ロボット事業強化へ新工場 松下工業(磐田)、自動車エンジン部品用鋳型製造

 自動車エンジン部品用鋳型製造の松下工業(磐田市竜洋稗原、松下隆彦社長)は、ロボットを使った生産システムを設計・販売するロボットシステムインテグレーター事業を強化している。9月初め、市内で専用工場の操業を開始し、専門部署を設置した。労働力人口の減少に伴う生産現場の自動化の需要を見据え、取引拡大を目指す。

ロボットシステムインテグレーター事業の強化に向けた松下工業の新工場=磐田市富里
ロボットシステムインテグレーター事業の強化に向けた松下工業の新工場=磐田市富里

 同社はエンジン部品鋳造に使う中子を主力にしている。自動車の電動化が進む中、主力事業の先細りを懸念し、第2の収益の柱をつくろうと2016年にロボット事業に参入した。中子製造でいち早くロボットを導入して培ったノウハウを生かした。
 これまでは本社工場の一角でシステムの組み上げなどを行っていたが、取引が増えて手狭に。同市豊田富里工業団地の旧鉄工所を取得し、専門工場を開設した。
 新工場では、自動車など大手向け産業用ロボットだけでなく、中小の工場でも導入しやすいよう、人と同じスペースで作業できる「協働ロボット」を活用した生産システムの提案にも力を入れる方針。飲食店など非製造業への展開も狙う。現在は売上高の2割前後を占めるロボット事業の比率を、2027年に5割まで高める目標を掲げる。
 松下晴彦専務は「人手不足にあえぐ地域の中小企業などの省人化に貢献したい」と説明する。顧客の導入コストを抑えられるよう、システムを定額でレンタルできるサブスクリプションサービスも検討している。

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