助け合いの謝礼は地元店ポイント 浜松市がベンチャーと連携、アプリ試行

 困り事の手伝いの対価として、地元の商店で使えるポイントをやりとりする―。そんな実証実験が浜松市で始まった。東京のベンチャー「グレートバリュー」と市などが連携し、スマートフォンのアプリ「浜松ヒーローズ」を開設。困り事の内容をメニューから選んで、誰でも助けたり、助けを求めたりできる。「共助」の社会を支える新しいツールになるか期待が集まる。

浜松市の助け合いアプリ イメージ図
浜松市の助け合いアプリ イメージ図
アプリの助け合い依頼画面。依頼や手伝いの申し出ができる
アプリの助け合い依頼画面。依頼や手伝いの申し出ができる
協力店舗に設置されたQRコードでポイントのチャージや決済ができる=2022年12月下旬、浜松市浜北区の和食店「うな新」
協力店舗に設置されたQRコードでポイントのチャージや決済ができる=2022年12月下旬、浜松市浜北区の和食店「うな新」
浜松市の助け合いアプリ イメージ図
アプリの助け合い依頼画面。依頼や手伝いの申し出ができる
協力店舗に設置されたQRコードでポイントのチャージや決済ができる=2022年12月下旬、浜松市浜北区の和食店「うな新」

 アプリに登録後、「依頼する」のメニューから「軽作業」「付き添い」「勉強」などの項目を選択し、日時や連絡先を入力して助けを求める。対価は内容ごとに定められ、1件最大千ポイント(1ポイントは1円相当)。依頼は一覧表示され、助けたい人は依頼主にメッセージを送り、手伝いをしてポイントを受け取る。
 実証実験は2022年12月20日から23年2月末まで。浜北区を中心に30店舗ほどが協力し、店頭でのポイントでの支払いやチャージに対応する。市民のアプリ登録と依頼の入力を呼びかけている。
 アプリを開発したグレートバリュー社は青森県弘前市で同様のシステムを稼働中で、特に雪かきの助け合いに活用されている。現金報酬は互いに気が引ける身近な手伝いも、ポイントなら授受しやすいとして、反響が大きいという。浜松市での試行は全国の自治体で2例目。デジタル技術の社会実装を目指す実証実験を公募する中で、同社の取り組みに着目した。市民の反応や効果を確認し、今後の拡大を検討する。
 同社は依頼の報酬から一定額を収益として得る。自治体の負担は発生せず、導入しやすいシステムとして全国で試行の動きが広がりつつある。同社東海支店(浜北区)の内藤響さんは「共生社会の創造と経済活性化を同時に目指すサービス」と強調する。
 地元商店などとの橋渡し役を担う浜北商工会の吉田英輝理事は「既存の助け合い活動とのすみ分けに配慮しながら、店の売り上げにつながるよう協力したい」と話す。

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