静岡人インタビュー「この人」 今夏タイで上演する劇で主演する写真家 鈴木竜一朗さん(御殿場市)

 7月中旬、静岡とタイの劇作家が共作した演劇で、本人役を演じながら撮影もする。戯曲制作のため4月中旬、タイの制作チームと県東部の水にまつわる場所をリサーチした。38歳。

鈴木竜一朗さん
鈴木竜一朗さん

 -出演の経緯は。
 「京都府舞鶴市で2017年に上演した石神夏希さん(静岡市)の戯曲『青に会う』への出演がきっかけ。同作の構造はそのままに、舞台をタイ北部のダーンサーイに移してナッタモン・プレームサムランさん(タイ)が戯曲を書き下ろす。来訪者である日本人2人が、旅を通じてタイの青にまつわる人や景色、ものに出会うという内容で、再び同じ役で出演する」
 -どのように上演するのか。
 「タイの街中で7日間上演する。出演者は上演前夜にウェブで一般公開される台本に従って行動する。誰でも鑑賞できるが、観客は見ていることを演者に悟られてはいけないため、秘密のゲームをやっている感覚になる。偶然居合わせた知らない人に話しかけられることもある」
 -どんな調査をしたのか。
 「調査は昨秋、タイでも実施し、『青』にまつわるものを撮影した。写真や起きたことは制作チームで共有し、戯曲の題材になる。タイからの来訪者を介在することで、地元御殿場の見え方が変わった。地元の人から初めて聞く話もあり、もう一度故郷に出合うことができた」
 -写真と演劇の関係は。
 「元々演劇やダンスの撮影をする機会が多く、身体表現への憧れもあった。本作は撮影自体がパフォーマンスになる上、撮影した写真がそのまま演劇作品の記録になるのが面白い。前作出演を機に、演劇における写真の振る舞いが制作のテーマになった。タイでの公演で何が起きるのか、今から楽しみ」

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