プレ葉ウォーク浜北 大改装、直営面積拡大 商業施設間競争、一層激しく【解説・主張しずおか】

 総合スーパーのユニー(愛知県稲沢市)が11月、浜松市浜北区で運営する商業施設「プレ葉ウォーク浜北」を大規模改装した。直営の売り場面積を従来比2割増の約1万2900平方メートルに拡大した。人口が増加傾向の同区周辺には競合店がひしめく。プレ葉の改装により、商圏内の競争は一層激化しそうだ。

改装したプレ葉ウォーク浜北。直営の売り場面積を拡大した=11月中旬、浜松市浜北区
改装したプレ葉ウォーク浜北。直営の売り場面積を拡大した=11月中旬、浜松市浜北区

 プレ葉は2008年、約150店で構成する施設としてオープンした。今回の改装で、1階は生鮮4品(青果・鮮魚、精肉・総菜)を中心に食料品を1割増強。人気のアウトドアブランドを展開する「グリーンステージ」や、韓国コスメを新たに取り扱う化粧品の「ビューティーテラス」なども導入した。持ち家があり、趣味などに敏感な「ニューファミリー層」に訴求したい考えだ。
 プレ葉は区役所や遠州鉄道駅が集まる浜北区内中心部に位置し、周辺の宅地の売れ行きも好調。同区染地台は「土地が売りに出されれば、すぐに取引が成立する」(区内の不動産関係者)状況で、商機は十分だといえる。
 2階は店の配置を見直した。若い家族層に向けては直営の「クラデントイズ」を設置。玩具や学童雑貨を取り扱う店の規模としては浜松地域最大級だという。同区の小学校の中には児童数が千人超のマンモス校もある。売り場は行列ができる盛況ぶりを見せている。
 ただ、周辺の競争環境は厳しい。区内には映画館を備えたサンストリート浜北があり、隣接する東区にはイオンモール浜松市野や会員制スーパーのコストコホールセール浜松倉庫店が建つ。磐田市のららぽーと磐田も浜北区民や近隣住民にとっては買い物圏。こうした激戦区で生き残るには、他店との違いを出すことが不可欠だ。
 そのためプレ葉が今回の改装で取り入れた工夫の一つが直営売り場の増強。担当者によると、直営面積の拡大は売り場の空床というモール型施設が抱える問題を回避する狙いもある。この直営化で施設全体の店舗数は改装前より10ほど減った。
 プレ葉の丹羽隆夫支配人は「今後は買い物の楽しさをより重視する」と語る。1年後の売上高は18%増を目指すという。
 店同士の競争の激化は消費者にとって、選択肢の広がりを意味する。プレ葉や競合店が魅力的な買い物体験を提供することで、新型コロナウイルス禍で冷え込んだ消費の回復と地域全体のにぎわい創出につなげたい。

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