特定帰還居住区域で初除染 福島、大熊町と双葉町

 東京電力福島第1原発事故で福島県内7市町村に残る帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)に続いて避難解除を目指す大熊、双葉両町の特定帰還居住区域で20日、環境省が放射線量を下げるための除染作業を開始し、現場を報道陣に公開した。特定帰還居住区域の除染は初めて。

報道陣に公開された、福島県大熊町の特定帰還居住区域で始まった除染作業=20日午前
報道陣に公開された、福島県大熊町の特定帰還居住区域で始まった除染作業=20日午前

 同区域は改正福島復興再生特別措置法で新設され、復興拠点と同じく国が除染を担う。大熊町下野上1区の一部約60ヘクタール、双葉町下長塚、三字両行政区のそれぞれ一部計約50ヘクタールが9月、先行して区域に設定された。
 20日、大熊町の農地では作業員が人の背丈以上に伸びた枯れ草を刈り、パワーショベルで表土を剥ぎ取っていた。双葉町では家屋解体を前に廃棄する布団やおもちゃなどの家財道具を搬出した。
 帰還困難区域では、県内全ての復興拠点の避難解除が11月に完了。国は拠点外にも2020年代中に希望者全員が戻れるようにする方針で、各自治体は住民の帰還意向に基づき復興再生計画を作り、国に特定帰還居住区域の追加を求めていく。

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