大河後もいざ伊豆の国 ドラマ館閉館まで 誘客盛り上げラストスパート

 伊豆の国市ゆかりの鎌倉幕府第2代執権の北条義時が主人公になった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の全48回の放送が18日に終了した。市内周遊の拠点となる大河ドラマ館は来年1月15日まで開館していて、来館者数は目標の10万人を大幅に上回る18万人超えが確実。誘客が期待できる年末年始に向け、市民は盛り上げのラストスパートをかける。

最終回放送日、大河ドラマ館前で行われた菓子まき。市民は盛り上げのラストスパートをかける=18日、伊豆の国市の韮山時代劇場
最終回放送日、大河ドラマ館前で行われた菓子まき。市民は盛り上げのラストスパートをかける=18日、伊豆の国市の韮山時代劇場

 「市民による新たな活動も生まれ、大きな成果が出ている。市内が一体となって盛り上がった」。山下正行市長は大河ドラマをきっかけに全国から注目が集まった1年間を振り返り、事業に関わった多くの市民やさまざまな団体の取り組みに対して感謝した。
 来館者数は今月半ばに17万7千人に到達。入湯税を基にした市内旅館の10月の利用者数は約4万7千人で、新型コロナ禍前の2019年の同時期から2千人ほど増えた。市の担当者は「大河ドラマ館が誘客の一因になっている」と地域経済への波及効果を喜ぶ。
 大河ドラマ館が設置されている韮山時代劇場では、民間団体などによる活動も盛んに行われている。商工関係者が運営する物産館は旬に合わせて特産のイチゴのPRに力を入れる。地元の特別支援学校生は花壇の整備に協力し、来館者にやすらぎを与えている。
 イベントの企画運営を手がける団体「ドコカノmarket」(同市)は2月から毎月、同劇場内で季節に合わせた行事を開催。最終回放送日の18日にはクリスマスを前に、子どもたちを対象に菓子まきを行った。来年1月14、15の両日に飲食など50店舗以上が並ぶイベントを企画していて、米山千尋代表は「企画の開催によって地域の人が足を運ぶきっかけになっている。市民が盛り上げの主役だと認識してもらえれば」と期待する。
 市内ではフィナーレに向け、大河ドラマのテーマ曲を演奏するコンサートや打ち上げ花火などが企画されている。市の担当者は「放送が終わっても余韻に浸りたい人はいる。今後もファンが来ることを想定し、ゆかりの地をPRしたい」と意気込んだ。

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