ビジネスマッチング EVでGo! 焼津で実証実験、1月スタート

 焼津市内で2023年1月から、モビリティーサービスとアプリを組み合わせたビジネスマッチングの実証実験が行われる。利用者は登録した専用アプリで、自分の関心テーマに合う人材を見つけだし、低速の電気自動車(EV)か電動アシスト付き自転車(Eバイク)を使って出会う。焼津の地理をよく知らない移住者でも、気軽に交流することが可能な仕組み。市は複業人材の交流促進につながると期待を寄せる。

実証実験で使う低速EV=12月上旬、焼津市内
実証実験で使う低速EV=12月上旬、焼津市内
低速EVの想定走行エリア
低速EVの想定走行エリア
実証実験で使う低速EV=12月上旬、焼津市内
低速EVの想定走行エリア

 実証実験は、首都圏と静岡県の企業や人材のマッチングを手がける「うさぎ企画」(長泉町)とソフトウエア開発会社「LANDMARK(ランドマーク)」(東京都)が主体となって実施する。期間は来年1月中旬から2月下旬の平日のみを予定している。
 利用者はLAND社のアプリ「FLAG(フラグ)」に登録。自分の属性や趣味、関心テーマを書き込むと、人工知能(AI)が求めている専門的知識や資格、相性の合う人材を提示する。コワーキングスペースや飲食店など市内拠点に設置するQRコードをスマートフォンで読み込むと、アプリの画面上に現在の滞在場所として表示。これらの情報を頼りに連絡を取り合い、低速EVやEバイクを利用して落ち合う。
 移動手段の一つとして用意した低速EVは4人乗りの軽タイプで、窓はない開放的な空間が特徴。時速20キロ以下で走行する。JR焼津駅以南3キロ圏内に25カ所ほどの停留所を設置。利用者は電話で予約して、指定した停留所に向かう。自家用車がなくても、ビジネス拠点などに容易に向かえるのが利点。
 うさぎ企画の森田創代表は「新しいモビリティーを通じてさまざまなコミュニケーションが生まれるのでは」と語る。

対面での出会い重視
 実証実験で使うアプリの開発思想について、LAND社の讃井寛海CEOは「まち全体を一つのコワーキングスペースに見立てた」と語る。コロナ禍の経験から対面での出会いの重要性を再認識し、「焼津のまちでさまざまな出会いが生まれてほしい」と期待する。
 讃井氏は留学先の米国シリコンバレーで、コワーキングスペースを拠点にビジネスを含めてさまざまな出会いが生まれていく光景を目撃。こうした出会いが生じる確率、精度を高める仕組みとして、アプリ開発を思いついた。
 コロナ禍でビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」といったオンラインのツールが日常化される中、讃井氏は「実際に会わないと分からないことが多い」とオフラインの重要性も指摘。今回開発したアプリはオン・オフ双方の出会いを実現可能な手段と位置づける。

 

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