清水の海にSUPの波 手軽なマリンスポーツ体験人気 静岡・三保内浜

 静岡市清水区の三保半島先端部にある三保内浜。波が静かで小さな子供でも楽しめる海水浴場として伝統的に親しまれてきた。波や風が少ないことから、近年はSUP(スタンドアップパドルボード)を体験する人たちが多く訪れていて違った顔を見せている。「三保の水族館」と呼ばれる東海大海洋科学博物館の有料入館が来年3月に終了するなか、商業施設のオープンなど新たな魅力も発信している。

波が静かな三保内浜の海でSUPを楽しむ男女
波が静かな三保内浜の海でSUPを楽しむ男女
SUPのボードとパドルを持つ男性
SUPのボードとパドルを持つ男性
波が静かな三保内浜の海でSUPを楽しむ男女
SUPのボードとパドルを持つ男性

 

「富士山に感動」景色魅力


 

 身近なレジャーが好まれている近年、三保内浜ではSUP(サップ)体験が人気を集めている。ボードの上に立ってパドルでこぐだけの手軽さから、マリンスポーツの「ドアノックツール」とされ、地元の東海大海洋学部でも授業に取り入れるなどしている。
 豊橋市出身でインストラクターの松下裕亮さん(28)によると、10年ほど前には数人見かける程度だった三保内浜のSUP人口は、近年はスクールに入る人だけで年間千人程度にまで膨らんだ。松下さんは「ほかのマリンスポーツに比べてやりやすいのが一番の魅力」と話す。
 3~4メートル程度のボードに170~200センチ程度のパドル。ボードはサーフィンボードに比べて幅と厚みがあり、高齢者や子供でも安定して立っていられるという。加えて、最大の魅力の一つは海から陸地を見た景色の素晴らしさだ。
 SUP体験中の事故防止のため活動している「SHIZUOKA SUP FLEET」の会長を務める鉄多加志東海大海洋学部准教授(56)は「三保内浜の場合、海岸からは富士山が見えないが、SUPで少しこぎ出すと富士山が顔をのぞかせる。それに皆感動する」と話す。
 清水港内を航行する外国の大型コンテナ船などを見ながらのSUP体験は異国情緒も味わえるという。

地下海水で育てたサーモン

清浄な地下海水で育てた三保サーモン
 

 ご当地食材として近年知名度が上がっている「三保サーモン」。三保半島の清浄な地下海水を利用し、実際に現地で陸上養殖されている。関係者は「年間通じて18.5度で一定する地下海水を大量採水できるエリアは全国でも珍しい」と述べ、地下海水自体が「地域資源」であることを強調する。
 静岡市内を中心に三保サーモンを取り扱う店を見かけるようになった。最近では児童らの社会教育活動を受け入れるなど、一層知名度を増している。

果物ふんだんチーズケーキ 8月開業「ウラレナ」

地元産の果物を添えたチーズケーキ
 

 三保内浜に8月にオープンしたレストランなどの商業施設「ウラレナ」が若い女性客らに人気を集めている。1階にレストラン、2階にはキッチン付きの宿泊施設を備え、敷地内にはサウナやアウトドアショップなどもある。施設名はハワイで夕日に照らされ雨が赤や黄色に輝く様子を指すという。
 オープンさせたのはサーフショップも近くで経営する合志明倫さん(48)。熊本県出身で大学進学以来三保の魅力に取りつかれてきた。施設目の前の桟橋は、海外のスーパーヨットも受け入れ可能な施設になるよう県が来年度から工事する。
 地元産のフルーツをふんだんに使った「旅するシェフのチーズケーキ」(800円)が人気を博している。

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