熱海のしゃぶしゃぶ店「ふくや」開業70年 家族経営で父の味守る

 熱海市田原本町のしゃぶしゃぶ店「食事処ふくや」が今月、開業70周年を迎えた。旅館、飲食店と業態を変えながら、家族経営で観光客や市民をもてなしてきた。店主の三枝智さん(57)は「これからも熱海の観光に貢献したい」と意気込みを語る。

旅館のたたずまいを残す「食事処ふくや」
旅館のたたずまいを残す「食事処ふくや」
看板メニューの「和豚もちぶた」を用意する三枝さん=熱海市田原本町
看板メニューの「和豚もちぶた」を用意する三枝さん=熱海市田原本町
旅館のたたずまいを残す「食事処ふくや」
看板メニューの「和豚もちぶた」を用意する三枝さん=熱海市田原本町

 ふくやの前身は祖父敏三郎さんが1935年に開業した理髪店。その後、熱海駅前の仲見世通り商店街に移転し、53年に父俊雄さんが現在の場所で「ふくや旅館」を開業した。智さんは旅館の料理を作る俊雄さんの背中を見て育った。
 ただ、バブル経済崩壊を境に熱海の観光客は減り、同旅館は2000年に閉館した。ふくやは宿の趣を残した飲食店として再出発した。当時理容師だった智さんも父の店を手伝うようになった。父や飲食業に携わる同級生から料理のいろはを教わり、試行錯誤を重ねてきたという。
 俊雄さんは昨年1月に他界し、現在は智さんが古き良き旅館の雰囲気と父の味を守り続けている。「熱海の観光は新型コロナ禍からようやく回復してきたが、もっと盛り上げたい」と言葉に力を込める。ふくやは70周年を記念し、旅館時代から人気の「和豚もちぶた」のしゃぶしゃぶと、祖母、母、妻が作り続ける丹那牛乳を使ったクリームコロッケのセットメニューを23日まで3333円で提供する。問い合わせはふくや<電0557(81)2662>へ。
 

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