地域を挙げた観光振興 袋井市観光協会/村田繁樹会長【キーパーソン】
袋井市内でも観光客が徐々に戻りつつある中、本県ゆかりの徳川家康が主人公の大河ドラマ「どうする家康」の放送開始を観光業のさらなる活性化へとつなげる。行政をはじめ関係団体との連携も強化し、地域を挙げて観光振興を図っている。今後の戦略などを聞いた。
-就任から8カ月たっての感想は。
「観光の多様化が進み、時代に合わせた施策が必要。特に発信力の重要性を改めて感じている。協会としてPRすることはもちろんだが、SNSの影響力は大きい。主な利用者の若者世代をどのように呼び込むか。客足は回復傾向の半面、今は観光支援を利用した来訪も多い。一過性ではなく、リピーターとして定着させるための知恵を絞りたい」
-大河ドラマの観光振興への生かし方は。
「袋井には可睡斎をはじめ家康ゆかりの場所や伝承が残っているが、知名度はまだまだ。まずは歴史的なつながりをアピールすること。大河ドラマファンが袋井にも足を運びたいと思うような企画を打ち出したい。事業者とも協力して盛り上げていく」
-今後の展望は。
「スポーツツーリズムを推進する。例えばエコパスタジアムへスポーツ観戦に訪れた人の滞留時間を延ばす仕組みづくりに取り組む。昨年、市スポーツ協会と協定を結び、態勢を整えた。近隣自治体とも協力し合いながら、相乗効果で観光客の増加につなげたい。将来的に地域の子どもたちに袋井への愛着を持ってもらえるような取り組みも展開していければ」
(袋井支局・仲瀬駿介)
むらた・しげき 1973年に旧袋井市に採用。健康福祉部長や副市長などを務めた。2022年から現職。医療法人の経営にも携わる。72歳。