの雰囲気や草薙が好きで、この場所でやりたいと思う人ばかり。出店者同士やお客さん同士の交流も多いそうで、コミュニティースペースというのもうなずける。大学が近いこともあり、月替わりでいろいろな学生グループが出店しているのも特徴だ。

「小さくとも続けてきたことで、自然と人の輪が広がっている。日常の一つの交流の場として、話に来るだけでも大丈夫。散歩気分で足を運んでほしい」と大畑さん。幅広い世代や価値観の人が自然とつながり、地域の人たちのコミュニティが活発化することで活力のある魅力あふれるエリアになることを目指すマルシェ。気になった方は、まずは気軽に遊びに行ってみてはいかがだろうか。

<DATA>
■草薙マルシェ
日時:毎月最終日曜日 8:00~11:00  
会場:草薙茄兵衛駐車場
住所:静岡市清水区草薙1-26-1

ナウマンゾウの切歯

1.横山さん(左)と宮澤さん(右)、発掘現場の再現模型(制作中)の前にて。2.発掘当時の様子。3.発掘されたナウマンゾウの切歯

2019年5月25日に草薙川上流にて、ナウマンゾウの切歯の化石がほぼ完全な形で発見された。切歯の内部は、木の年輪のような層になっており欠けて流出しやすく、全体が残っていることが珍しいという。さらに、発見されたのは約13万年前の地層で、この時代は寒冷な気候に変化しナウマンゾウの個体が少なくなった時でもあるため、全国でも静岡県と千葉県でしか化石は見つかっていない。

発見したのは、NPO法人静岡県自然史博物館ネットワーク会員の宮澤市郎さん。日本平周辺からは過去にも、ナウマンゾウの臼歯などが見つかっており、宮澤さんは2016年からこのエリアで化石を探してきた。その日は、貝の化石を探していたところで、偶然発見したそうだ。

「化石と聞くと硬いと思われるが、出土した時点では水分を含み柔らかいものが多い。そのため慎重に作業しないと破損してしまうんです」と宮澤さん。

発掘作業は同会員の横山さんと協力し、2週間かかったそうだ。破損を防ぐため周囲の土ごと掘り出す必要があり、掘り出した時の重量は100kg以上あったという。加えて、周囲に重機が入れなかったため、運び出すのも困難を極めた。最終的には、やむなく9つに切断することでようやく運び出すことができたそうだ。その後、半年に及ぶクリーニング作業を終えようやく発見の報告に至った。

現在は、春からふじのくに地球環境史ミュージアムにて展示を行うため、発掘現場を再現した模型を作成している宮澤さんたち。「どんな場所から出てきたのかを知ってもらうことで、発見の苦労と面白さを知ってもらいたい」と最後に話してくれた。

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