雑草攻略法、茶園から学ぶ 静大4年岩瀬さん冊子に 藤枝の茶農家調査、有機栽培のヒントに

 近年、欧米などでニーズが高まっている有機茶の栽培で、生産者を悩ませているのが茶園に生える雑草だ。静岡大農学部4年の岩瀬結子さん(22)=愛知県出身=はこのほど、卒業研究の一環で、古くから有機茶栽培に取り組む藤枝市の茶農家が実践してきた“難敵”への攻略法を冊子にまとめた。

雑草の“攻略法”を冊子にまとめた岩瀬さん=静岡市駿河区の静岡大
雑草の“攻略法”を冊子にまとめた岩瀬さん=静岡市駿河区の静岡大


 県によると、茶の有機栽培における農家の除草作業は労働時間の約8割を占め、生産拡大を阻害する一因とも言われている。この課題の解消に向け岩瀬さんが着目したのが、1970年代から有機茶栽培に取り組む藤枝市の茶農家。岩瀬さんは市の研究助成制度に応募し、茶農家の調査を始めた。
 冊子では雑草の種類をイラストで紹介するとともに、それぞれの危険度を「有害」「注意」「無害」に分類し、除草を見極める目安を示した。また、防除のヒントとしてSNSなどで調べられるように、葉がハート形のヤマノイモであれば「#ハート形」などと印象的な言葉を#(ハッシュタグ)で表現する学生らしいアイデアも考案した。
 さらに、除草パターンを「ねだやし」「ほったらかし」「かいならし」と独自の呼称で仕分け、それぞれの長所、短所を記した。指導する稲垣栄洋教授は「専門家や行政ではわかりにくい実態を学生の視点でうまくまとめた」と評価する。岩瀬さんは「今後の有機茶栽培のヒントにしてもらえれば、うれしい」と話した。
 岩瀬さんの研究結果は3月に、藤枝市に報告する。冊子の希望者は稲垣教授のメールアドレス<inagaki.hidehiro@shizuoka.ac.jp>へ。

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