庭の変なネジバナ…実は新種! 静岡・地球環境史ミュージアム 早川准教授らグループが特定

 ふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡市駿河区)の早川宗志准教授らの研究グループは17日、国内で2種類しか確認されていないラン科の多年草ネジバナの新種を発見し、「ハチジョウネジバナ」と命名したと発表した。同日、植物科学の国際誌「ジャーナルオブプラントリサーチ」オンライン版に研究成果を掲載した。

ふじのくに地球環境史ミュージアムの早川宗志准教授らの研究グループが発見した「ハチジョウネジバナ」(同ミュージアム提供、末次健司神戸大教授撮影)
ふじのくに地球環境史ミュージアムの早川宗志准教授らの研究グループが発見した「ハチジョウネジバナ」(同ミュージアム提供、末次健司神戸大教授撮影)

 国内ではこれまで、九州以北に広く分布して6月以降に咲くネジバナと、琉球列島に分布して3月ごろ開花する「ナンゴクネジバナ」の2種類が確認されていた。研究グループは、九州以北のネジバナに通常より1カ月以上早く開花し、子房や花茎に毛のない個体があることに気付いた。形態やDNAを詳しく分析し、新種と特定した。新種は九州、四国、中部、関東に広く分布するが、最も多くの個体が見つかった伊豆諸島・八丈島の名を冠した。
 新種の標本には、「庭やベランダから変なネジバナが勝手に生えてきた」と市民が提供したものも含まれているという。早川准教授は「古くから愛され、ありふれた植物であるネジバナに実は新種が混じっていたという事実に驚いた。植物の世界の奥深さを感じる」と話した。
 ハチジョウネジバナの標本展示を21日から5月7日まで、ふじのくに地球環境史ミュージアムで行う。

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