バルコニーやかまど復元 「松城家住宅」大規模修復が完了 沼津市戸田、11月3日から一般公開

 沼津市戸田の国指定重要文化財「松城家住宅」で2016年から行われていた解体修復工事がこのほど完了し、報道陣に18日公開された。建物を分解して修復、復元する大掛かりな工事で、建造当時あったバルコニーなどが復元されたほか、しっくいの壁や壁紙なども当時の物を残しながら修復した。11月3日午後3時から一般公開する。

大規模な修復工事が完了した国の重要文化財「松城家住宅」。2階のバルコニーが復元された=沼津市戸田
大規模な修復工事が完了した国の重要文化財「松城家住宅」。2階のバルコニーが復元された=沼津市戸田
2階の応接間。米国製のオイルランプ式シャンデリアがつるされ、窓側には入江長八のしっくい鏝絵「雨中の虎」(右奥)が施されている
2階の応接間。米国製のオイルランプ式シャンデリアがつるされ、窓側には入江長八のしっくい鏝絵「雨中の虎」(右奥)が施されている
大規模な修復工事が完了した国の重要文化財「松城家住宅」。2階のバルコニーが復元された=沼津市戸田
2階の応接間。米国製のオイルランプ式シャンデリアがつるされ、窓側には入江長八のしっくい鏝絵「雨中の虎」(右奥)が施されている

 工事は老朽化した建物の保存や耐震化を目的に行われた。建物を半解体し、鉄骨による補強などを実施。バルコニーのほか、風呂場に改装されていたかまどなども復元した。ポルトガル製とされる天井に貼られた幾何学模様の壁紙も一部を複製して貼り直した。
 主屋の内部にある松崎町出身の左官の名工、入江長八のしっくい鏝絵(こてえ)はそのまま保存し、見学することができる。
 松城家住宅は回船業を営んだ松城家の当主2代兵作が1872~76年に建築した。主屋は木造2階建ての擬洋風建築で、2006年に主屋など7棟が重要文化財に指定された。

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