熱海・伊豆山にカフェ「あいぞめ珈琲店」開店 地域の交流、再生への一歩

 大規模土石流に襲われた熱海市伊豆山に15日、住民同士の心をつなぐコミュニティーカフェ「あいぞめ珈琲店」がオープンした。運営する地元ボランティア団体「テンカラセン」の高橋一美代表(45)は「誰でも気軽に立ち寄れる友達の家のような場所にしたい」と話し、多くの人の交流により地域を再生させたいとしている。

来店した住民と交流する高橋一美代表(手前右)=15日午後、熱海市伊豆山のあいぞめ珈琲店
来店した住民と交流する高橋一美代表(手前右)=15日午後、熱海市伊豆山のあいぞめ珈琲店

 カフェは住民はもちろん、観光客など伊豆山を応援する人たちの交流拠点。コーヒーやフレンチトーストなどを提供するほか、購入した人が他の客に贈る「つながるチケット」(1枚500円)を販売する。チケットは店内で使える金券。利用者がお礼のメッセージを裏に書き込み、店内に掲示することで、人と人のつながりを実感できる仕掛けだ。
 高齢化が著しい伊豆山地区は、土石流災害に伴い多くの被災者が市内外の応急仮設住宅に移った。伊豆山で生活している住民も、近所の人と顔を合わせる機会が減り、寂しさを感じている。初日に来店した伊豆山に住む荒木道夫さん(75)は「気軽に集まれる場所ができてうれしい。早く元の伊豆山に戻ってほしい」と切望した。
 高橋代表は「励ましや感謝などさまざまな思いがここに集まることで、ばらばらになった地域がまた一つになれば」と、伊豆山の未来に思いをはせた。

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