記者コラム「清流」 「うさぎ山」を思う

 小さなてんぐがちょこんとウサギにまたがる姿に、ほっこり。浜松市中区の鴨江アートセンターで、張り子作家坂田吉章さんの個展が開かれた。てんぐの子どものキャラクターと干支(えと)の動物をモチーフに毎年、作品を紹介している。今年は、昔会場近くの中山町にあった「うさぎ山」を題材に選んだという。
 地名の由来には「山頂の小さな丘が雪ウサギのように見えた」との説と、「山でぴょんぴょんと遊ぶ子どもたちをウサギに見立てた」説があるそうだ。現在は崩されて住宅街になっている。中山町の浜松まつり凧(たこ)印に、ウサギの絵柄が描かれていた時期があったとも聞いた。
 地域のシンボルとして愛されていた山なのだろう。張り子作品を見つめながら、山頂の雪ウサギを思い浮かべた。

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