洋画家中西繁さん「廃墟と再生」展 9月4日まで伊豆の国

 洋画家中西繁さん(76)=神奈川県鎌倉市=の作品展「廃墟と再生in伊豆の国」(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が4日まで、伊豆の国市古奈のアクシスかつらぎで開かれている。戦争や災害によって破壊されたまちを描く中西さんはロシアのウクライナ侵攻に触れ「平和が一番。戦争について全世界で考えないといけない」と話す。

作品を紹介する中西さん(左)=伊豆の国市のアクシスかつらぎ
作品を紹介する中西さん(左)=伊豆の国市のアクシスかつらぎ

 中西さんは1995年の阪神淡路大震災を機に世界各国の廃虚を描き始めた。「廃墟と再生」展は全国各地で実施し、2015年には米国ニューヨークで開催した。中西さんが伊豆の国市内に芸術家が集う施設「伊豆の国アートビレッジ」を設けたことが縁で、今回の展示会を開いた。
 縦2メートル、横3~6メートルほどの大作を中心に計37点を展示した。国内では阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地、海外ではアウシュビッツやサラエボ、チェルノブイリ(チョルノービリ)など過去に悲惨な虐殺や紛争、事故が起こった現場を訪れて描いた作品が並ぶ。対比する形で、フランスの美しい景観を描いた作品も展示した。
 中西さんは「目の前の光景や自分の気持ちをできるだけ伝えるために大きな作品にしている。とにかく平和を望んでいる」と語った。入場無料。3、4の両日の午後2時からは中西さんによるギャラリートークを行う。

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