技術応用、スケボー施設造り 大村組(浜松市浜北区)/大村幸治社長【キーパーソン】
本業の土木工事技術を生かしてスケートボード施設造りに携わる。7月には本社敷地内にスケートボードのできるカフェを併設した。東京五輪での日本人スケーターの活躍以来、若者を中心に人気が高まったこともあり、スケートパーク建設について官民から相談を受ける。スケート文化に対する理解促進や地域経済への影響について考えを聞いた。
―カフェオープン後の地域への影響は。
「カフェ運営は市内の飲食店オーナーも協力してくれている。スケボーをしない住民たちも利用し、地元政治家や行政担当者の視察も受け入れた。スケーターへの理解促進に一役買ったのでは。当社敷地にあるおわん型のスケボー用ボウルは底が浅いのが特徴で、県外から来る人も増え続けている。交流サイトのインフルエンサーもおり、地域の魅力発進にも貢献してくれる」
―スケボー施設を造ったきっかけは。
「10代のころからサーフィンを楽しんでいて、2014年に同じ趣味を持つ社員と波乗り感覚で滑れるボウルを試作した。その後、社内にスケートパーク部をつくった。コンクリート製のボウルを造るには土木工事の技術を応用しつつ、専用のノウハウがいるので、同様の業者は国内ではまだ少ない。このため最近は県外からも注文がある」
―今後の展望は。
「各地のスケーターと地域住民との交流を増やしたい。スケートボードを機会とした観光資源の掘り起こしにつながるはずだ」
おおむら・こうじ 2010年まで浜松市内の別の土木会社勤務。11年、大村組入社。16年から現職。同市浜北区出身、43歳。