卓上に咲くメルヘン 小さくてかわいいユリ 静大大学院・瀬岡さん開発 

 「小さくてかわいいユリ」の開発を目指し研究を続けてきた静岡大大学院生の瀬岡咲葉(さわ)さん(23)=愛知県出身=がこのほど、高さ30センチほどで卓上に飾れるサイズのユリ2品種を作り出すことに成功し、農林水産省に出願登録した。

かわいらしく咲く「フェアリーチュチュ」=静岡大学地域フィールド科学教育研究センター(瀬岡さん提供)
かわいらしく咲く「フェアリーチュチュ」=静岡大学地域フィールド科学教育研究センター(瀬岡さん提供)
研究室でユリの栽培試験を行う瀬岡さん=静岡市駿河区の静岡大農学部総合棟
研究室でユリの栽培試験を行う瀬岡さん=静岡市駿河区の静岡大農学部総合棟
かわいらしく咲く「フェアリーチュチュ」=静岡大学地域フィールド科学教育研究センター(瀬岡さん提供)
研究室でユリの栽培試験を行う瀬岡さん=静岡市駿河区の静岡大農学部総合棟

 瀬岡さんは2品種の名称を、妖精のドレスが広がるような花びらのイメージから「フェアリーチュチュ」、白い星が咲くような姿から「星咲姫(せらひめ)」と命名。ユリは通常、花びらが6枚で、1メートルを超える大きな品種が多いが、瀬岡さんが作った2品種とも花びらが5枚という。
 総合科学技術研究科農学専攻の修士課程2年に所属する瀬岡さんは、小さなユリの開発を目指し、農学部3年生の時から研究を始めた。当初は雑草種であるタカサゴユリと別の園芸種のユリの交配を試みたが、小型化に至らなかった。そこで、タカサゴユリよりさらに小さく咲くヒメタカサゴユリを交配させず、鉢の大きさや肥料を変えるなど試行し、2品種が生まれた。
 指導する稲垣栄洋同大教授は「雑草種から発想を得て試行錯誤を続けた結果」とアイデアと努力をたたえた。
 品種登録出願から、最終的な品種登録までは数年かかる。瀬岡さんは「前例がなく、本当にできるか不安だったが、着眼点を変えることで新しい発見ができた」と話し、さらなる小サイズ化の研究にも挑戦するという。
 (社会部・薬袋貴信)

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