食文化継承、次の使命に 富士宮やきそば学会(富士宮市)渡辺孝秀代表【キーパーソン】 

 富士宮市民有志で2000年に発足し、ご当地グルメ「富士宮やきそば」を全国区に広めてきた同学会。今年は文化庁の新制度「100年フード」に富士宮やきそばが認定を受けた。地域の活性化、地域で愛される食文化を次世代にどのようにつないでいくのか、道筋を聞いた。

渡辺孝秀代表
渡辺孝秀代表

 -認定の受け止めは。
 「学会の新たな使命に一致した。富士宮やきそばを全国に広めるという使命を果たしてきたが、これから、どう次世代にバトンタッチするか活動の方向転換を模索していた。地域には頑張っている若い事業者がたくさんいる。若い世代の応援が100年先の未来をつくる。学会での経験や培ってきたノウハウや人脈をつないでいきたい」
 -地元のクラフトビールやブランド牛と相次いでコラボを発表した狙いは。
 「当初から一番の目的はまちの活性化。やきそばのブランド力を生かし、地域の魅力を発信したいとの思いからコラボを企画した。やきそばを次世代に残すためにも、地域全体を盛り上げていく必要がある。新しい動きを発信し続けることで『富士宮やきそばが再燃しているね』という雰囲気にもつながる。若い世代からも新しい切り口を提案してもらえたらうれしい」
 -改めて意気込みを。
 「培ってきたネットワークを生かし、やきそばだけでないマッチングにも取り組み、化学反応を起こしていきたい。魅力的な『素材』は街角の何げないところに必ずある。リニューアルを進めている学会のホームページで地域の魅力や面白いものをリンク付けして巻き込む。まちの輝く物を見つけて磨いて、観光客と地域みんなで盛り上げたい」

 わたなべ・たかひで 富士宮市企画部長など歴任。市役所では富士宮やきそば学会立ち上げのきっかけとなったワークショップを担当。同学会設立から参画し、運営専務を経て現職。70歳。

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