水と電気自給 箱型ホテル、沼津・戸田に12月開業 西伊豆リゾート開発着手

 全国で宿泊業や地方創生を手がける「ARTH」(東京)は、エネルギーと水を自給する設備を備えた箱型の建築物「WEAZER(ウェザー)」を開発した。12月10日に活用第1弾として、一棟貸しホテルを沼津市戸田の舟山地区で開業。高齢化や人口減が進む西伊豆エリアで電気、水を自給する自然を生かしたリゾート開発を展開する。

水やエネルギーを自給する居住モジュールを使った一棟貸しホテル「WEAZER」=沼津市戸田
水やエネルギーを自給する居住モジュールを使った一棟貸しホテル「WEAZER」=沼津市戸田
雨水を浄化し上水として利用するための特殊な浄化装置
雨水を浄化し上水として利用するための特殊な浄化装置
水やエネルギーを自給する居住モジュールを使った一棟貸しホテル「WEAZER」=沼津市戸田
雨水を浄化し上水として利用するための特殊な浄化装置

 同社によると、電気は太陽光発電で、水は雨水で作り、二酸化炭素(CO2)の排出がない。特殊な浄化装置で汚水排水も出ないため、環境への負担が少ないのが特徴。場所に応じて形や大きさの組み合わせが可能で、設置工事が短期で完了する。インフラ未整備の場所にも設置可能で、災害時の避難場所としての活用も想定する。電気自動車(EV)と接続して相互に電力を供給することもできる。
 同社はイタリアンレストランやジェラート、パンの専門店、宿泊施設が併設する伊豆市土肥の複合施設「LOQUAT(ロクワット)西伊豆」を昨年2月に開業した。その後も古民家を改装して宿泊施設にする土肥地区のエリア開発に取り組んできた。高野由之代表は「ウェザーを使った宿泊施設を舟山地区に増やしていく。行政や地元企業と連携し、趣ある町並みと自然を生かした土肥・舟山エリアの活性化に取り組みたい」と話した。
 ホテルは1泊2人朝夕食付きで10万円から。駿河湾を一望する高台に位置し、主に首都圏からの利用者を想定する。
 (東部総局・菊地真生)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞