記者コラム「清流」 面接のような語る会

 会場は役場の応接室。仕切り越しにスーツ姿の町幹部。学生時代の自分なら、この時点で緊張して逃げ出したくなるだろう。清水町が初めて開いた、町長ら三役と新幹線通学支援事業を使う大学生がまちづくりを語る会。盛り上がったようには見えなかった。
 学生たちが順に、町への要求や課題を話す。町の幹部は返答として行政の仕組みを解説したが、実現の難しさを伝えた場面では、できないことの言い訳にさえ聞こえた。その後は職員の気遣いもあり和やかな雰囲気となったが、全体的には面接のよう。学生は「お堅い。円になっていたら違ったかも」と話した。
 事業は若年層の人口流出抑制が目的だ。初の試みとはいえ、学生の思いを聞く機会とするなら、傾聴の姿勢と運営の工夫が必要だっただろう。
 (東部総局・山本萌絵佳)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞