記者コラム「清流」 商店街のにぎわい

 浜松市中区の浜松駅南にあるサザンクロスは、かつて浜松を代表する商店街だった。今はシャッター通りとなり、寂れた印象だが、週末のイベント「朝市」「ほしの市」は多彩な露店と客で驚くほど混雑する。にぎわいの理由が気になり、最近通い始めた。
 朝市は店主らが地域の出店者を募って20年以上続けてきた。新型コロナの影響で長期中断を強いられ廃止も検討したが、愛着を抱く多くの出店者や客に押されて復活した。6月には空き店舗でチョコ店が開業。イベントに出店していた女性が商店街の人々の思いに共鳴したそうだ。
 街の雰囲気や人情を感じながら買い物したい。サザンクロスはそんな思いに応える貴重な場。長かったコロナ自粛が、その価値に気づかせてくれているのかもしれない。
 (浜松総局・宮坂武司)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞