御殿場市ふるさと納税 寄付1億円に返礼品 世界に1台、最高級車に改造

 御殿場市は26日、ふるさと納税の寄付額1億円の返礼品を用意したと発表した。市内事業所が世界最高峰の自動車レースのマシン開発技術を生かして市販スポーツカーのボディーを一新し、世界に1台の車を作る。市の調べによると、1億円超の寄付に対する返礼品は県内で初めてとみられる。

寄付額1億円の返礼品として制作する車のデザインを紹介する由良社長=御殿場市役所
寄付額1億円の返礼品として制作する車のデザインを紹介する由良社長=御殿場市役所

 レーシングカーの開発を手掛ける「ムーンクラフト」(同市板妻)のサービス。寄付者が所有するスポーツカー「ケータハム7」のボディーを、同社の由良拓也社長がデザインしたボディーに付け替える。ルマン24時間のマシン作りに使う空気力学や炭素繊維成形技術を盛り込み、「超軽量で超高性能」(由良社長)になる。デザインも最新のトレンドを取り入れる。
 由良社長は市から、返礼品の目玉になる商品づくりを打診され、「夢があるので挑戦したい」と引き受けた。自社で製造しない部品も市内事業者から提供を受け「純御殿場産」のボディーになる。製造コストや労力を考えると「1台目(の収益確保)はぎりぎり」だが、「日本中や世界から注目され、御殿場市が盛り上がる」と希望を見いだす。
 市はこのほか、ゴルフの男子ツアー三井住友VISA太平洋マスターズの舞台になる「太平洋クラブ御殿場コース」の1日貸し切り(寄付額約3333万円)、ウエディング乗馬体験(同約233万円)などの返礼品も用意した。ふるさと納税ポータルサイトに順次掲載される。

 ■実業家前沢さん寄付きっかけ
 御殿場市が高額寄付の返礼品を用意したのは、衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)創業者として知られる実業家の前沢友作さんから昨年1千万円の寄付を受けたのがきっかけだ。
 前沢さんの寄付は観光振興の名目だったことから、市は効果的にPRする方法として高額返礼品の用意を決めた。開発費を補助する制度を設け、「寄付額150万円以上」の返礼品にするオリジナル商品を市内事業者から募った。7事業所が9商品をつくった。
 勝又正美市長は「御殿場にしかない商品」とアピールする。

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