「みさくぼ路の里」1月閉店 住民や行楽客に愛され36年 浜松・天竜区の売店

 浜松市天竜区水窪町で地場産品や土産物を販売する「みさくぼ路(じ)の里」は、来年1月末で閉店する。売り上げの不振が原因で、近年は新型コロナウイルスの感染拡大でさらに客入りが落ち込んでいた。地元住民や行楽客に愛された町の関所は、36年間続いた営業を一区切りとする。運営元の水窪町森林組合は店舗と販売事業の後継者を探している。

23年1月末で閉店する「みさくぼ路の里」
23年1月末で閉店する「みさくぼ路の里」


 同森林組合によると、9~11月に開かれた理事会で閉店が決まった。目標の売り上げに届かない年が続いたことや、来年10月に始まるインボイス(適格請求書)で収益が悪化する見込みから閉店する判断とした。
 みさくぼ路の里は1986年10月、林業の道具を扱う店として始まった。地元生産者の山菜やしいたけ、長野県産のリンゴなど素材と味に定評ある商品が並ぶ人気店に育った。
 店長の竹下里香さん(59)は、遠方から来た家族連れやキャンプで訪れた観光客など多くの思い出が浮かぶという。「水窪の入り口のようなお店。地域貢献に活躍していた」と振り返った。
 同組合の熊谷啓司理事長(71)は「継続を求める声は多い。店を引き継ぐ希望者を探している」と話した。現在は、地元のNPO法人「まちづくりネットワークWILL(ウィル)」が手を挙げている。
 通常営業は12月末まで。来年1月に在庫処分セールを実施する予定。
 (水窪支局・大沢諒)

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