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島田発「愛するあなたへの悪口コンテスト」入賞作品が決定‼全国から寄せられた3950点の頂点に輝いたのは?

最年少10歳から最高齢98歳まで。3950点の頂点に輝いたのは…こちら!


こんにちは。静岡新聞社出版部のマッサンこと増田です。このコーナーで以前お知らせした直木賞作家、村松友視さん=静岡市清水区出身=が審査委員長を務める「第20回愛するあなたへの悪口コンテスト」(静岡新聞社・静岡放送など後援)の入賞作品が決まりました!

「妄想と解読という袋小路に迷い込む楽しみを与えてくれた」と村松友視さん

国内外から寄せられた3,950点(最年少10歳〜最高齢98歳)から、大賞を含む14作品が受賞。大賞にはペンネーム、ルークさん(八王子市)の作品「11月なのに夏日だった 夫が私の服を褒めた 何かが狂ってる」が選ばれ、賞金5万円が贈られました。

このほど開催された表彰式で村松さんは大賞作品について「これまでの大傑作とはまた一つ違って、非常に読み取りがいのある作品。妄想と解読という袋小路に迷い込む楽しみを与えてくれた」と称えました。

表彰式で講評を述べる審査委員長の村松友視さん

【村松友視さんの選評】(一部抜粋) 

何よりも「11月の夏日」と「夫が自分の服を褒めた」という、二つの次元の違う異変を畳み掛けるように放っておいて、それを「何かが狂っている」という巨大な想念に落とし込んだ、あるいは昇華させた、リズム感の鮮やかさにうっとりとさせられた。いやいや、この新しいスタイルの傑作には、限りない解読をそそのかされてしまうのであります。

「準大賞」「島田市長賞」など入賞作は力作ぞろい

島田発「愛するあなたへの悪口コンテスト」とは?

御陣屋稲荷神社

ここで改めて、島田市で生まれて全国規模に育っている「愛するあなたへの悪口コンテスト」についておさらいです。同イベントは、島田市柳町の御陣屋稲荷神社(別名:悪口稲荷)に伝わる悪口(風刺)の慣行に習ったものです。地元商店街が中心となり、2004年(平成16年)度から開催されてきました。

TBSドラマ「カミさんの悪口」が繋いだご縁

審査委員長の村松友視さんと言えば、ご存じのように1990年代の大ヒットドラマ「カミさんの悪口」(TBSテレビ・東芝日曜劇場)の原作者。いわば元祖「愛ある悪口」ともいうべき方なのです。ドラマでは主人公の田村正和さんら中年トリオがぶつけ合う妻の悪口や、妻役の篠ひろ子さんとの間で繰り広げる熟年夫婦の絶妙の掛け合い、さらには怒りと愛情にユーモアが入り混じった夫婦ゲンカが小気味よく、当時のカップルや夫婦の共感を集めました。ご記憶の方も多いと思います。

1987年の「サントリーオールド」のCMコピーでも、村松さんの『ワンフィンガーでやるも良し。ツーフィンガーでやるも良し。』の名ゼリフが新語・流行語大賞(流行語部門大衆賞)を受賞するなど、マルチな才能を見せ、今も村松さんのファンだという方も多いのではないでしょうか。実は私もその一人です。

そんな村松さんが審査委員長を務める「愛するあなたへの悪口コンテスト」に寄せられる作品は、「愛ある悪口」をテーマに、秀逸な作品ばかり。いつの時代も変わらぬ男と女、夫婦、恋人、さらには親子や友人との関係を巧みに表現しています。特に今回は「20年を経てコンクール自体が刻々、成長、熟成、進化したという印象を受けた」と村松さんも絶賛していました。

 

審査委員長の村松友視さん(中央左)と入賞者

コンテストが20回目を迎えたことについて、第1回から実行委員会をまとめる茨猛さんは「作品はいずれも短い文章だが、影響力や存在感は大きいものがある。島田発全国行のイベントにするため、21回目を目指します」と意気軒高です。

節目を記念し傑作作品集を制作中

ちなみに、ここで重要なお知らせです!今回の第20回大会を記念し今年の夏、「愛するあなたへの悪口コンテスト」の傑作作品集が静岡新聞社から出版されます。歴代大賞作をはじめ、入賞作品を一挙収録。村松先生の書き下ろしエッセイも掲載します。哀愁の中に笑いあり。痛快な作品の数々と村松先生のエッセイをぜひお楽しみに!

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