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【〝温暖県〟静岡のスキー場】「日本で最も早くオープン」、富士山が見える眺望、アクセスの良さ…魅力十分!営業の裏には夜通し造雪する苦労も…

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「〝温暖県〟静岡のスキー場」です。先生役は静岡新聞の山本淳樹生活報道部長が務めます。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」 2024年2月1日放送)
 
 (山田)今日は静岡県内のスキー場の話です。

(山本)冬のアウトドアって何かなと考えたときに、やっぱりスキーやスノーボードが代表格だと思っています。

(山田)雪が降らないまちと言われつつ、スキー場は、ありますもんね。

(山本)改めて見ると、静岡県内には2カ所のスキー場があります。一つは裾野市の「スノーパークイエティ」、もう一つが静岡市葵区の井川にある市営の「リバウェル井川スキー場」ですね。

(山田)僕、どちらも思い入れがあるスキー場です。県内ってこの二つしかないんですね。

(山本)もう少し遡ると、昔は御殿場市にもスキー場があったという話も聞きますが、30年以上前に閉場しています。いわゆるスキー場として運営しているところは、県内にはこの二つの他にないですね。温暖な県で、スキー場の数だけ見ても静岡県がいかに雪が少ないかがわかるかなと思います。

迫力の富士山を楽しめる素晴らしい環境

(山田)イエティは確か、全国で一番最初にオープンすることでおなじみですよね。

(山本)今シーズンも10月20日にオープンしました。日本一早いことを売りにしていて、毎年、東部にいる同僚記者が初日に取材に行って、「スキーが始まった」という記事を新聞に載せています。

イエティは裾野市の富士山麓にあります。静岡新聞1月31日付の「しずおかアウトドアファン」に写真を載せましたが、富士山が本当に迫るように感じられ、素晴らしい環境の中にあるスキー場です。

県東部にあるので、首都圏からもたくさん滑りに来ているようですね。今年取材に行った記者は、外国人の観光客らしき方々たちがすごく目立ったと話していました。

(山田)ましてや、富士山を目の前に見ながらというのは海外の方からすると。

(山本)そうですね。あの辺りの観光も人気がありますし、富士山で滑るということが、実は国境を越えて流行っているのかもしれません。

静岡市内にある、身近なスキー場

(山本)もう一つのリバウェル井川は、静岡市内で一番北部に位置する町の、山の上にあるスキー場です。

(山田)小学生のときは、毎年、父親に連れてってもらって、シーズン中は本当に毎週のように行ってました。でもそれ以来行けていない。

(山本)リバウェル井川は、平成初めの1989年にオープンしたそうです。それほど規模は大きくないですが、市営スキー場です。以前は牧場などがあった場所で、標高1400~1450メートルくらいの小高いところです。その山の頂上から両脇に1本ずつゲレンデが作られていて、滑り降りるような感じなんですが、ゲレンデはこの2本しかありません。一方がスキーやスノーボードを楽しめるスキーゲレンデで、300mぐらいの長さです。一般のスキー場と比べると短いですね。逆側には、50mぐらいのそり専用で遊べるようなゲレンデがあります。

そもそも、静岡というと、雪がない温暖なところということで全国的にも有名ですが、そこになぜスキー場を作ったのかというところが気になります。

一つは、おそらく地域振興のためかと思います。井川地域はかなり北限で、中心街から行くにも少し離れたところで、1時間半ぐらい車でかかります。そこに地域振興ということで何かを作ろうと開発したと思われます。もう一つの理由としては、当時、スキー人口は、かなりピークに近かったということがあります。ある調査では、ピークだったのは1993年の平成の初めごろですが、延べ1860万人の人がスキーやスノーボードを楽しんだということです。

(山田)ちなみに山本さんは…?

(山本)もうほとんどやらないんですが、私が学生だった頃は、年に1回はスキーに行くかというような感じで、行っていました。

今はというと、2020年のスキー人口は430万人ということで、4分の1ぐらいに減ってしまっています。

周りの若い記者にも聞いたところ、「行ったことない」という人がいましたね。昔は通過儀礼のような感じで、当たり前に皆スキーに行っていたと思います。親がすごくスキー好きであれば、当然連れられて行ったことがある人もいるでしょう。今は、行く人と行かない人が二極化してるんじゃないかと思います。

(山田)分かれているっていうことですね。僕も、もう数年行ってないですからね。

夜通しの作業で雪を造る努力があった!

(山本)静岡県内のスキー場なので、常時積雪がすごくあるわけではなく、今回取材して初めてその苦労を知りました。

雪を一生懸命造って、オープンを待つのです。人工降雪機を使って造雪するには一定の条件があるんですが、水と空気を混ぜたものを霧のように散布すると自動的に雪になります。

(山田)へえー。

(山本)まず氷点下に下がらないといけない上に、湿度も一定程度まで下がらないと、きれいな雪にならないということで、リバウェル井川ではこの準備を12月からやっていました。

(山田)今年、大変だったんじゃないですか。

(山本)本来は12月の半ばにオープン予定だったんですが、今季は雪が間に合わず、最初は1月13日にオープンを延期したんです。やっぱりそれでも間に合わず、結局1月の20日にずれ込んだということです。暖冬傾向にあるので、今年に限らず近年はずれ込んでいます。

イエティでも、一生懸命雪を造って、10月からずっと維持しているんだと思います。昼間は営業しているので、夜通しで作業するということで、そういう苦労に支えられて営業しているんだなということに今回初めて気がつきました。

(山田)行かなきゃダメですね。

(山本)そうです。1月20日のリバウェル井川のオープンのときに取材に行ったんですが、この日は恵まれていて、大雪でした。

眺望は最高!日帰りでリーズナブルに楽しめる


(山本)リバウェル井川スキー場の良さというと、一番は眺望なんですね。冬のシーズン前にちょっと伺ったことがあるんですけど、南アルプスや富士山、伊豆半島まで見渡せるような山の上にあって、晴れているとすごく美しい景色が見える素晴らしいスキー場です。

なおかつ、普通のスキー場だとたくさんコースがあり、距離も長いので、子どもが勝手に行ってしまう心配から大人はゆっくり滑れないということがあると聞きます。ここは、逆に狭いことを売りにしていて、目の届く範囲で子どもにも遊んでもらうことができます。

(山田)あとレベルによりますけども、めちゃくちゃうまくて速い人は、そんなにいないじゃないですか。初心者の方やファミリーで来る方も多いから、行ったら楽しそうですね。

(山本)面白いと思います。特に初めての子どもと一緒に行くには、もってこいのところなんじゃないかなと思います。

ウィンタースポーツが敬遠される理由に、お金がかかるレジャーだということがあります。スキーの道具やウェアを買い替えるとさらに負担は大きくなります。余裕がなければできないと思うかもしれませんが、リバウェル井川だと駐車場は無料で、リフト券も大人1040円で乗り放題です。「スキーはお金がかかる」というハードルが低い所なんじゃないかなと思います。道具やウェアのレンタルも現地でできます。

(山田)静岡市街地からどれぐらいで行けるんですか。

(山本)私が行ったところ、静岡市の街中から車で1時間40分ぐらいかかりました。途中で山道がありますが、そこさえ気をつければ日帰りで行くことができ、「穴場のスキー場が近くにある」と感じています。

(山田)次はスキーを滑った山本さんの記事を読んでみたいです。ありがとうございました。今日の勉強はこれでおしまい!
シズサカ シズサカ

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