陸上養殖エビ、初出荷へ水揚げ 磐田 AI駆使、水質水温を管理

 関西電力子会社の海幸ゆきのや(秋田亮社長)は18日、磐田市小中瀬に7月新設した国内最大級のバナメイエビの陸上養殖施設で、初出荷に向けた水揚げ作業を始めた。異業種ながら電力事業で培った技術や人工知能(AI)を駆使して養殖施設の水質や水温管理を行い、年間約80トンの出荷を目指す。

初出荷に向けた水揚げ作業を行う従業員ら=18日午後、磐田市小中瀬
初出荷に向けた水揚げ作業を行う従業員ら=18日午後、磐田市小中瀬
水揚げされたバナメイエビ=18日午後、磐田市小中瀬
水揚げされたバナメイエビ=18日午後、磐田市小中瀬
初出荷に向けた水揚げ作業を行う従業員ら=18日午後、磐田市小中瀬
水揚げされたバナメイエビ=18日午後、磐田市小中瀬

 長さ40メートル、幅12メートル、深さ最大2・5メートルの水槽で飼育したバナメイエビ約50キロを従業員らがタモで丁寧に収穫した。同社によると、養殖開始時に体重0・002グラムだった稚エビが、わずか3カ月で13~17グラムまで成長したという。水揚げしたエビは瞬間冷凍し、11月以降に「幸(ゆき)えび」のブランド名で関東、東海、関西圏の飲食店やホテルへ出荷する。
 新設した陸上養殖施設は環境に配慮し、天竜川や遠州灘の地下水を循環・ろ過して再利用するほか、AI技術でエビの全体数を正確に把握し、無駄な餌やりを防ぐ。水槽に人工的に波を立てる装置を設け、自然に近い環境を整えることでエビの身を引き締める工夫も施している。
 秋田社長は「無事に収穫を迎えることができて安堵(あんど)した。事業を継続し、電力会社の新ビジネスの成功例としてアピールしたい」と述べた。

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