“幻のアボカド”収穫 沼津西浦産 露地栽培で国内北限

 沼津市西浦地区で露地栽培のアボカドの収穫が始まり、生産者の原田尚一さん(42)が市役所を訪れ、頼重秀一市長に今年の生育状況を報告した。収穫量が少ない“幻のアボカド”で、今月末ごろまで計400~500個の出荷を見込む。

収穫されたアボカドを手にする生産者の原田さん=沼津市役所
収穫されたアボカドを手にする生産者の原田さん=沼津市役所

 同地区のアボカド栽培は「寿太郎みかん」の生みの親として知られる故山田寿太郎さんが約70年前に始めた。露地栽培では国内の北限とされ、山田さんが苗木を配った数軒が少量生産してきたが、市場にはほとんど出回っていなかった。山田さんから苗木を譲り受けて栽培してきた原田さんは3年前から沼津中央青果(同市)に出荷を始め、一部の青果店が取り扱うようになった。
 原田さんが栽培するのは、寒さに強い「ベーコン種」。今年は1個250グラム前後とやや小ぶりだが、その分収穫個数は例年より多いという。原田さんは「国内で主に流通する『ハス種』に比べ、ややさっぱりした味。寒さや風に弱く、露地栽培は難しいが、工夫をして収穫量を増やしていきたい」と語った。

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