学習の集大成「袋商ショップ」 生徒と成長、20回の節目 3年ぶり一般客受け入れ 10、11の両日

 袋井市の袋井商高で10、11の両日、全校を挙げて取り組む恒例の販売実習「袋商(ふくしょう)ショップ」が開催される。生徒の手で長年引き継がれ、20回の節目の今年は3年ぶりに一般客を受け入れる。新型コロナウイルス禍前のにぎわいを取り戻そうと、生徒たちが準備に奔走している。

袋商ショップの開幕を目前に控え、打ち合わせを行う本部役員=6日、袋井市の袋井商高
袋商ショップの開幕を目前に控え、打ち合わせを行う本部役員=6日、袋井市の袋井商高

 「いよいよ本番を迎える。高校生活の思い出になる時間を過ごしてほしい」。5日に行われた開店式。本年度の社長を務める松浦夏蓮さん(18)が全校生徒に呼びかけた。開幕を目前に控え準備は最終盤。商品の搬入や陳列などの作業が慌ただしく進められている。
 袋商ショップは2003年、創立80周年の記念事業として始まった。企画から準備、運営まで本部役員を中心に生徒主体で取り組み、一年の学習の集大成として臨む。商品は農産品や海産物、文具、衣料品、自動車など多岐にわたり、事業者との交渉も各クラスで行う。仕入れ価格や数量を決定するなど、商売のノウハウを学ぶ。
 一方で生徒数の減少などにより、これまで通りの規模で開催することが徐々に難しくなっているという。
 “袋商の伝統”を残そうと、今年は初めて近隣の中学生を対象とした接客体験会を企画した。自身も中学3年時に袋商ショップに来店し、同校への入学を決めたという松浦さんは「自分たちにできるのはショップを盛り上げること。その積み重ねで何十年と続く行事になってほしい」と意気込みを語る。

 <メモ>袋商ショップは2部制で開催し、両日とも午前の部は9時~11時45分、午後の部は0時15分~3時。同校ホームページで取得した入場券が必要。2部制、入場券必要

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