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実はこんなにたくさんのアニメに登場していた!現実ではなかなか出会えない一輪バイク“モノサイクル”


SBSラジオ「TOROアニメーション総研」のイチオシコーナー、人気アニメ評論家の藤津さんが語る『藤津亮太のアニメラボ』。今回の放送で特集した「アニメに出てくる乗り物」にあわせ、珍しい乗り物として一輪バイク(モノサイクル)についてお話を伺いました。※以下語り、藤津亮太さん

現実ではなかなか出会えない乗り物をフィーチャー!

アニメっぽい変わった乗り物としてよく名前が挙がるものに、手塚治虫氏原作の『W3(ワンダースリー)』(1965年)に登場した乗り物があります。

『W3』は、宇宙からやってきた地球の監視員が動物の姿に化けているというお話なのですが、彼らはビッグローリーという大きなタイヤ型の乗り物に乗って移動するんです。形は巨大なタイヤ。真ん中にカプセル状のコックピットがあって、タイヤがそのまま転がっているという形状です。当時の子どもの憧れの乗り物で、子どもたちは公園に置いてあるタイヤの中に乗って、その気分を味わっていたようです。

この乗り物、SF的にアレンジはされていますが、広く一輪バイク(モノサイクル)と呼ばれる乗り物に含まれます。このモノサイクルといわれる一輪の乗り物は人類の憧れのようで、昔からいろいろ作っている人がいます。今もアメリカなどで、実際に作って乗っている人が動画をアップしていたりします。

モノサイクルは大きく2種類があって、大きな輪っかの中に乗るタイプと小さな車輪の上に乗るタイプがあります。『W3』は大きな輪っかの中に乗るタイプですね。

ほかにも同じタイプだと大友克洋監督の『スチームボーイ』(2004年)で、主人公のレイが蒸気で動くモノサイクルに乗って、SLと追いかけっこするという場面があります。2016年には、奥浩哉氏原作の『GANTZ:O』もありました。メインキャラクターの玄野がGANTZバイクというモノサイクルに乗って、渋谷のスクランブル交差点に現れます。このほかの作品にも出てきますが、見た目のインパクトが強いせいか、発明家の作品などが多い印象です。

一方、小さな車輪の上に乗るタイプでは、『ドラゴンボール』のオープニングでランチというキャラクターが1輪バイクに乗っています。小さな1輪の上に箱状のシートがあって、長いハンドルが付いているというデザインです。車輪というのは、基本的に回転していると、倒れない方向に力が働くので、一輪車が成立するようにできています。1982年の『戦闘メカ ザブングル』にも作中で主人公たちが身近に使う簡単な乗り物として一輪バイクが出てきています。

小さな車輪の上に乗るタイプだとほかに、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインを担当した安彦良和氏が自身の漫画を監督としてアニメ化した1989年の『ヴイナス戦記』というアニメ映画にも出てきます。まず、バイクでバトルをやるチームに主人公が入っていて、そこで彼が一輪バイクに乗っています。また、ハウンドといわれる一輪の戦闘バイクも出てきます。『ヴイナス戦記』は一輪をフィーチャーしたアニメでした。

自転車やバイクは2輪が基本なので、バイク系の乗り物だとタイヤは2つあるいは4つだと思いがちですが、奇数も面白いですよね。ということで面白い乗り物としてモノサイクルを取り上げてみました。

SBSラジオTOROアニメーション総研(毎週月曜日19:00~20:30 生放送・毎週日曜日15:00~16:30 再放送)全国のアニメ好きが集まるラジオの社交場。ニッポンのアニメ文化・経済をキュレーションするラジオ番組。番組公式X(旧Twitter) もぜひチェックを!

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