記者コラム「清流」 「黒板とキッチン」閉店

 浜松市の中心街、ゆりの木通り商店街にあったコミュニティースペース「黒板とキッチン」が7月末で閉店した。8年前のオープン以来、複数の先輩記者が取材を続けてきた場所だ。幕引きを取材し、感慨深い気持ちになった。
 スタッフの学生や何年も携わってきた人から話を聞き、必ず出てきたのが昨夏に亡くなった鈴木基生さんの名前。黒板とキッチンが入居していた万年橋パークビルの管理会社社長で、商店街の活性化を目指し、多くの人と結び付きながら活動したそうだ。
 「うれしそうな表情で、人が集まる様子を眺めていた」と関係者の1人は振り返る。私は一度も会えなかったが、人々の記憶に残る基生さんと話してみたかった。改めて、これからの出会い一つ一つを大切にしようと決めた。
 (浜松総局・日比野都麦)

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