先進「アイガモロボ」 水田で“出動” 御殿場市が実証実験 雑草抑制や自動給水

 地域農業の発展と持続可能な農業振興を目指し、御殿場市や農業関連団体、生産者らでつくる「市みどりの農業推進協議会」(芹沢和彦会長)は12日、同市の水田で先進的なスマート農業資機材「アイガモロボ」などを用いて環境負荷の低減や省力化を図る実証実験を始めた。同資機材を本格的に導入した実証実験は県内初という。

水田に浮かべられたアイガモロボ=御殿場市
水田に浮かべられたアイガモロボ=御殿場市

 アイガモロボは田植え後の水田に浮かべると、取り付けられたスクリューで底面の泥を巻き上げながら自動で移動する。遮光効果などで雑草が生えるのを抑制するため、除草用化学農薬の使用量低減につながる。タブレットやスマートフォンのアプリで動きを設定し、作動状況を確認できるほか、水位を精密に管理して自動で給水するセンサーや給水ゲートも同時に設置することで、人的労力の大幅な省力化も期待できる。
 実証実験は同市の基幹作物である「ごてんばこしひかり」を生産する農家2軒の協力を得て、3週間~1カ月程度実施する。同日は田植えを行った直後の瀬戸孝雄さん(同市)の水田に農業関係者やアイガモロボ開発企業の職員が集まり、資機材を始動させた。瀬戸さんは「農薬を使わない有機栽培の安心安全な米を消費者に提供できるのならば、ブランド価値もさらに高まる。効果がどれほどあるか見定めたい」と話す。
 市などは実証実験の結果を基に北駿地域の米作りに合う手法か、費用対効果は高いかなどを判断する。担当者は「新たな生産手法の確立や転換により、農業のさらなる振興、発展につながれば」と期待する。

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